この記事は、「いちはら地域ネコの会」の詳しい活動内容を知りたい方や保護猫の里親になりたい方、ボランティア活動をしてみたい方に知っていただきたい内容が満載です!
ご紹介記事では掲載しきれなかった発足の経緯や活動への想い・この記事を読んでいるみなさんに伝えたいことなど詳しく掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
「いちはら地域ネコの会」発足の経緯について
いちはら地域ネコの会は、2012年7月29日に設立されたんですよね?
設立のきっかけ・経緯について教えてください。
はい。
私たちは「国分寺台地区ネコの飼育ガイドライン推進協議会」という名称で、2012年7月29日から活動を始めました。
活動を始めたきっかけは、住民からの要望です。
当時、「国分寺台街づくり協議会」の会長を務めていた私のところに、野良猫の増加による糞尿被害やエサやり問題を取り上げてほしいとの声が上がったのです。
そうなんですね。
代表は当時から「猫が好き・かわいそうだから何とかしたい」など思っていらっしゃったのですか?
いえ、実は私はかつて猫を飼っていました。
しかし、愛猫が亡くなって以来、他の猫を飼う気になれず、住民から野良猫に対する要望が来た当時まで、毎日庭を通り道にして移動していた数匹の野良猫に対しても、特別な感情を持つことはありませんでした。
そうだったんですね!
では、「猫が好き・かわいそう」という気持ちよりも、「住民が住みやすい地域にしたい」というお気持ちが強かったのでしょうか。
ええ、そうですね。
「国分寺台地区ネコの飼育ガイドライン推進協議会」の代表になった経緯について教えてください。
はい。
「国分寺台地区ネコの飼育ガイドライン推進協議会」は、「国分寺台街づくり協議会」から分離独立した協議会です。
住民から野良猫に対する要望を受けたころ、船橋市習志野台で野良猫のエサやりを注意した女性が刺殺された事件があり、猫をめぐるトラブルに心を痛めていました。
そこで、NHKで放映されていた『ご近所の底力』の東京都中野区における猫トイレ設置の取り組みや、横浜市磯子区の地域猫活動を手本として活動するために、協議会で議論を始めました。
ただ、協議会として野良猫問題に取り組むことを疑問視したり反対する町会長が出てきたのです。
結局、強く賛成していた他の3名の町会長と一緒に分離独立し、私が代表を務めることになりました。
そうだったんですね!
事務局長はいつからいちはら地域ネコの会で活動していらっしゃるんですか?
はい。
私は2015年11月7日に入会しました。
入会のきっかけは、自宅の庭に来ていた白黒のママが子猫を6匹連れてきたのがきっかけです。
現在は事務局長として、TNRや保護・譲渡など、実践現場で活動しています。
活動の広がりとボランティア募集について
「国分寺台地区ネコの飼育ガイドライン推進協議会」はTNR・地域猫活動をさらに推進するため、2016年4月に「国分寺台・地域ネコの会」に名称を変更。
国分寺台地区以外の会員が増えたことにより、2020年4月から「いちはら地域ネコの会」として活動を続けています。
引用:ホームページ
活動地域が広がり、会員が増えることのメリットや課題・問題などがあれば教えてください。
はい。
活動地域が広がることのメリットは、広域にわたって不幸な子猫を増やさないTNR活動ができることです。
問題は、TNR活動量が増えるのに対して、捕獲・搬送などの実践メンバーが不足することですね。
人手が不足すると、一人ひとりの負担が大きくなるので大変ですね。
現在、実践メンバーは募集しているんですか?
はい、募集しています。
実践メンバーと、飼育ボランティアも募集しています。
実践メンバーや飼育ボランティアは、市原市在住の方のみ募集しているのでしょうか。
そうですね。
何かあった時にすぐ対応できるよう、市原市在住で当会事務局の近くにお住まいの方を募集しています。
飼育ボランティアの条件があれば教えてください。
猫の授乳・飼養の経験がある人にお願いしたいです。
ありがとうございます!
実践メンバーについてですが、活動内容や活動時間帯は決まっていますか?
当会では「できる人が、できる時間に、できる範囲で、できること」をすることにしています。
活動時間に制約はありません。
活動内容は、地域の人々からのTNR要望や相談に対応することです。
どのような方に飼育ボランティアや実践メンバーになってほしいですか?
きちんとコミュニケーションが取れる人や、不幸な子猫を増やしたくないという思いの人と一緒に活動したいですね。
飼育ボランティアや実践メンバーに関する問い合わせは、ホームページの問い合わせフォームから連絡すればいいですか?
最初の問い合わせメールに記載しておいてほしいことがあれば教えてください。
住所・氏名・年齢・電話番号と、問い合わせ内容を記載していただけると助かります。
飼育ボランティアや実践メンバーになりたい方へ向けてメッセージをお願いします。
私たちは「できる人が、できる時間に、できる範囲で、できること」をモットーに活動しています。
猫が増えて困っていた方から感謝された時はとても嬉しいですし、私たちの報酬は「地域住民の笑顔」であることを実感します。
地域・年代は問いませんので、お気軽にお問い合わせください。
市原市にお住まいの方で「猫のため、地域のために自分にできることはないか」と考えている方は、いちはら地域ネコの会で実践メンバー・飼育ボランティアとして活動してみてはいかがでしょうか。
保護猫の譲渡について
続いて、保護猫の譲渡についてお伺いしたいのですが、活動を始めてから現在までに譲渡した猫の頭数を教えてください。
はい。
2021年12月末までで、339頭の子猫を新しい里親さんにつなぐことができました。
ちなみに、不妊去勢手術した猫の頭数は1,056頭です。
多くの子猫たちが幸せになっているんですね!
保護猫の譲渡可能地域は決まっていますか?
関東近郊です。
譲渡にあたり重要視していることや理想の里親さん像はありますか?
信頼関係を築ける人ですね。
ご自宅の訪問が可能で、持ち家一戸建てで家族構成がしっかりしている方や譲渡前・譲渡後もきちんとしたやり取りのできる方。
さらに脱走防止をしてくださる方や、家族の一員となった後も写真付きで成長を知らせてくれる方が理想です。
保護主にとっては、譲渡後も大事な子であることにかわりないですからね。
そうですね。
今までで一番嬉しかったのは、「強(ゴウ)くん」の譲渡が決まった時です。
強くんは、交通事故で右目を失明、上顎に穴が開くほど複雑骨折して瀕死状態だった子猫です。
首に穴をあけて栄養補給、顎をボルトでつなぐという大手術で命が助かったのですが、その高額な手術代の寄付を募ったところ、たくさんの方から善意が寄せられました。
そして、強くんが退院する前に里親のお申し出があったのです。
その後、正式に譲渡が決まり、里親さんの家族の一員としてくつろいでいる強くんの写真が送られてきた時には、感動と感謝で胸いっぱいになりました。
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いちはら地域ネコの会の皆さんと寄付をくださった方々、そして里親さんご家族と巡り会えたことで、強くんは幸せになれたのですね!
いちはら地域ネコの会さんは、これまでに3回譲渡会を開催しているそうですが、今後も定期的に譲渡会を開催する予定でしょうか。
はい。
1~2か月に1回開催する予定です。
譲渡会に行きたい方や里親希望の方へ向けてメッセージをお願いします!
ぜひ気楽に譲渡会に遊びに来てください。
甘えん坊な子、活発な子、穏やかな子など、自分の好きなタイプの猫に出会ってほしいと思っています。
いちはら地域ネコの会さんの譲渡会情報は、ホームページの里親募集ページやInstagramからご確認ください。
里親さんを募集している保護猫については、Instagramいちはら地域ネコの会 里親募集・ペットのおうちからもご覧いただけます!
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「いちはら地域ネコの会」への支援について
直近で特に必要な支援や足りない物資はありますか?
保護した猫たちが譲渡まで安心して過ごせるよう、シェルターの提供をお願いしたいです。
私たちは設立当初からシェルターなどの保護施設を持たずに活動しています。
授乳して飼養した子猫に里親希望の方が現れなかった場合は原則として地域に戻し、地域猫としてお世話を続けます。
ただ、その頃には私たちもすでに情が移っていますし、猫たちも外での過酷な暮らしを忘れてのびのび生活しているんですね。
そんな猫たちを再び地域に戻すのは大変忍びがたく、できることなら一生面倒を見てやりたいと常々思っています。
いちはら地域ネコの会さんは、野良猫ゼロを目指すと共に、1匹でも多くの地域猫が新しい里親さんのお家で幸せに暮らしてほしいと思っているんですよね!
そうですね。
野良猫をゼロにするために『いちはら地域ネコの会ニュース』を毎月発行し、市内34町会と連携して6,700世帯超に回覧する他、ホームページなどで常時野良猫情報の提供を呼びかけています。
情報を受け次第、オス・メスにかかわらずできるだけ早急にTNR活動を実施して、不幸な子猫を増やさないように尽力しています。
引用:地域ネコの会だより
引用:地域ネコの会だより
外での暮らしは危険がいっぱいで過酷ですからね。
はい。
ですので、シェルターをご提供していただける方は、ぜひいちはら地域ネコの会までご連絡をお願いします。
いちはら地域ネコの会さんへのご連絡は、ホームページ右中ほどの問い合わせフォームからお願いします!
猫の保護や引き取りに関する問い合わせについて
子猫の保護依頼は受け付けていないそうですが、子猫に限らず、猫を保護してほしい・引き取ってほしいというような問い合わせはありますか?
はい。
猫を引き取ってもらえないかという相談は多くあります。
そのような問い合わせへの対応はどのようにしていますか?
そうですね。
生後2か月以内くらいの子猫であれば、飼育ボランティアがいた場合のみ、引き取ってトイレのしつけ等をして里親探しのお手伝いをしています。
ただ現状は、生後4か月以上たってからの相談が多く、その場合は、様子を見てTNRをすることにしています。
高齢のため飼えなくなったという相談には、栃木県那須塩原市にある「犬猫みなしご救援隊栃木拠点」を紹介しています。
そうなんですね。
野良猫を見つけたから何とかしてほしいという相談もありますか?
はい、週に数回電話があります。
相談のほとんどが、エサをやっている猫の不妊去勢手術依頼か、母猫が子猫を連れてきたので困っているという相談です。
怪我をしている猫がいるとの情報もあります。
そのような問い合わせにはどう対応していますか?
保護したという猫が、野良猫ではなく迷い猫のケースもありますので、慎重に対応しています。
手術依頼の場合は、捕獲に協力していただけるかどうかを条件にしています。
そして元の場所に戻した後の面倒を見ていただくよう確認しています。
ありがとうございます。
猫についての相談・依頼をされる方へ向けたメッセージをお願いします。
捕獲に当たっては、捕獲機を持参しますので場所を提供していただき、捕獲できたときに連絡していただきます。
不妊去勢手術後は捕獲した場所に戻しますので、その後の面倒はきちんと見ていただきますようお願いします。
「〇〇に猫がいるからよろしく」などの丸投げの依頼はやめましょう。
また、猫を捨てたり置いて行ったりするのは犯罪です。
絶対にやめてください。
迷子猫に関する問い合わせについて
迷子猫を探している飼い主さんからの問い合わせはありますか?
また、そのような問い合わせの対応はどのようにしていますか?
はい、ありますね。
まずは飼い主さんに保健所・警察へ問い合わせをしてもらいます。
写真の提供があればタイムラインで拡散し、情報提供を呼びかけます。
猫は飼い主さんが探し出してくれるのを待っています。
決して諦めず、探し続けてほしいと思います。
千葉県市原市の飼い主のいない猫に関する助成制度について
市原市の飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術への助成について教えてください。
はい。
市原市では、地域猫愛護者に登録して「市原市地域猫愛護者登録証」を交付された者が申請をすれば、飼い主のいない猫の不妊去勢手術に対する助成を受けられます。
当会の実践メンバーも、各自で印鑑や身分証明書を持参し市役所で面接を経て、個人登録をしています。
登録者は助成を受ける猫を3匹まで応募できますが、抽選となります。
ちなみに当会を含めて市全体で、昨年度の申請件数は209件、承認件数は36匹でした。
不幸な猫を減らすために、行政の助成枠がもっと増えるといいですね。
市原市の飼い主のいない猫の不妊去勢手術への助成については、市原市のホームページをご覧ください!
「いちはら地域ネコの会」の今後について
最後に、今後の活動についての抱負や目標があれば教えてください。
はい。
私たちは今年度の目標として
- 創立10周年を記念して、市原市(生活部)と共催で「地域ネコ活動セミナー」開催
- 市原市の協力を得て、「どうぶつ基金の不妊去勢手術申し込み行政枠」の取得
- 市内各地区との「地域ネコ活動連携ネットワーク」づくり
を掲げています。
「地域ネコ活動セミナー」については、具体的な日時や内容含め、現在準備中です。
TNRや地域猫活動のことを、もっとたくさんの方に知っていただける機会になればいいですね!
そうですね。
私たちは今後も、行政や市内各地区と連携をし、ネットワークを広げながら、野良猫ゼロを目指して活動を続けていきたいと考えています。
「国分寺台地区ネコの飼育ガイドライン推進協議会」として発足してから早10年を迎えますが、まだまだ不幸な野良猫の存在に気づいていない人が多いように感じています。
お仕事や家庭で忙しい方も、一度ご自身のお住まいの地域に目を向けてみませんか?
猫のため地域のためにできることがきっとあるはずです。
いちはら地域ネコの会の代表・事務局長のお二方、貴重なお話をありがとうございました!
インタビューを終えて
「できる人が、できる時間に、できる範囲で、できることを」
団体やグループに所属していなくても、ボランティア登録をしていなくても、私たちが猫のために地域のためにできることは必ずあるはずです。
ねこわらはこれからもいちはら地域ネコの会さんの活動を応援します!
市原市にお住いの方、今回の記事を読んでいちはら地域ネコの会さんを応援したいと思った方は、ぜひ継続的なご支援をお願いします。
いちはら地域ネコの会さんのホームページ・SNS、支援先一覧は下記をご覧ください!
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今回は千葉県市原市のボランティア団体「いちはら地域ネコの会」の代表・事務局長のお二人にお話を伺いました!
2022年7月29日に創立10周年を迎える「いちはら地域ネコの会」。
野良猫ゼロ、地域猫を飼い猫へすることを目指し、行政や市内各地区との連携を強めながら活動を続けています。