猫の知能はどのくらい高いの?人間と脳が似てるって本当?

「猫ってどのくらい頭が良いの?」と思ったことはないですか?
猫を飼っていると、ドアの開け方を学習していたり、色々とその知能の高さに驚かせられることがあると思います。
そこで今回はそんな猫の知能の高さを様々な角度から調べてみます!

 

脳化指数でみる猫の知能

脳化指数とは体重を基準として脳がどの程度重いのかを、定数を用いて導き出されるものです。
つまり脳化指数が高いと、体重に占める脳の重さが高いということですね。

それぞれ結果は以下のようになりました。

  • 人:7.4~7.8
  • イルカ:5.3
  • シロガオオマキザル:4.8
  • チンパンジー:2.2~2.5
  • カラス:1.4
  • 犬:1.2
  • 猫:1.0
  • ウマ:0.9
  • ライオン:0.6
  • ブタ:0.42
  • ネズミ:0.4

このように見ると、犬は猫よりも体重に占める脳の割合が高いということですね。
ただ脳化指数はあくまで参考にしかならないです。

それはチンパンジーとシロガオオマキザルの関係を見ても分かると思います。
脳化指数を見る限りでは、シロガオオマキザルの方がチンパンジーより頭が良いとなりますが、実際そうかというとそれは疑問が残ります。

同様にチワワとシェパードなどを比べても、チワワの方が脳化指数は高くなりますが、そういった証拠があるわけでもありません。

猫と犬の脳の変化
オックスフォード大学の研究によると、犬の脳は8000年前から大きくなっているようです。
一方猫の脳の大きさは、8000年前とほとんど変わらないようです。
これは犬が猫より社会的な動物であり、より社会的な生活の中で暮らすことで脳も大きくなってきたと考えられています。

 

猫と人間の脳は似ている?

脳と知能を結び付けて考える場合、脳の大きさ以上に、脳の構造や表面のしわが重視されます
ここで興味深いのが、猫の脳の構造などは人間の脳に非常に似通っており、90%程度が同じ形態だと言うことです

更に猫の脳は、エリアごとにそれぞれ特殊な作業を行うように分かれているようです。
それぞれのエリアは相互に結ばれており、簡単そして迅速に情報の共有を行うことができます。

猫の脳は人間の脳の何歳程度?
猫の脳は人間で表現すると、2~3歳児程度の脳を持っていると表現されることが多いです。

 

神経細胞の数でみる猫の知能

神経細胞(ニューロン)とは情報の処理と伝達を行う細胞のことです。
つまりニューロンの数が多いと、情報処理能力が高いと言えます。

そもそも情報処理能力とは?
情報処理能力は「コンピュータの処理能力」を想像すると分かりやすいと思います。
処理能力の高いパソコンほど、1秒当たりの作業量が多いですよね。
これと脳の情報処理も同じで、この能力が高いほど頭の回転が速いということです。

それぞれ犬・人・猫の大脳に存在するニューロンの数は以下の通りになります。

  • 人:数百億
  • 犬:1億6千万
  • 猫:3億

猫は犬よりも情報処理能力が高いと言えますね
こうして見ると、一般に犬の方が頭が良いと言われているのも疑問が残りますね。

ただやはり犬は猫と比べて物事を人から習い、習得することができるため頭が良いと言われます。
それではなぜ猫は犬と比べてトリックを覚えにくいのでしょうか?

 

猫がトリックを覚えにくい理由

猫と犬の知能の違いを考える際に、「犬は色々なことを覚えるが、猫は覚えない」という意見は根強く見かけますよね

実際犬は盲導犬や警察犬、更には麻薬探知犬など本当に幅広く人間の役に立っていますよね。
一方猫がそういった特定の分野で、何かの役に立っているということを聞くことはほとんどありません。

実は猫が犬のように何か特定の分野で活動しないのは、猫と犬の生き方の違いが大きく影響していると言われています
犬は集団の中で生きるのに対して、猫は1匹で生きていく動物です。

つまり犬の行動基準は「それが集団の中で求められているかどうか」なのに対して、猫の行動基準は「それが自分が生きていくのに必要なことかどうか」なのです。
こうした違いから、猫は犬と違ってトリックを覚えにくいのでしょう。

ただ犬のように学習能力がないというわけでもないようです。
なぜなら教えてもいないのに、私たちの姿を見て勝手にドアの開け方などを学んでしまっていることなんかもありますもんね。

このように猫にとっては、直接生きていくのに関係のないことや自分の興味のないことを覚えるのが難しいだけであって、学習能力自体は気が向きさえすればあるんだと思われます(^^)
あくまで気が向けばですが(笑)

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猫と犬の記憶力の違い

ミシガン大学で動物の(短期)記憶力を測るためのある実験が行われました。
その実験とは以下のようなものです。

  1. 多くの箱の中から、ランプが付いたものの中にだけ餌があることを覚えさせる
  2. 一つの箱にランプを点け、消す
  3. 一定時間経った後に、ランプのついた箱の元に行けば覚えているということがわかる

そして結果は犬が5分間、猫は16時間(960分)の間覚えていられたようです。
こうして見ると猫は犬と比べて、記憶力は遥かに良いことが分かります

猫の記憶力について詳しく知りたい方はこちらからどうぞ

5分で分かる猫の記憶力について!

 

猫の知能は測れない?

ここまで猫の知能について様々な点から考えてきました。
ただ実際のところ、猫の知能に関する研究などは現状あまり進んでいないようです。

そしてそんな猫を含む動物の知能を測る際に、私たち人間は動物用のIQテストなどを用います。
ですがそういったテストは、テスト自体の設計がつたないと事実と逆の結果が出てしまうことがあります

例を挙げると、例えば器用さを測るある種のテストがあったとします。
テスト対象は猿・猫・犬です。
その課題が必要とする思考回路と行動が、もともと猿には日常の一部だったのかもしれません。

一方猫や犬にとっては非日常を体現したかのようなテストで、何を求められているのかが分からず、テストを理解できていないように見えるかもしれません。

しかしそんな中でも猫や犬が、普段の思考とは違う考え方をすることで、ほんの少しでも課題を進めた場合、それは理解力が優れていると言えるのではないでしょうか?

このようにテストはそのテスト自体の設計がつたないと、事実とは逆のデータが出てしまうことがあるのです。

ネコ学入門(クレア・ベサント著)では、こういった動物の知能テストを次のように表現しています。

テスト全体が「もしも」と「ただし」だらけなのだ。
それはまるで、大工とコンピュータ・プログラマーの技術を比較しているようなものだ。

動物の知能を測るというのは、正にこういったことなのです。
特に猫は皆さんご存知の通り、訓練を行いにくくマイペースで自由気ままなところがありますから、知能を比較したり測定するのはかなり難しいことなんですね。

ただ一つ分かっているのは猫の知能は「自分が生き残るため」といった、限定的な状況の中では最大限に発揮される特殊なものだということです。
本当に猫らしいというか、なんというかという感じですね(^^)

 

まとめ

猫の知能は一概にこれくらいだというのは難しいものです。
ただ犬と無理やりでも比較するのであれば、以下のように言えるかもしれません。

「私たちから教えられたことを忠実に実行する能力」に関しては犬がより高く、「自身が必要だと判断したことを学習する能力」に関しては猫も犬に負けず劣らず優れていると言えるでしょう。

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photo credit:Found Animals Foundation by Max the Brown Tabby Cat with Books 2

この記事を書いた人

島崎 塁(ミツバ)
ペットショップ、ペットホテル、猫カフェで店員をしていました。仕事とプライベートでの飼育経験から得た猫に関する知識を、余すところなく公開していきます。

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