警察犬という名称はよく聞きますが、警察猫はほとんど聞きませんね。
並外れた嗅覚を活かして、麻薬探知犬や犯人を追う警察犬が活躍する一方、猫は訓練の難しさなどからあまりその名を聞きません。
ですが、中には猫だからこそできる仕事をする仔もいるのです。
そこで今回は、そんな警察猫として活躍する猫達を紹介していきます。
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アメリカの警察猫ドーナツ
ドーナツ(♀)は、ミシガン州トロイ警察によって雇われている「Pawfficer(肉球警察職員)」です。
ドーナツは14週齢(生後3カ月程度)の頃に、ミシガン・ヒューマン・ソサエティから警察に引き渡され、2018年5月11日に正式に警察猫となりました。
現在も現役で活躍する、彼女の仕事は多岐に渡ります。
- トロイ警察のソーシャルメディアの広報スタッフ
⇒マスコットとして、飲酒運転やドライブ中の携帯使用注意の呼びかけ - ヨガ教室を開催
⇒ドーナツがいるヨガ教室を開催して、地元住民と交流しています。
⇒ちなみに、このヨガ教室の収益は「家庭内暴力の救助施設団体」に寄付されています - 警察のマスコットキャラクターとして、学校や小児病院を訪問
⇒地域交流の人気者として活躍


▲就任当初のドーナツ
出典:metro
トロイ警察の広報担当官であるメーガン・リーマン巡査部長は、ドーナツについて次のように語ります。
「元々私たちは、地域交流をするために警察犬を飼うべきだという考えを温めていましたが、その時にどういうわけか、猫を飼うべきだという考えになりました。」
「他の警察署が地域交流やマスコットとして警察犬を用いているのを見ており、かつ私たちトロイ警察署の職員の多くが猫を愛していました。」
「正直、警察猫が、どのように機能するかは分かりませんでしたが、事件被害者のためのサポートドッグと同じような存在になれると考えたのです。」
「そして、(2018年)5月に正式に警察猫を選出しました。
厳正な審査の上で、どの猫を警察猫にするかを選びました。なぜなら私たちが必要としていたのは、社会性がある好奇心旺盛な猫だからです。」
「彼女は地元の学校に共に来ることを愛しており、子供たちも彼女をとても気に入ってくれています。
また、彼女が来てから部署内の雰囲気も本当に変わりました。」
「いつの日かドーナツがセラピーキャットとなって、犯罪の被害者たちに心から寄り添えることを期待しています。」
Never forget where you came from 💙 Pawfficer Donut #PoliceCat came from @mhumane. Help Donut help her friends still waiting on their furrever 🏠 —> https://t.co/3rtdvJ16Wc pic.twitter.com/yQKAlGKgpt
— Troy Police Dept. (@TroyMI_Police) 2019年4月12日
現在、ドーナツは一人のスタッフの元で生活を送っており、数日おきに警察署にもスタッフとして出勤してきます。
彼女の仕事ぶりはとても好評で、仕事のスケジュールは埋まっているんだとか。
ドーナツの近況などが見たい場合は、ツイッターでよくドーナツを載せているため、チェックしてみてください。
Instagramもあります。
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ロシアの警察猫ルーシク

▲チョウザメ・キャビア探知猫「ルーシク」
出典:КотВот
ロシアの警察猫であったルーシクは、先述のドーナツとはまったく違った警察猫達でした。
残念ながら、2003年にルーシクは亡くなりましたが、その活躍ぶりは目覚ましかったようです。
ルーシクはチョウザメやキャビアの密輸を防ぐ警察猫として、活躍していました。
簡単に言うと、空港における麻薬探知犬と同様に、キャビア探知猫として働いていたということですね。
ルーシクはカスピ海近くにあるスタブロプリのロシア警察で働いていました。
ロシアのキャビアの大部分はその港からくるようで、キャビアの密輸を防ぐためにルーシクは持ち前の嗅覚と食欲から、キャビア探知を行いました。
そして、見事発見した暁には、キャビアのおすそ分けを貰えるというボーナスが付いていたようです(笑)
残念ながらルーシクはその活躍ぶりが問題視されたのか、マフィア所有だと思われる車に轢かれてしまい、その生涯を終えてしまいました。
ルーシクがマフィアに殺されたと考えるもう一つの理由が、彼と並んで警察猫として働いていたバルシクの存在です。
彼もまた、ルーシクが亡くなる数週間前に毒入りのネズミを食べて亡くなっていたのです。
これが偶然か事件かは今となっては闇の中ですが、もし故意的なものであれば、ルーシク達の活躍ぶりが暗に証明されたとも言えそうです。
実はこのお話にはちょっとした続きがあります。
なんとルーシクの活躍ぶりが評価され、彼は「文明を変えた100匹の猫」という本の中に登場する猫の一匹に選出されたようです。
宇宙空間を初めて探検した猫「フェリセット」と肩を並べる選出となっています。
まとめ:管理人の意見
ドーナツやルーシクなど、警察猫の名前はあまり聞かないものですが、調べてみると意外と世界には活躍している子達がいますね。
ただ、やはりその多くはSNSやマスコットとして活躍していることが多く、ルーシクなどのように、実務で役立っている仔はなかなか珍しいです。
ちなみにロシアでは、猫への親近感が深いのか、エルミタージュ美術館という世界有数の美術館にも、ネズミ捕り用に猫達が放されてているのは有名な話です。
猫を実務で使っている例というのはあまり聞かないので(猫カフェなどは別ですが)、ロシアと猫の関わりというのは、他の国における関係とは、多少違うと言えるのかもしれませんね。
日本で警察猫がいないか調べていたところ、特に見つからなかったのですが、日本の警察と猫のやりとりの一部始終が見つかりました。
思わずニヤケてしまったので、紹介しておきます。
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