多頭飼育崩壊とは何か?その危険性を知ろう

ペットブームの裏で今、全国的に多頭飼育崩壊が増加しています。

猫や犬を不衛生な環境で多頭飼いし、数10匹~ひどい場合は100匹以上もせまい部屋の中で飼育しているのです。

今回は、そんな「多頭飼育」の危険性についてご紹介します。

多頭飼育崩壊とは

多頭飼育崩壊という問題は、今に始まったことではなく昔からあります。

しかし動物愛護管理法の改正、人々の動物愛護への関心が高まっていることで、ニュースでよく取り上げられることが増えました。

そして、今や多頭飼育崩壊は深刻な社会問題として多くの人に認識されています。

多頭飼育崩壊とは、飼い主がきちんと世話できるキャパを超えてしまうことを言います。

多頭飼育崩壊の具体的な例は、

  • 餌や水をあげていない
  • トイレ、衛生管理ができていない
  • 動物の健康状態がとても悪い
  • 動物たちがひどく衰弱している(中には死亡している場合も…)

多頭飼育崩壊の状態にある家は、近所でも迷惑になるほどの悪臭、虫などが発生し、家の中も汚く、劣悪な環境の中で人と動物が生活しているのです。

飼い主は別の部屋で生活して、動物のみを劣悪な環境に閉じ込めておくケースもあったりします。

多頭飼育崩壊の原因は?

            出典:新潟県 福祉保健部 生活衛生課 動物愛護センター

多頭飼育崩壊の原因となるケースを下にご紹介します。

ブリーダー

ブリーダーは、動物の繁殖をおこなって販売することを仕事にしている人のこと。
自宅で繁殖させて生計を立てている場合も多いです。

もちろん人気のある猫種などは、たくさん繁殖させて売り上げを伸ばしたいわけです。

しかし流行りの種類が変わることも多く、それまで人気だった繁殖させた子猫が売れないことになります。

これによって経営が破綻→多頭飼育崩壊へ…とおちいっていくケースです。

その他には、猫カフェなどをおこなう業者などでも同じように経営破綻が発生し、お店が倒産→店に動物たちが放置されてしまうというようなことも起こります。

アニマルホーダー

アニマルホーダーは、いわゆる「依存症」や「収集癖」のある、一種の精神疾患です。

とにかく動物が好きで、可愛いからと飼い始めたもののお世話ができない状態になるまで動物を増やしてしまって、それでも可愛いから手放せない、収拾がつかなくなるパターンです。

このようなケースでは、「かわいそうな子を保護してあげたい」という気持ちでどんどん増えてしまうことが多いです。

また、不妊・去勢手術がかわいそうだからという理由などで手術をしないことも多々あります。

精神疾患であることも一つの原因ですが、近所迷惑になっていることに気付かず、「動物虐待している」という認識もないという方が多いのが現状です。

ボランティア崩壊

民間でおこなっている動物愛護団体、個人の動物好きの人が、飼育崩壊の飼い主をサポートして自分が多頭飼育崩壊になってしまうこともあります。

保護活動などは善意の行為ですのでとても良い行いなのですが、適切な数でやめておかないと、飼い主の突然の病気・事故・何かしらのトラブルなどにより世話ができないということも起こりかねません。

「自分は元気だから大丈夫」と過信していると、思わぬ事態になった際に大変な状況になってしまうのです。

多頭飼育崩壊を防ぐには繁殖をさせないことが大切

多頭飼育崩壊が発生する原因のほとんどは、不妊・去勢の手術をしていないことが関係しています。

繁殖を望まない場合には、完全室内飼い・外飼い問わず必ず不妊・去勢手術をおこないましょう。

猫の繁殖能力についての知識も勉強しておくと良いです。

猫は、1回交尾するとほぼ100%の確率で妊娠します。
そして平均で6匹ほどの子猫を出産するのです。

避妊・去勢手術というのは、飼い主の義務です。

しかし経済的な理由で「手術してあげたいけどできない」という場合もあると思います。

そんな場合には、各種愛護団体、ほとんどの自治体で、不妊・去勢にかかる手術代を補助してくれます。

筆者は過去に10匹以上の猫を保護するなど多頭飼いしていましたが、猫が増えることがないように手術代を補助してくれる動物病院で全ての猫を手術させました。

自分の住んでいる都道府県、市区町村、動物病院や動物愛護団体などの不妊・去勢の補助に関する情報を確認することも大切です。

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まとめ

いかがでしたか?

猫が好きなのであれば、今あるその命を大切にしてあげることが何より重要です。

不幸な猫が増えないように、お世話ができる適切な数の猫を飼うこと、不妊・去勢手術は必ずおこなうことです。

また、近所で「もしかして多頭飼育崩壊では…?」と思うような家がある場合は、早めに通報してください。

例えば、動物の鳴き声がすごい、動物の臭いがひどい、たくさんのケージがあり痩せ細っている犬や猫がいるなど。

通報するのは、保健所・動物愛護センターが良いでしょう。
または自治体の衛生課、動物愛護担当窓口などでも良いです。

猫は可愛い生き物ですし、癒しの存在です。
けれども言葉を話せませんので、こちらにSOSを送ることができません。

不必要に増やし過ぎると事件に発展するほどの大変なことになる、動物たちが悲惨なことになるということを忘れないようにしましょう。

この記事を書いた人

a_murakami
小さな頃からとにかく動物が大好きで、小学生の頃には猫15匹と犬3匹に囲まれて暮らしていました。 現在は猫2匹と犬1匹と暮らしています。 猫と飼い主さんのためになる記事を書きたいと思っています。 新たな発見になるような、分かりやすく楽しい文章を心がけています。

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