【インタビュー】深刻化する猫と人とのトラブル解決のため、TNR・地域猫活動に取り組む市民団体「いちのみや地域猫の会」

私たちは2017年から活動しています。

はい。
これまで一宮市には猫に関わる団体がなく、野良猫と地域住民を取り巻くさまざまな問題が深刻化していました。

私たちは市民団体として、地域の問題解決に向けて取り組んでいきたいと考え、発足に至りました。

メンバーは5名です。
その他ボランティアさんがいます。

はい、そうです。

以前から個人で活動をしていたメンバーや未経験のメンバーなどさまざまですが、皆、「猫のために何かしたい」という想いから活動に参加しています。

はい。
2021年にTNRした猫は250頭以上です。

そうですね。
TNR活動や地域猫活動に対する市民の方々の認知や理解は、未だ低い状況ではありますが、地道に活動していくなかで理解を示してくださる方も増えてきているように感じます。

SNS等、インターネット媒体を上手く活用した情報発信が必要なのではないかと考えています。

そのために、簡潔で分かりやすい内容を発信する必要があると思っています。

一人でも多くの人が猫と人間社会の関わりについて関心を持つことが、地域全体の意識が変わるきっかけになると考えています。

それぞれの生活の中で、猫のため人のために細く長く続けられることを見つける場として、いちのみや地域猫の会の活動に関わってくださる方が増えると嬉しく思います。

はい。
2021年に譲渡した猫の頭数は約40頭です。

当会の里親会は、個人で譲渡活動をされている方も参加できるため、譲渡仲介頭数も含んでいます。

なお、当会は基本的に猫の保護はおこなっておりません。
やむを得ない場合のみですので、猫の保護頭数はごく少数です。

保護主によって希望が異なるため、里親希望者さんと相談の上、個別に譲渡可能地域を判断しています。

全ての猫の譲渡必須条件として、「終生飼養」・「完全室内飼育」・「不妊去勢手術の実施」を設けておりますので、必ずお守りいただける方であること。

そして何より猫に対し生涯愛情を注いでくださる方であることを重視しています。

はい。
里親会では、来場者さんに積極的かつしつこくない程度にお声掛けすることを心がけています。

短い時間であっても、コミュニケーションを取ることで相手の人柄を知るきっかけになります。

メールのみでのやり取りは読み取れる情報が限られてしまうため、トライアル前に里親希望者さんと保護主さんが直接会ってお話しできる機会を設けるようにしています。

実際に里親会で保護猫たちに会っていただきたいのが本音ではありますが、このようなご時世ですので定期的な里親会開催が困難な状況です。

ホームページやSNSでは常時里親募集情報を掲載しておりますので、気になる猫がいた方はぜひ一度お問い合わせください。
里親希望に関してのご質問なども受け付けております。

はい。
TNR活動（野良猫の捕獲、動物病院への運搬、手術後の猫の短期間預かりなど）、および広報活動をおこなえるボランティアさんを特に募集しています。

必須ではありませんが、車移動が可能であると参加いただける活動の幅が増えます。

当会は猫に関わる団体ではありますが、多くの人と接する活動でもありますので、関わる人たちと協力しながら活動することができる方や、一宮市に地域猫活動をさらに拡げ、将来野良猫がいない街となることを共に目指せる方と一緒に活動していきたいと思っています。

はい。
ボランティア希望の方は、ホームページのメンバー募集ページにある「ボランティア登録申込フォーム」よりお申し込みをお願いします。

当会は一人でも多くの方に地域猫活動に関わっていただけることを目指しています。

既存のボランティア活動のみならず、TNR活動および地域猫活動の推進に寄与するのであれば、新しいことにもどんどんチャレンジして、活動の幅を広げていきたいと思っています。

あなたの得意なことが、猫のため人のためになるかもしれません。
活動に興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。

人手ですね。
先ほどお話ししたように、当会の活動にご協力いただけるボランティアさんを募集しています。

以前と比べるとかなり少なくなりましたが、まれにあります。

そのような問い合わせには猫の引き取りはおこなっていないことをはっきりと伝えた上で、相談者ご自身でできる対応をいくつかご提案し、問題解決へ向かえるようアドバイスしています。

当会の役目はアドバイスやサポートをおこなうことであり、主体となって行動するのは相談者さんご自身です。

置かれた状況において、ご自身が何をすることができるのかをお考えいただき、その上で分からないことなどをご相談ください。
行動を起こしたいという想いを私たちは応援します。

月に1度程度です。

ご自身でチラシを作成されてネット上での拡散を希望される場合は、ホームページやSNSに掲載します。

あわせて、保護することができるようアドバイスをしたり、必要に応じて捕獲器の貸し出しをおこなう場合もあります。

はい。
一宮市では、令和4年度にふるさと納税の寄附金を活用した飼い主のいない猫の避妊・去勢手術費の補助を実施しています。
これは一宮市民であれば誰でも申請することができます。

また一宮市は公益財団法人どうぶつ基金が実施しているさくらねこ無料不妊手術事業に参加していて、一宮市に登録した地域猫活動団体であれば、無料不妊手術チケットの申請・利用ができます。

はい。
不定期ではありますが、岐阜県に本院がある飼い主のいない猫の不妊去勢手術専門病院「にじのはしスペイクリニック」の高橋先生にお越しいただき、当会主催で野良猫の一斉不妊去勢手術をおこなっています。

当会は活動者と市民の皆さんが手をとりあい、地域猫活動をおこなうことで、将来一宮市が野良猫のいない街になることを目指しています。

そのためには不妊去勢手術を1頭でも多くの猫に施すことが非常に重要です。
しかし、活動者ではない一般市民の方たちが野良猫へ不妊去勢手術を受けさせることはさまざまな要因から敷居が高くなっている現状があり、実際に行動を起こせるのは一部の人だけにとどまっていました。

そこで、今まで一歩踏み出せなかった人たちにも、野良猫の不妊去勢手術をより身近に感じてもらうために、にじのはしスペイクリニックさんに一宮市まで出張手術に来ていただき、行動を起こすきっかけになればと思い実施に至りました。

そうですね。
その時々により頭数は変わりますが、平均10頭以上の不妊去勢手術を受けています。

はい。

今後もTNRや地域猫活動について発信していくことで市民の皆さんの理解を広げ、一人でも多くの方に関わっていただける活動をしていきたいと考えています。

そうですね。

TNRや地域猫活動は、まだ一般的にはあまり認知されていない活動ですので、知らない方や経験のない方は、どのような活動なのかなんとなく分かりにくいイメージを持たれていると思います。

よく知られている保護活動と同様、不幸な猫をこれ以上増やさないために非常に重要な活動であるということだけでも認識していただければ嬉しいです。

TNRや地域猫活動に興味を持ってくださった方、活動に参加してみたいとお考えの方はぜひ一度当会にお問い合わせください。