この記事は、「みどり区地域ねこの会」の詳しい活動内容を知りたい方や保護猫の里親になりたい方、ボランティア活動をしてみたい方に知っていただきたい内容が満載です!
ご紹介記事では掲載しきれなかった発足の経緯や活動への想い・この記事を読んでいるみなさんに伝えたいことなど詳しく掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
「みどり区地域ねこの会」発足の経緯について
「みどり区地域ねこの会」が発足したのはいつですか?
はい。
「みどり区地域ねこの会」は、2020年2月に発足しました。
発足して3年目なんですね!
会を立ち上げた経緯について教えてください。
はい。
私は元々名古屋市に住んでいるのですが、「みどり区地域ねこの会」発足前、勤め先の碧南市で「へきなん地域猫の会」を立ち上げ、代表として活動していました。
代表はご自身で2つも会を立ち上げたのですね!
「みどり区地域ねこの会」の発足の経緯をお聞きする前に、「へきなん地域猫の会」を立ち上げたきっかけについてお伺いしてもよろしいですか?
はい。
勤め先の愛知県碧南市にある衣浦港には、当時、野良猫がたくさんいました。
よくある話なのですが、これは港に魚釣りに来る人が猫たちにご飯をあげることと、周りに民家がないので猫を捨てやすいことが主な原因です。
私は、この衣浦港の野良猫問題を解決するために、大府地域猫の会さんに相談しました。
すると、大府地域猫の会の代表に、「この場所は港で周りに民家がない。個人ではなく、組織として地域猫活動を進めていかないと難しい。」とアドバイスをいただきました。
それと共に、碧南の野良猫たちの不妊去勢手術をしてもらえる病院も紹介していただき、「へきなん地域ねこの会」を立ち上げることにしました。
とても親身にアドバイスをくださったのですね!
大府地域猫の会さんを知ったきっかけは何ですか?
名古屋市緑区には、120ヘクタールもある広大な大高緑地公園があり、私はその公園で良くランニングをしていました。
ご自宅で猫を飼ってらっしゃる方なら共感してくださると思うのですが、家で猫を飼うようになってから、どこへ行っても猫がよく目につくようになりました。
私はこれを「猫目になる」と言っています。
そのおかげで、大高緑地公園内でもよく猫を見るようになり、公園内の猫によく会うようになると、猫の耳がカットしてあることに気付きました。
最初はその理由が分かりませんでしたが、大高緑地公園の掲示板に貼ってあるポスターで、その猫たちが地域猫であることを知りました。
そして、大高緑地公園にいる約100匹の猫のTNR・地域猫活動の推進をしたのが、愛知県では歴史が古い大府地域猫の会さんだったのです。
それが代表と大府地域猫の会さんとの出会いだったのですね!
はい、そうです。
その後、私は大高緑地公園の野良猫たちの役に立ちたいと思い、大府地域猫の会さんに電話をして、大高緑地公園の登録ボランティアとなりました。
ちなみに、大高緑地公園は愛知県が管理しており、大高緑地公園管理事務所が大府地域猫の会さんの指導により、その緑地公園内だけのボランティア組織を作りましたので、大府地域猫の会さんと同じ組織ではありません。
代表は大高緑地公園の登録ボランティアを経て、「へきなん地域ねこの会」を立ち上げたのですね!
活動の拠点を居住地である名古屋市に移したのは何か理由があったのですか?
居住地である名古屋市に活動拠点を移し、「みどり区地域ねこの会」を発足したのは、碧南市でのTNRが進んだこと、定期的に譲渡会を開催し、碧南市民への啓発が進んだこと、そして、碧南市(行政)との話が上手く進まなかったことがきっかけです。
私たちの活動を碧南市民に広く知ってもらえたことはとても嬉しく思っているのですが、助成金の問題や、動物遺棄防止のポスターを貼ってほしいという要望1つとっても、碧南市民でない私と行政との話はどうにも上手く進みませんでした。
確かに、碧南市は私の居住地ではないので、碧南市の野良猫問題に口を出しても上手くいかないのは仕方のないことかもしれません。
ですので、碧南市民の会員を集め、「へきなん地域ねこの会」の活動を継承することにしたのです。
野良猫問題に興味を持ち、ボランティアに目覚めるきっかけとなった2匹の猫との出会いについて
みどりねこさんのホームページ内「会について」の下部に、代表の経歴が記載してありますが、野良猫問題に興味を持つきっかけとなったランちゃんとの出会いについて教えてください。
引用:会について
はい。
ランと出会ったのは2013年6月のことです。
私が夜遅くに帰宅すると、妻が神妙な顔をしていました。
めったに見ない妻の表情に、すぐ何かあったと分かりました。
妻に話を聞くと、『夜、ランニングをしようと思い、家から1キロくらい離れた公園の側道を走り始めた時に、あるお宅の駐車場から子猫の鳴き声が聞こえた。止まって様子を見てみると子猫がよろよろと出てきて私の方に近寄って来た。私は子猫が近付いて来たことに驚いて、走って逃げてしまった。』と話してくれました。
どうやら妻は置き去りにしてきた子猫が気になっているようでした。
深夜0時を回り、もう夜も遅かったのですが、私は「その子猫が気になるならば、保護しよう」と妻に提案し、すぐに車で向かいました。
公園の脇に車を止め、子猫の鳴き声がしたお宅の前で猫の鳴きまねをすると、1匹の子猫がニャアニャア鳴きながら出てきました。
200gのキジトラの女の子。
その子猫が後のランです。
私は近くまで来たランを素早くバスタオルで包み、車に乗せて家に連れて帰りました。
ランを保護して1か月後、飼い主さん候補が現れましたが手放すことができず、我が家で一緒に暮らすことになりました。
ランちゃんは、代表の奥さんに助けてもらいたくて一生懸命鳴いていたのですね!
奥さんも無事にランちゃんを保護できて一安心されたことと思います。
ボランティアに目覚めるきっかけとなったペコちゃんとはいつ出会ったのですか?
2014年10月の夜です。
ペコを保護したのも妻がきっかけでした。
『家の近くの交差点に子猫が居る。道路に出たらひかれてしまう。』と妻から電話が入り、すぐに帰宅。
ペコがいたのは、交差点の道路脇にあるツツジの下でした。
私はとても驚きましたが、ペコが道路に出ないよう妻が見守る中、車の往来が少なくなった時を見計らって、上着を脱いでペコをバサッと包みました。
うまくいくはずだったのですが、捕まえ損ね、引っかかれてしまいました。
しかし、ここで手を離したらペコは逃げて車にひかれてしまう。
私は決して手を離さず、ペコを上着で包み、保護することに成功しました。
ペコは500グラムのキジトラの女の子。
ランを保護して1年4ヶ月、家族が増えてしまいました。
ハラハラドキドキの救出劇だったんですね!
ペコちゃんが事故にあわなくて本当に良かったです!
主な活動について
現在、一緒に活動されている方は何名いらっしゃいますか?
現在は10名の会員と共に活動しています。
会員に「へきなん地域猫の会」さんのメンバーはいらっしゃるのでしょうか。
いえ、「へきなん地域猫の会」のメンバーはいません。
会員10名のうち9名は名古屋市緑区在住ですが、1名は隣接する東海市に住んでいます。
みどりねこさんの主な活動は
- 地域猫活動(TNR+Mのサポート)
- 譲渡会の開催
- 啓発活動
ですが、2021年度にTNRした猫の頭数を教えてください。
はい。
2021年度にTNRした猫の頭数は45頭です。
30頭は当会の会員が実施し、15頭は会員以外の方のご支援のもと、TNRをおこないました。
TNRとは
・T(トラップ)…捕獲
・N(ニューター)…不妊去勢手術
・R(リターン)…元の場所に戻す
飼い主のいない猫を減らし、不幸な命を増やさないための大切な活動です。
保護猫の譲渡について
先ほどTNRした猫の頭数についてお伺いしましたが、2021年度に譲渡した猫の頭数について教えてください。
はい。
2021年度に譲渡した猫は30頭です。
そのうち14頭は当会の会員が保護した猫で、16頭は個人で譲渡会に参加された方の保護猫たちです。
みどりねこさんの譲渡会は、個人で保護活動をされている方も参加できるのですね!
譲渡にあたり重要視していることや理想の里親さん像はありますか?
信頼関係を築ける人ですね。
里親希望者さんから私たちへの信頼、私たちから里親希望者さんへの信頼、双方の信頼関係が重要だと考えています。
人と人との信頼関係が、保護猫たちの幸せにもつながるのですね!
代表は、譲渡会などで里親希望者さんとお話をする際に、気を付けていること・心がけていることはありますか?
そうですね。
いいことも悪いことも含め、できるだけ保護猫の情報を伝えると共に、里親希望者さんの情報もできるだけ詳しくお聞きできるようにお話を進めています。
そのお話の中で、里親希望者さんがどれだけ私たちの話を聞いてくれて、またご自身のことをお話してくれるかで信頼できるかどうか判断しています。
「この子を家族にしたい!」と思う猫愛があれば、その子の情報は些細なことでも聞きたいでしょうし、私たちがどれだけその子の将来を心配しているか理解してくださっているならば、ご自身やご家族についても色々教えてくださると思っております。
譲渡会に行きたい方や里親希望者さんへ向けてメッセージをお願いします!
私たちはペットショップと違い営利を求めているわけではありません。
私たちがつなげた命を託すことができる方の来場を、保護猫たちと一緒にお待ちしております。
みどりねこさんの2022年3月・4月の譲渡会日程は、こちらをご覧ください!
引用:お知らせ
里親さん募集中の保護猫たちは、こちらからご覧いただけます!
ボランティア募集について
みどりねこさんは、ホームページでボランティア募集をされていますが、ボランティアの条件があれば教えてください。
ボランティアの条件は特にありません。
活動に関して何か強制することもありませんし、ご自身の生活に合わせて、できる時にご自身の得意なことやできることをしていただければ大丈夫です。
ボランティアに関する問い合わせは、ホームページの問い合わせフォームから連絡すればいいですか?
はい。
ホームページのボランティアスタッフ募集ページをご覧いただき、お問い合わせフォームからご連絡ください。
お送りいただいた方にはこちらから改めてご連絡をさせていただきます。
ボランティアをしてみたい方へ向けてメッセージをお願いします。
私たちは、野良猫をゼロにするためにTNR活動・譲渡会の開催・啓発活動をおこなっております。
仲間がたくさんいれば、できることも増えますので、同じ思いを共有する方々の参加は大歓迎です。
ただ、ボランティアは仕事ではありませんし、命と向き合う活動です。
活動を続ける中でどうしてもつらいこともありますが、つらい時はみんなで泣き、嬉しい時はみんなで笑っていきたいと思っています。
ご連絡をお待ちしています。
名古屋市緑区にお住まいの方で「猫のため、地域のために自分にできることはないか」と考えている方は、みどりねこさんと一緒に活動してみてはいかがでしょうか。
猫の保護や引き取りに関する問い合わせについて
猫を保護してほしい・引き取ってほしいというような問い合わせはありますか?
はい、ありますね。
そのような問い合わせへの対応はどのようにしていますか?
当会では猫の引き取りはおこなっておりませんので、対応することはできません。
しかし、保護した猫の里親さんを探すお手伝いとして、当会が開催する譲渡会に参加していただくことはできます。
譲渡会参加には条件がありますので、詳しくは当会までお問い合わせください。
猫のお世話をしている地域だからといって、「〇〇に猫がいるからよろしく」など丸投げの依頼はやめましょう。
また、猫を捨てたり置いて行ったりするのは犯罪です。
絶対にやめてください。
迷子猫に関する問い合わせについて
迷子猫を探している飼い主さんからの問い合わせはありますか?
また、そのような問い合わせの対応はどのようにしていますか?
はい、ありますね。
脱走して迷子になった猫が家の周りから離れないようにするためには、まず、玄関先などに大好きなご飯とお水、トイレを置いてください。
できれば家の1ヶ所を開けて、猫が入ってこられる場所を作っていただくと帰ってくるケースがかなりあります。
そうなんですね!
はい。
また、昼よりも夜の方が猫を見つけやすいです。
なぜなら懐中電灯の光に猫の目が反射するからです。
猫を見つけた時は決して追いかけないでください。
逃げる可能性が高いです。
名前を優しく呼びながら、大好きなご飯で誘って、近くまで来たらバスタオル等で包み、すぐにキャリーに入れる。
ここは絶対に失敗してはいけません。
自信がなければ捕獲器を借りることをおすすめします。
当会では捕獲器の貸し出しをしております。
脱走した猫は、家の周りにじっと隠れている可能性が高いです。
絶対に諦めないでください。
人慣れした猫の場合は、他のお家のお世話になっている可能性も高いです。
各家庭への迷子チラシ配布、近所のスーパーや動物病院へのチラシ掲載、警察や愛護センターなどの各行政への届け出、保護団体への連絡もおこなってください。
たくさんのアドバイスありがとうございます!
猫は飼い主さんが探し出してくれるのを待っています。
代表のおっしゃる通り、決して諦めず探し続けてほしいと思います。
「みどり区地域ねこの会」の今後について
最後に、今後の活動についての抱負や目標があれば教えてください。
はい。
野良猫問題を解決するためには、まだまだたくさんの課題があります。
私はTNRや地域猫活動は川下の活動で、川上の問題を解決しなければ、野良猫問題は絶対になくならないと考えています。
川上の問題とは何でしょうか。
それはペットショップの問題です。
私たちはペット販売について、すでにさまざまな問題があると認識していますが、ペットをペットショップから購入される方々にこそ、その問題を知っていただくことが大切だと考えています。
ペットショップの店頭に並ぶたくさんの動物が、どのような経緯をたどり、その親たちはどうしているのか?
この闇は上手く隠され、目につかないようになっています。
私たちはTNR・地域猫活動を継続し、日本のペット文化を変えたいと思っております。
フランスでは法改正により、2024年から犬と猫のペットショップでの販売を禁止するようです。
「猫を飼いたいと思っている方は、ペットショップから買うのではなく、保護猫を引き取る」
それが当たり前の日本になってほしいですね。
代表、貴重なお話をありがとうございました!
インタビューを終えて
小さな命を2度も救い、勤め先や居住地の野良猫問題を解決するため2つも会を立ち上げた代表の行動力に、とても驚かされました。
ねこわらはこれからもみどりねこさんの活動を応援します!
名古屋市緑区にお住まいの方、今回の記事を読んでみどりねこさんを応援したいと思った方は、ぜひ継続的なご支援をお願いします。
みどりねこさんのホームページ・ブログ・問い合わせ先一覧は、下記をご覧ください!
みどり区地域ねこの会のホームページ・ブログ・問い合わせ先
ホームページ | みどり区地域ねこの会 |
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今回は愛知県名古屋市緑区の地域ねこ保護団体「みどり区地域ねこの会(みどりねこ)」の代表にお話を伺いました!
代表は「みどり区地域ねこの会」発足前、勤め先である碧南市で「へきなん地域猫の会」を立ち上げ、野良猫のTNR・保護・譲渡活動を始めました。
名古屋市在住の代表が、碧南市で活動を始めたきっかけ、そして名古屋市に活動拠点を移した理由について迫りました!