この記事は、「認定NPO法人まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会」の詳しい活動内容を知りたい方や保護猫の里親になりたい方、ボランティア活動をしてみたい方に知っていただきたい内容が満載です!
ご紹介記事では掲載しきれなかった発足の経緯や活動への想い、この記事を読んでいるみなさんに伝えたいことなど詳しく掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
「認定NPO法人まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会」発足の経緯について
ワンニャンの会さんが発足したのはいつですか?
発足したのは2010年2月です。
その後、2017年10月17日に法人化しました。
発足のきっかけを教えてください。
はい。当会は2010年に個人で活動していたボランティアが集まり、活動を開始しました。
当時、大井川河口にある野鳥公園に猫が捨てられ、野良猫が増加していたのですが、TNRをおこなっていたボランティアが悪者のように報道されたことが発足のきっかけです。
法人化については、任意団体では行政や地域の役員(特に男性)から「ただの猫好き」と軽く見られるため、社会的地位や信用度の向上を目的として取り組みました。
確かに「NPO法人」となると、任意団体よりは信頼度が上がりますよね。
そうですね。「認定NPO法人」となれば、さらに市民や行政からの信頼度が上がります。
現在、任意団体として活動されている方々も、地域の犬猫のために、可能であれば組織を整えることをおすすめします。
ワンニャンの会さんは、現在何名で活動されていますか?
多少変動はありますが、約20名で活動しています。
会員の皆さんは志太榛原地域在住の方ばかりでしょうか?
はい、そうですね。
私たちはずっと「やいづワンニャンの会」として焼津市で活動していました。ただ、焼津市以外の会員が増えたことと、焼津以外の地域に出向いたとき「焼津の団体が口出すな」と言われたこともあり、法人化の際に当地区の呼称である「しだはい」に変更しました。
そうなんですね!
野良猫問題やTNRは、当該の地域だけでなく、近隣地域の理解や協力・情報の共有等が欠かせないと思うのですが、心無いことをおっしゃる方もいたのですね。
会員の皆さんは、どのようなきっかけでワンニャンの会さんで活動することになったのでしょうか。
先ほどもお話しした通り、当会は個人で活動していたボランティアたちが立ち上げましたが、最近は偶然子猫を見つけてしまい、どうしたら良いか問い合わせたのがきっかけで保護活動に参加し、当会に関わるようになった方も増えています。
問い合わせて解決したからそこで終わり、ではなく、それがきっかけで活動に参加してくれる方がいるのは嬉しいことですね!
活動実績について
これまでの活動実績について教えてください。
はい。
平成30年度から令和3年度までの活動実績は、
- 平成30年度:TNR(焼津市と協働43頭、独自4頭)、譲渡(猫67頭)
- 令和元年度:TNR(焼津市と協働50頭、独自20頭)、譲渡(猫57頭)
- 令和2年度:TNR(焼津市と協働50頭、独自20頭)、譲渡(猫127頭)
- 令和3年度:TNR(焼津市と協働46頭、藤枝市と協働7頭、動物愛護協会の助成金利用15頭)、譲渡(猫108頭)
です。この他にも、寄せられた相談に対してアドバイスしたり、捕獲・飼育機器を貸し出すなどして、野良猫問題の解決に関わることも多々あります。
提供:ワンニャンの会さん
ありがとうございます!
TNRについてですが、焼津市と協働の場合は不妊去勢手術の助成金などが出るのでしょうか。
焼津市との協働は、焼津市が実施するTNR事業に、市内4つの登録ボランティア団体が協力するという形でおこなっています。
その際は、市と契約した動物病院が不妊去勢手術をおこない、手術費が市より支払われます。ただし予算が限られており、年度の前半で使い切ってしまうのが現状です。
ワンニャンの会さんが独自でTNRをする際は、費用はどうしているのですか?
当会が独自で実施する場合は、相談者さんやエサやりさんなど、関係者に手術費の負担をお願いしたり、やむを得ず当会で負担する場合もあります。
また、手術費の一部を補助してくれる動物愛護協会の助成金を、令和3年度から活用しはじめました。
TNR活動を続けることで、地域住民の反応に変化はありましたか?
そうですね、正直、地域によって反応は違います。
TNRへの理解が広がり感謝の言葉をかけていただける機会が増えた地域もありますが、そうでない場合もあります。
野良猫の数が減ると、市への苦情は減りますよね。しかし、苦情が減ると野良猫問題自体が地域の方々の意識から消えてしまうため、あらためて「ボランティアに対して感謝する」ということが少ないように思います。
ただ、 その地域で、猫が好きで野良猫問題に心を痛めていた方や、継続してエサやりをしてくださる方は、悲惨な状況が改善されて、安心してくれますね。
問題意識が薄れていくと、「なぜ自分の住んでいる地域には野良猫がいないのか(いなくなったのか)」を考える機会もなくなるのですね。
ワンニャンの会さんの譲渡会は、焼津市⻘少年ボランティアの中高生たちがお手伝いに参加することもあるようですが、保護猫のことやTNR活動をもっと多くの若い人に知ってもらうために必要なことは何だとお考えでしょうか。
現状のボランティア参加については単発の生徒さんが多いため、教える手間などを考えると、私たち会員にとっては負担増となります。
しかし若い世代に実際の活動を知ってもらうためには、その労力を惜しんではいけないと思っています。
最近ではSDGs関連で問い合わせてくる生徒さんもいます。たくさんの方に知ってもらうのは難しいですが、興味を持ってくれた生徒さんには、この活動の良いところ・悪いところ・嬉しいこと・つらいこと、全て包み隠さず丁寧に伝えるようにしています。
提供:ワンニャンの会さん
保護猫の譲渡について
続いて保護猫の譲渡についてお伺いしたいのですが、譲渡可能地域は決まっていますか?
基本的には静岡県中部なのですが、ケースバイケースで、県東部・西部、県外に対応する場合もあります。
里親さん宅への交通アクセスにもよりますので、地域外の方から声をかけていただいた時は、対応可能か検討します。
当会はトライアル開始時と正式譲渡時は、里親さんのご自宅まで伺いますので、双方にとって無理がないように対応させていただいています。
譲渡の際、特に重要視する項目や理想の里親さんについて教えてください。
愛情を持って、保護猫を家族として受け入れてくれる方。
飼育条件等、私たちの話を真摯に聞いて受け入れてくださる方が理想ですね。
定期的に譲渡会を開催されているようですが、譲渡会にはだいたい何組くらい来場されますか?
子猫の数や会場、気象条件などによりますが、少なくて2~3組、多いと数10組ほどの方々にご来場いただいています。
ただ、最近はコロナの影響で、譲渡会そのものが開催できないこともあります。
提供:ワンニャンの会さん
里親希望の方と譲渡会などでお話をする際に、心がけていることがあれば教えてください。
保護猫の幸せのために、里親希望の方とはできるだけ複数の会員で話を聞くようにしています。
会員が一人で対応するよりも、複数の人間で話をしたほうがしっかりとした判断ができるからです。
猫に対する愛情がどれだけあるか、家族全員の合意が得られているか、人間の都合優先に考えていないか、など確認すべき点はきちんと確認しながら、話を進めています。
里親を検討されている方や譲渡会に行ってみたい方に向けてメッセージをお願いします。
当会の保護猫たちは、会員たちが健康を維持し、人馴れした状態までしてから譲渡会に出しますので、特別な心配は不要です。
ただし、猫の性格は人間同様「十人十色」なので、人間の希望や都合に合わせるのではなく、その子とご家族がお互い幸せになれるよう、配慮していただけるようお願いします。
そしてぜひ「性格優先」で。「見た目」だけで決めないようにしてもらえると嬉しいです。
ボランティア募集について
現在ボランティアさんを募集していますが、特に人手が必要なお手伝いはありますか?
そうですね、預かりボランティアがもっといてくれると助かります。
どのような方にボランティアさんになってほしいですか?
地域住民や行政職員など、人との関わりでメンタルがすり減ってしまうことも多いので、あまり真面目すぎない方のほうが長続きすると思います。
適度に受け流せる人の方が長続きするということですね!
問い合わせはボランティア募集ページの下部にある問い合わせフォームからでよろしいでしょうか。
はい、問い合わせフォームからご連絡をいただければと思います。
問い合わせる前に、まずは譲渡会などにお越しいただき、当会の雰囲気などを知ってから参加してもらったほうが良いかもしれません。
分かりました!
それでは、ボランティアをしてみたい方へ向けてメッセージをお願いします。
無理せず、ご自身のできる範囲内で参加してくださればありがたいです。
また、動物愛護団体は団体ごとに考えやスタンスが異なりますので、複数あたってみるのもいいかと思います。
個人で活動したいという方にもアドバイスいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「認定NPO法人まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会」への支援について
直近で特に必要な支援や足りない物資はありますか?
支援金をご寄付いただけるととても助かります。
現状、支出の8~9割が医療費で、エサ代や飼育用品代は、ボランティアが負担しています。継続的に活動を続けるためには、個人の持ち出しを極力減らしていかなくてはなりません。
ワンニャンの会さんは認定NPO法人なので、寄付をすると確定申告で寄付金控除が受けられるんですよね?
はい、そうです。控除についての詳細は、ホームページの寄付のおねがいページをご確認ください。
領収書も年1回(毎年12月31日締め)で発行していますので、必要な方は同ページ下部のフォームに必要事項を記入していただき、ご連絡ください。
引用:ホームページ
ワンニャンの会さんの支援金の寄付口座は、ホームページ内寄付のおねがいページに記載されています!
ぜひ、継続的なご支援をお願いします!
猫の保護依頼について
よくある質問のページに、「犬猫の引き取りはいたしません」と記載してありますが、それでも丸投げの保護依頼や引き取りの相談はあったりするのでしょうか。
そうですね、9割以上が丸投げの保護依頼です。ほとんどの方がホームページを読んだりせず、電話番号だけ探して連絡してくるので、対応には苦慮しています。
引用:よくある質問
そのような問い合わせへの対応はどのようにしていますか?
当会では引き取りはしていないこと、保護・譲渡のお手伝いはさせていただくことなど、丁寧に説明しています。
幸いなことに、ほとんどの方は理解してくれますね。
保護依頼や相談をされる方に、改めてメッセージをお願いします。
小さな命ですが、1匹助けるのも大変な努力が必要です。でも幸せな家庭にもらわれていったときの喜びもとても大きいものです。
ぜひ最初から無理と思わず、保護に挑戦してください。私たちはできる限りのサポートをいたします。
「自分には何もできないから、できる人に託す」のではなく、「できる人にアドバイスをもらいながら、自分で行動する」姿勢が大切なのではないでしょうか。
また、猫のお世話をしている地域だからといって猫を捨てたり置いて行ったりするのは絶対にやめてください。
動物の遺棄は犯罪です。
迷子猫に関する問い合わせについて
ホームページやインスタグラムに迷子猫の投稿がいくつもありますが、迷子猫を探している飼い主の方からの問い合わせは頻繁にありますか?
はい、頻繁にあります。
問い合わせがあった場合、ホームページやインスタグラムに掲載する以外にどのような対応をされていますか?
必要に応じて、捜索のアドバイスや捕獲器の貸出などをしています。
ホームページに「半年~1年経ってから見つかる子、とんでもなく離れた場所で見つかる子もおります。」とありますが、それは犬だけではなく猫の場合も当てはまるのでしょうか。
猫でも時々ありますね。中にはUFOに連れ去られたとしか思えないくらい遠い場所で見つかる子もいます。
そうなんですね!
飼い主さんを待っている猫のために、諦めずに探し続けることが大切ですね!
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「認定NPO法人まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会」の今後について
最後に、今後の活動についての抱負や目標があれば教えてください。
はい。
私たちの目標は、当会のような団体が必要でなくなることです。自分の飼っている犬や猫と、まったり過ごす日が来るのを夢見ています。
切実な願いですね。全国で活動している皆さんも、そう思っている方がほとんどでしょうね。
そうですね。
皆さんもお住まいの地域で活動している個人の方やボランティア団体を、ぜひ応援してあげてください。保護猫の里親になるだけが応援ではありません。ご自身にできることを実行してみてください。
ワンニャンの会さん、貴重なお話をありがとうございました!
インタビューを終えて
一部の心無い声にも負けず、猫のため人のために活動を続けてきたワンニャンの会の皆さん。
ねこわらはこれからもワンニャンの会さんの活動を応援しています!
志太榛原地区周辺にお住まいの方、今回の記事を読んでワンニャンの会さんを応援したいと思った方は、ぜひ継続的なご支援をお願いします。
ワンニャンの会さんのホームページ・SNS、支援先一覧は下記をご覧ください!
認定NPO法人まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会のホームページ・SNS
ホームページ | 認定NPO法人まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会 |
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支援先・問い合わせ先一覧
支援金の寄付 | 寄付のおねがい |
ボランティア募集 | ボランティア募集 |
お問い合わせ先 | お問い合わせフォームは、ホームページ内会についてページの最下部に掲載されています。 |
今回は静岡県志太榛原地区の動物愛護団体「認定NPO法人まち・人・くらし・しだはいワンニャンの会」さんにお話を伺いました!
行政や地域住民からの信頼度を上げ、TNRや保護・譲渡を円滑に進めるため、認定NPO法人として組織を整え活動を続けています。