2匹のピットブルに癒された3匹の盲目な猫

世の中には、様々な良いこと・悪いことがあります。
面白いのは、悲劇的な状況でも、それがプラスの巡りあわせを生むことがあるということです。
今回ご紹介する5匹の動物は皆が皆、元々は悲劇的な状況にありましたが、お互いに素晴らしい友達と会うきっかけにもつながりました。

 

3匹の盲目の猫と優しい2匹のピットブル

ヘレンという名前の7歳の猫と、ブルースとウィリスという10週齢未満の兄弟子猫の、3匹の猫達は深刻な目の問題で動物保護施設にやってきました。

ヘレンは重度の緑内障でした。
彼女の目は大きく膨らみ、強い痛みがあります。

一方で、ブルースとウィリスの目は潰瘍化しており、はみ出して感染していました。
3匹の猫達に共通していたのは、目の状態が酷く悪く、そのままだと酷い痛みが続くということでした。

そして、救助組織は彼らを痛みがない生活に戻すために、目を取り除くことにしました。
しかし、手術後、視界のない生活に適応するのは、誰にとっても容易なことではありません。
それは彼ら3匹にとっても同様のことです。

▲手術後のヘレン
出典:The Dodo

 

▲盲目の兄弟猫ブルースとウィリス
出典:The Dodo

彼らはボランティアのシェリー・スチュワートの家でリハビリをすることになりました。
当時のことについてスチュワートは以下のように語ります。

「ヘレンはとても愛情深いですが、彼女は暗闇の中での生活にとても悩んでいました。」

「ブルースとウィリスは他の子猫同様に遊ぶのが大好きです。他の子猫との違いは、彼らはより小さな世界を楽しむということだけです。」

実はスチュワートの家には、彼女以外にも3匹の盲目の猫を歓迎する者がいました。
それが保護犬のピットブルであるアルフィーとフランキーです。

▲ブルース、ウィリスと一緒にくつろぐアルフィー
出典:The Dodo

9歳のアルフィーと4歳のフランキーは、いずれも過去の飼い主から虐待を受けており、アルフィーは小屋に閉じ込められ、ほとんど死にかけていました。

一方でフランキーもスチュワートが引き取るまで、安楽死させられる予定でした。
両犬ともに、スチュワートの世話で癒されるまでにしばらく時間がかかりましたが、今ではすっかり治り、アルフィーはペットセラピー犬としても行動しています。

そして、そんな二匹のピットブルはヘレン、ブルース、ウィリスのリハビリを助けることに大きく貢献しました。

「彼らは代理の母親のような行動をします。
なめたり掃除したり、一緒に昼寝をしたりしています。」とスチュワートは語ります。

▲アルフィーの背中でくつろぐブルース
出典:The Dodo

▲フランキーの背中で眠るブルース
出典:The Dodo

特に兄弟猫の小さい方のブルースは、アルフィー達の周りがとても快適なようで、時には彼らの背中で昼寝をしています。
初めは恥ずかしがり屋だったウィリスも、徐々に自分の殻を打ち破り始めたようです。

そして、3匹の盲目猫の最年長であるヘレンも徐々に環境に適応しました。
彼女の回復もスチュワートの犬たちによる助けがありますが、それ以上に彼女は同じ保護猫のハベルの助けによるところが大きかったようです。

▲(左から)フランキーとヘレン、そしてハベル
出典:The Dodo

▲ハベルとヘレン
出典:huffpost

スチュワートは以下のように語ります。

「初めはヘレンもハベルに対して緊張していましたが、ハベルは粘って、ついに彼女と一緒にいる権利を勝ち取りました。」
「彼らは共に食べ、遊んで、昼寝をします。短期間で、彼らは本当に特別な関係を築きました。」

3匹の盲目の猫と2匹のピットブルは皆、想像するのも辛いほどの背景を背負って、同じ環境に集まりました。
そして今、彼らはお互いを見つけました。
彼らは彼ら自身の体験を共有することで、慰め合うことができるのです。

 

ヘレン、ブルース、ウィリスのその後

最終的に、3匹の盲目の猫達は、スチュワートの家で2~3か月ほど過ごした後に、里親希望者が表れ、皆今では、別の家庭の仔になりました。
幸いなことに、兄弟猫であるブルースとウィリスは同じ家に揃って引き取られたようです。

引き取られた後のことは調べても分かりませんでしたが、3匹共に幸せな生活が続いていることを願うばかりです。

 

まとめ:私の感想

ピットブルは世間一般では危険で凶暴な犬種というイメージが強いでしょう。
ただ、このニュースを見て、そういった○○=××というラベリングは、とても危険な行為だということを再認識できました。
今回ご紹介した2匹のピットブル、「アルフィ」と「フランキー」は共に、とても優しく世話好きなピットブルだからです。

また、盲目の猫の引き取り先が、比較的早い段階で見つかったというのも、素晴らしいことだなと感じました。
正直、盲目の猫を育てることは簡単なことではありません。
しかし、それを理解した上で、自身の家族として引取りたいというのは、献身的で愛情にあふれた行為なのだと思います。

この記事を書いている時点(2019年5月29日)でも、ピットブルのアルフィとフランキーの様子はスチュワートさんのフェイスブックで確認することができます。
そして、ヘレン、ブルース、ウィリスの3匹の猫達も現在幸せに暮らしていることを祈ります。

出典:The Dodohuffpost

この記事を書いた人

島崎 塁(ミツバ)
ペットショップ、ペットホテル、猫カフェで店員をしていました。仕事とプライベートでの飼育経験から得た猫に関する知識を、余すところなく公開していきます。

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3 件のコメント

  • こんにちは、ミツバさん。ご無沙汰しております。記事の更新ありがとうございます、毎回楽しく拝見しております。私事ですが、私のベンガル君は本日で1歳になりました。蹴りや噛み付きは相変わらずで、傷も絶えませんが、元気に楽しく暮らしております。無事に成猫になれたのも、ミツバさんのお陰です。記事、色々と参考にしております!これからも応援しています(^o^)

    • もこ様

      ご無沙汰しております。
      いつもサイトをご覧いただきありがとうございます。

      ベンガル君1歳になりましたか!
      とてもおめでたいですね!!
      きっと1歳を境に多少の落ち着きなどの変化が現れることと思われます。
      ただ、文面を拝見する限りでは、楽しく元気に暮らされているようで何よりです(^O^)

      また何かご不明な点等ございましたら、いつでもお声がけください。
      もこ様とベンガル君が、今後も楽しく幸せに暮らされることを願っています。

      • ミツバさん、お返事ありがとうございます。ベンガル君、もう少し落ち着いてくれる事を祈ります!(笑)ミツバさんもお身体には気を付けて、日々お過ごし下さい。また何かありましたら、相談させて頂きます(^_^)ありがとうございました!

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