【インタビュー】人と動物とが豊かに共生する社会の実現を目指すボランティアグループ・ぶんねこの会

ねこわら君

今回は東京都文京区で活動されているボランティアグループ「ぶんねこの会」さんへインタビューを行いました。

この記事は、ぶんねこの会の「詳しい活動内容を知りたい」という方や、「保護猫の里親になりたい」・「猫に関わるボランティア活動をしてみたい」という方におすすめです!

「今は仕事や家庭で忙しいけれど、保護猫のために寄付や物資の支援をしたい」と考えている方にもぜひ読んでいただきたい内容になっています。

ご紹介記事では掲載しきれなかった発足の経緯や活動への想い・この記事を読んでいるみなさんに伝えたいことなど詳しく教えていただきましたので、ぜひ最後までご覧ください!

東京都文京区のボランティアグループ「ぶんねこの会」の活動内容をご紹介します!

ぶんねこの会発足の経緯について

ねこわら君

まずはぶんねこの会発足の経緯について教えていただきました!

ぶんねこの会さん

ぶんねこの会は、文京区の「動物との共生社会支援事業」と連動して2010年に発足したボランティアグループです。

文京区の委託ボランティアのネットワークを母体とし、行政と連携して活動しています。

人と動物とが豊かに共生する社会の実現を目指し、地域活動として、猫と人・人と人とのトラブルを防ぐために問題解決に取り組んでいます。

ボランティア会員や活動について

ねこわら君

現在ぶんねこの会で活動しているボランティアさんは何名ですか?

ぶんねこの会さん

ボランティア会員は約70名です。

個人ボランティアの集まりですので、決まった活動日時などは特にありません。
普段は個人で活動し、必要なときに協力し合っています。

活動内容はTNRや保護・譲渡など、会員それぞれが出来ることを出来る範囲でやっています。

ボランティア同士で共有したい情報があれば、会員専用のFacebookグループやメールで共有したりしています。

ねこわら君

ボランティア活動に興味のある方は、ぶんねこの会ホームページに掲載しているメールアドレスからお問い合わせください!


引用:Facebook

保護猫の譲渡について

ねこわら君

保護猫の譲渡に関する条件はありますか?

ぶんねこの会さん

保護・譲渡は会員個人の責任で行っていますので、里親さんに求める条件も保護主によって、あるいは保護猫によっても異なります。

共通して最低限お願いしているのは次の2点です。
①完全室内飼養をすること。
②愛情と責任を持って終生家族として大切にすること。

一人暮らしの方や高齢の方でも、万が一のときに飼養を引き継いでくださる方がいらっしゃれば、成猫を譲渡できる場合があります。
お問い合わせください。

ねこわら君

譲渡地域についての条件はありますか?

ぶんねこの会さん

特に決まってはいませんが、保護主の判断で遠方の方はお断りすることがあります。

私たちの活動は譲渡して終わりではなく、保護猫と里親さんご家族が幸せに末永く暮らせるようにフォローすることも大切な活動の1つですので、私たちがフォローできる範囲内で譲渡できればと思っています。

ねこわら君

里親になりたい方へのメッセージをお願いします!

ぶんねこの会さん

私たちは人も猫も幸せに暮らせる社会を目指して活動しています。

自分たちが保護した猫を譲渡できればOKということではなく、他の団体や個人のボランティアさんからでも、あるいはお住まいの地域の愛護センターや保健所からでも、猫や犬を1匹でも家族に迎えていただければ嬉しいです。

それによって私たちはまた次の猫を助けることができ、不幸に死んでいく猫を減らすことができます。

猫を飼いたいと思った方が、ペットショップではなく「保護猫を迎える」と選択を変えていただくだけで社会の状況は良くなります。
また、子猫だけでなく成猫を迎える方が増えるといいなと願っています。

私たちが保護した猫は、動物病院でワクチンほか必要な処置をし、できるだけ人馴れさせて、健康状態や性格をきちんとお伝えした上で里親様にお届けしています。

そして里親希望の方には、飼育環境やこれまでの飼育経験をお尋ねしたり、飼い方のアドバイスをさせていただいています。

里親詐欺や飼育放棄を防ぎ、猫とそのご家族の末永い幸せをお手伝いするためです。

ねこわら君

保護猫についてのお問い合わせは、ぶんねこの会さんのTwitterやFacebook、ホームページに掲載しているメールアドレスからご連絡くださいね。

引用:Facebook

ぶんねこの会への支援について

ねこわら君

直近で特に必要な支援は何ですか?

ぶんねこの会さん

私どもへの支援というより、皆さま一人ひとりがご自分の飼い猫を大切にしたり、身近にいる飼い主のいない猫たちに出来る範囲で手を差し伸べることを何よりお願いしたいです。

ただ、ご自身の生活や仕事があって今は猫たちのために行動できないというのであれば、当会や、他にも同様の活動をしている団体に寄付という形で貢献いただくことも、結果的に猫を助けることにつながります。

ねこわら君

支援物資に関してはAmazonほしいものリストを公開されていますよね?

ぶんねこの会さん

はい。
会員が保護している猫や外で世話をしている猫にかかる費用は会員各自が負担していますが、皆さまからのご寄付やフードの支援をその一部に充てさせていただくことによって、助けられる範囲が広がります。

また、ぶんねこの会ではオンラインショップで猫用ハンモックやTシャツなども販売しています。
こちらでお買い物いただくことも猫たちのためになりますので、ぜひご利用ください。

ねこわら君

Amazonほしいものリストやオンラインショップはぶんねこの会ホームページからご覧ください。

引用:Facebook

猫の保護に関する問い合わせについて

ねこわら君

可哀想な猫を見つけた場合、ぶんねこの会さんに連絡したら保護してもらえますか?

ぶんねこの会さん

「〇〇に猫がいるのでよろしく」のような丸投げのご依頼にはお応えすることができません。

私たちボランティアも皆さんと同じように仕事や家庭があり、自分の時間と労力とお金を割いて活動しています。

特に「保護」となると、「もし里親さんが見つからなかったら自分が飼う」という覚悟が必要です。
すべての猫を助けたいのは山々ですが、それではボランティア自身が多頭飼育崩壊に陥り、かえって猫を不幸にします。

ですので、猫を助けたいと思った方は、まずご自身で何ができるかを考えてください。

文京区内であれば、ご自身で行動される方に対して、私たちも少し無理をしてお手伝いをしています。

私たちの知識、経験、ネットワークを生かし、必要であれば行政も巻き込んで、解決のためのアドバイスや支援をさせていただきます。

他の地域でも同様と思いますので、まずご自身で行動する前提で、地域のボランティアさんに相談してみてください。

迷子猫に関する問い合わせについて

ねこわら君

迷子猫を探している飼い主の方から問い合わせはありますか?どのように対応されていますか?

ぶんねこの会さん

相談されることはあります。

近くの会員の手が空いていれば、捕獲器をお貸ししたり捜索をお手伝いすることもありますが、先ほどの質問と同じように、出来る範囲でのお手伝いになります。

飼い主さん自身での捜索が難しい場合は、ペット探偵に依頼するという方法もあります。

猫は犬ほど行動範囲が広くないので、近くに隠れていることが多いです。
そして、飼い主さんが探して見つけてくれるのを待っています。

決して諦めず頑張って探し続けてほしいと思います。

ねこわら君

文京区内で飼い猫が迷子になってしまった時は、文京保健所・最寄りの警察署・東京都動物愛護相談センター・清掃局に迷子の届け出をしましょう。

ねこわら読者に伝えたいこと

ねこわら君

最後に、ぶんねこの会さんの活動への想いについてお聞きしました!

ぶんねこの会さん

飼い主のいない猫の問題は、猫が好きな人だけの問題ではなく、地域全体の問題です。

不幸な猫を可哀想に思う人、ノラ猫を迷惑に思う人、その双方にとっての問題解決として、飼い主のいない猫の避妊去勢手術や保護活動に取り組んでいます。

地域住民が主体となって、行政とボランティアがその支援をし、地域問題として解決していくのが望ましいと考えています。

文京区では、行政による「動物との共生事業」にボランティアが協力する形で10年以上TNRに取り組んだ結果、飼い主のいない猫はかなり減りました。

10年前は子猫でもすべては保護してやることができず手術後にリリースしていましたが、今は飼い主のいない猫が減ったため、子猫や若い猫ならなんとか保護して里親さんを見つけてやれるようになりました。

ご自身の生活スタイルや年齢を考えて、あえて成猫を迎える方も少しずつ増えています。

文京区では区の助成で飼い主のいない猫の避妊去勢手術を行えるため、その成果が着実に表れているのです。

ねこわら君

そうなんですね。
その助成制度はボランティアさんしか使えないのですか?

ぶんねこの会さん

いいえ。
文京区民であればどなたでも、保健所で申請することで利用できます。

捕獲が難しい場合にはボランティアがお手伝いします。

文京区では、手術費用の助成の他にも、飼い主のいない猫に関する住民間のトラブルの相談にも応じています。

保健所の職員や、私たちボランティアも協力して、地域の問題解決を支援しています。

全国の多くの自治体で、飼い主のいない猫の避妊去勢手術の助成が行われていますが、手術費用のほんの一部しか出なかったり、使い勝手の悪い制度であったりして、成果が表れていない自治体も多いようです。

そのような自治体では殺処分も多く、飼い主のいない猫に関する住民間のトラブルが絶えず、ボランティアさんが孤軍奮闘しています。

ねこわら君

殺処分なんてかわいそうです。

ぶんねこの会さん

みんなそう思いますよね。

でも、行政だって好きで殺処分してるわけじゃありません。
そして殺処分機を止めれば解決する話でもないのです。

殺処分を減らすには収容される猫を減らさないといけません。

ねこわら君

収容される猫とはどんな猫なのでしょうか。

ぶんねこの会さん

多くは、外で生まれている猫です。
だから外で生まれないようにすることが大事なんですね。

外で生まれないようにするには避妊去勢手術がまず大事ですし、ボランティア任せではなく行政が予算を組み、地域の問題として取り組むことが大事だと考えています。

ねこわら君

ぶんねこの会さん、貴重なお話をありがとうございました!

インタビューを終えて

ねこわら君

不幸な猫を減らし、猫と人・人と人とのトラブルを防ぐには、地域住民・行政・ボランティアの連携が欠かせないことが今回のインタビューでよく分かりました。

文京区は飼い主のいない猫の避妊去勢手術の費用について、十分な予算を組んでいるということですが、ボランティアさんたちが保護している猫たちの医療費や食費など継続的な支援はまだまだ必要です。

文京区や近隣にお住いの方、今回の記事を読んでぶんねこの会さんを応援したいと思った方は、ぜひ継続的なご支援をお願いします。

ぶんねこの会さんのホームページ・SNSは下記をご覧ください!

ぶんねこの会ホームページ・SNS

ホームページぶんねこの会
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Twitterぶんねこの会

【インタビュー】海岸に暮らす猫たちの幸せを願い活動を続ける動物愛護団体「NPO法人ドリームキャット」

この記事を書いた人

築山 優希愛玩動物飼養管理士2級 動物介護士 ペット看護士
奈良県で、小学生の娘と5歳になる保護猫(茶トラの女の子)を育てています。 動物好きの娘を犬や猫と触れ合える場所に何度も連れていくうちに、自身の猫に対する苦手意識を克服し、猫を飼いたい!とまで思うようになりました。 その直後に現在の愛猫を自宅近くで保護し、一緒に暮らすように。 猫に長生きしてもらいたい一心で取得した資格を活かし、読みやすい記事をお届けしたいと思います。

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