この記事は、
- NPO法人化を目指す任意団体
- 認定NPO法人を目指しているNPO法人
の皆さんに知っていただきたい内容が満載です!
ぜひ最後までご覧いただき、今後の活動の参考にしてください!
目次
任意団体からNPO法人化までの経緯について
前回のインタビューで、NPO法人化の目的は社会的地位や信用度の向上と仰っていましたが、他にもきっかけとなる出来事はあったのでしょうか?
そうですね、法人化のきっかけとなった出来事は二つあります。
一つは、私たちは猫のためだけでなく、人のため社会のために意味のある活動をしているのに、地域の方々や行政職員から「ただの猫好き」とみられているのはなぜだろうと考えたことです。
その時に、任意団体ではなく組織としてもっとしっかりしていたほうがいいのではないかと考えました。
もう一つは、当時、一人暮らしの高齢者宅の多頭飼育問題に関わっており、建物の贈与を受けることを検討したことです。
実現はしませんでしたが、法人化することのメリットを感じました。
任意団体発足からNPO法人化するまでの間に、団体として取り組んだことを教えてください。
はい。NPO法人として法人格を取得するためには、10名以上の人員と基本方針や規約などの作成が必要です。
ただ、当会は法人化するまでの間にNPO法人として必要な10名の会員はすでに満たしており、市の補助金を受けるために会の基本方針と規約も作成していました。
ですので、法人化するまでの間に取り組んだことは、法人化に必要な知識をネットや書籍で調べること、また市や県の市民活動支援団体に相談することくらいでした。
法人化するまでに取り組んだことの中で、特に難しかったことを教えてください。
そうですね。申請書類の作成が面倒でしたが、相談していた支援団体や県の職員が丁寧にサポートしてくれましたので、手間はかかりましたが難しくはなかったですね。
NPO法人申請から取得までにかかった期間を教えてください。
申請後、半年くらいです。標準的な期間だと思いますよ。
法人化を目指している方々に向けたメッセージ
現在、任意団体として活動している方々の中にはNPO法人化を目指している団体さんも多いと思います。法人化を目指している方々に向けたメッセージやアドバイスがあればお願いします。
はい。
NPO法人化すると寄付が増えると考える方もいますが、そういうわけでもありません。また会計や決算など手間も増えますので、分業できるような会員がいたほうが望ましいと思います。
あとは、公益性・公平性の面で、基本的に入会希望の方を拒むことができません。また、正会員は議決権をもちますので、一部の人が独断で運営することも難しくなります。
お金の使い方を含めて運営が窮屈になると感じる方もいると思いますので、その辺りのメリット・デメリットはよく検討したほうがいいと思います。
地域住民や行政からの信用度は上がるけれど、良いことばかりでもないというわけですね。
続いては、認定NPO法人として認定を受けるまでの経緯についてお伺いします!
NPO法人から認定NPO法人化までの経緯について
前回のインタビューで、任意団体発足が2010年2月、法人化が2017年10月17日とお伺いしましたが、認定NPO法人として認定を受けたのはいつ頃でしょうか。
2020年1月です。認定NPO法人になるには、設立から少なくとも1年を経過している必要があります。
NPO法人から認定NPO法人として認定を受けようと思ったきっかけを教えてください。
当初から認定は取るつもりでいました。理由の一つは、寄付金控除を受けられることです。可能性として寄付額が増えることと、遺贈を受けられることを想定していました。
またNPO法人自体は珍しいものではないため、差別化のためにも意味があると考えました。
引用:ホームページ
NPO法人は全国で50,586件(2022年7月31日時点)ですが、認定NPO法人は全国で1,251件(2022年9月21日時点)なので、確かに差別化にはなりますよね!
認定NPO法人になるために、何か取り組んだことはあったのでしょうか?
そうですね。会計帳簿や会議の議事録など、きちんとつけるようにしました。 また、県の担当課や支援団体に、随時相談もしました。
認定を得るために取り組んだことの中で、大変だったことがあれば教えてください。
提出書類が複雑でしたが、NPO法人申請の時と同じで、親切に指導していただいたのでそれほど苦労しませんでした。
NPO法人から認定NPO法人になるまでにかかった期間を教えてください。
準備から申請、修正含めて半年くらいです。
寄付金の締めが12月31日になりますので、認定を受けようと思っている団体さんは、いつから認定を受けるか検討してください。
認定NPO法人のメリットとデメリット
認定NPO法人のメリットとデメリットがあれば教えてください。
そうですね。住民や担当課からはあまり違いを理解されませんが、マスコミからは一目置かれている気がします。また、時々遠方の方から寄付が振り込まれることがあります。
ただ、当会が活用しきれていないだけかもしれませんが、寄付がそんなに増えているとは感じませんね。
事務や経理面ではいかがでしょうか。
はい。5年の更新時に県の査察が入るので、経理や記録などきちんとつける必要があります。また、毎年、県へ提出する書類も少し多くなります。
法人化のお話の時に仰っていたように、そういった面でも会計や決算などが分業できるような会員さんがいると助かりますよね!
活動する上で大切にしていること
それでは最後に、ワンニャンの会さんが組織として活動する上で大切にしていることを教えてください。
はい。
任意団体のころは、中心的なメンバー数人で活動方針を決めたり、決まり事を文書化していなかったりしましたが、法人化することによって、「大事なことは理事会や総会で決める」「文書に残す」ということが根付いてきました。結果として、あとから入った会員も活動に深くかかわれるようになったと思います。
これまでの活動が目に見える形で残っていると、新しい会員さんも参加しやすいですよね!
そうですね。またこれは私個人の感想ですが、女性会員が法人役員の肩書を持つことで、女性の社会参加というか、社会活動の重要な役割を担っていることが、目に見える形で体現できるのではないかと思います。
男性は退職して仕事を辞めると肩書がなくなってしまいますが、女性が歳を重ねても活躍できる場として、当会のように組織をきちんと整えておくことも、意味があることではないかと考えています。
ワンニャンの会さん、貴重なお話をありがとうございました!
インタビューを終えて
地域の方々からは違いをあまり理解されていないとお話がありましたが、社会的地位や信用度を上げ、人と猫の幸せのために円滑な活動を続けるにも、認定NPO法人として認定を受けることは大きな意味があったのではないでしょうか。
ワンニャンの会さんの日々の活動は、ぜひホームページやSNSでチェックしてください!
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今回は静岡県志太榛原地区の動物愛護団体「認定NPO法人まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会」さんのインタビュー記事第二弾!
全国で1,251件(2022年9月21日時点)しかない認定NPO法人として活動を続けているワンニャンの会さん。
任意団体から認定NPO法人として認定を受けるまでの経緯を詳しくお伺いしました!