【インタビュー】地域住民との交流を増やし、野良猫トラブルゼロを目指すボランティア団体「とだニャン」

ねこわら君

今回は埼玉県戸田市のボランティア団体「とだニャン」の代表にお話を伺いました!

団体発足のきっかけは、2012年に出会った3本足の野良猫。
ブログで積極的に活動を発信し、支援者を増やしながら活動を続けています。

この記事は、「とだニャン」の詳しい活動内容を知りたい方や保護猫の里親になりたい方、ボランティア活動をしてみたい方に知っていただきたい内容が満載です!

ご紹介記事では掲載しきれなかった発足の経緯や活動への想い、この記事を読んでいるみなさんに伝えたいことなど詳しく掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください!

埼玉県戸田市のボランティア団体「とだニャン」の活動内容をご紹介します!

「とだニャン」発足の経緯について

ねこわら君

とだニャンさんが発足したのはいつですか?

とだニャンさん

2014年4月1日です。

ねこわら君

もう9年目になるんですね!
発足のきっかけについて教えてください。

とだニャンさん

2012年6月に3本足の野良猫を保護したことがきっかけです。

ねこわら君

その子はどんな状況で保護されたのですか?

とだニャンさん

ある日、買い物へ行った帰りに3本足の野良猫が道路を横切っているところを偶然見かけました。

その時、「なんでこんな状態の子がいるんだろう」と思いました。
「失った足はどうしたんだろう」、「あの子は生きていけるのだろうか」とも思いました。

家に帰ってからもその子のことがずっと頭から離れず、「あの子をなんとしても助けたい」という思いがどうにもならなくなったので、翌日から毎日その場所に通いました。

毎日通ってもなかなか見つけらなかったので、もう諦めていたところ、偶然にも私がエサをあげていた場所に突然現れ、保護することができました。

ねこわら君

3本足というハンデを抱えながらも、その子は必死に生きていたんですね。

とだニャンさん

そうですね。

私はその子と出会って、普通の状態でいられない猫もいることを知りました。

その子がなぜ3本足になってしまったのかは分かりません。
虐待かもしれないし、たまたま運悪く事故にあったのかもしれない。

いずれにせよ、外で暮らすって何があるか分からないんです。

厳しい環境で生きている猫を目の当たりにして、私は「この現状を何とかして変えてあげたい」と強く思いました。
それから、地域猫セミナーに何度も通い、とだニャンを立ち上げました。

ねこわら君

代表の強い想いが団体発足につながったんですね!

現在一緒に活動されているメンバーは何名いらっしゃいますか?

とだニャンさん

メンバーは5名です。
私たちの活動範囲は戸田市内なので、メンバー全員が戸田市在住です。

ねこわら君

メンバーの皆さんはどのようなきっかけで、とだニャンさんで活動することになったのでしょうか。

とだニャンさん

そうですね。
当会のブログを見て「一緒に活動したい」と思って参加してくれている方がほとんどです。

あとは、先ほどお話しした通り、私も元々エサやりをしていたので、そのエサやりさん繋がりから活動に合流した方もいます。

ねこわら君

活動に興味を持った方が、一歩踏み出して参加してくれているのは嬉しいですね!

TNR活動について

ねこわら君

これまでにTNRした猫の頭数を教えてください。

とだニャンさん

はい。
TNRは私が個人で始めた2014年9月から現在までで、およそ750頭です。 

ねこわら君

代表はエサやりだけでなく、個人でTNRもされていたんですね!

TNR活動を続けることで地域住民の反応に変化はありましたか?

とだニャンさん

そうですね。
始めた当初はとにかく苦情が多かったです。
「迷惑な野良猫を始末してくれ」などよく言われました。

ですが世の中の流れが、『不妊去勢手術をして地域猫として人と共生する』ように変わってきたことにより、若い世代がTNRや地域猫に興味を持ってくれるようになりました。
これはかなりの前進だと私は思っています。

8年近くTNR活動を続けてきましたが、戸田市内の野良猫が減ったことで、 苦情を申し立ててくる人もいなくなりました。

支援者も多く増え、里親会の開催場所を大手住宅メーカーさんが提供してくれたり、地元の不動産屋さんも私たちの活動を応援してくれるようになりました。

引用:ブログ

ねこわら君

それは嬉しいですね!

先ほど、「世の中の流れが変わり、若い世代がTNRや地域猫に興味を持ってくれるようになった」とお話がありましたが、TNR活動や地域猫活動をもっと多くの若い人たちに知ってもらうために必要なことは何だとお考えでしょうか。

とだニャンさん

そうですね。
当会は一度、戸田市内の中学校から地域猫についての講演依頼があり、資料を作成して講演に出向いたことがあります。

また戸田市内の小学生の母親から、TNRに参加したいとご連絡をいただき、親子で参加されたこともありました。

いずれも依頼のきっかけは、SNSでの発信や当会のブログを見たことです。

積極的に若い世代にアピールするためには、ブログで誰でも参加できる場を設けたり、勉強会や猫に関する座談会を開催したりすることが必要なのではないかと考えています。

そうすることで、少しずつでも知ってもらうきっかけが作れるのではないかと思います。

引用:ブログ

保護猫の譲渡について

ねこわら君

これまでに保護・譲渡した猫の頭数について教えてください。

とだニャンさん

はい。
当会はこれまでに200頭近くの猫を保護し、149頭の保護猫を里親さんへ繋いでいます。

ねこわら君

現在、とだニャンさんで里親募集をしている保護猫は何頭いますか?

とだニャンさん

成猫2頭、子猫12頭です。

出産間近の母猫が2頭いるため、子猫がプラス8頭ほど増える予定です。

引用:ブログ

ねこわら君

子猫はとても可愛いですが、里親さんへ繋ぐまでのお世話が大変ですよね。

保護猫の譲渡可能地域は決まっていますか?

とだニャンさん

私たちは戸田市内のみで活動していますので、譲渡も市内がほとんどです。

ただ、戸田市から車で1時間以内でしたら埼玉県、東京都も譲渡可能地域にしています。

ねこわら君

とだニャンさんの譲渡条件と理想の里親さんについて教えてください。

とだニャンさん

はい、当会の譲渡条件は下記の通りです。

  • ペット可のご住居であること
  • ご家族全員の同意があること
  • 完全室内飼い、脱走防止を徹底していただけること
  • 適切な健康管理をおこなっていただけること
  • 譲渡時、不妊去勢手術が済んでいない場合は適正時期に手術をしていただき、その手術完了報告をきちんといただけること
  • 毎年ワクチンの接種していただけること
  • 譲渡後写真を添えて近況報告をいただけること
  • 終生飼養ができる安定した収入がある方
  • 高齢者だけのご家庭、同棲カップルへの譲渡は不可とさせていただいております
  • 未成年者、女性でもお若い方の単身者はご応募できません

理想の里親さんは、譲渡後もこまめに近況報告をしていただける方です。

ねこわら君

保護主さんにとっては、譲渡後も大切な子であることに変わりないですからね!

それでは、里親になることを検討している方へのメッセージをお願いします。

とだニャンさん

はい。
ペットショップではなく保護猫を迎えるという選択をしてほしいです。

あなたが保護猫を迎えることによって、救われる命が1頭また1頭と増えていきます。

保護猫を家族として迎えたいと思っている方、お気軽にお問い合わせ下さい。

ねこわら君

里親さんを募集している保護猫については、ブログの里親さん募集記事をご覧ください!

とだニャンさんでは里親会も開催予定ですので、ブログで最新情報をチェックしてください!

ボランティア募集について

ねこわら君

現在、一緒に活動するボランティアさんの募集はしていますか?

とだニャンさん

はい。
TNR活動の捕獲ボランティアさんと搬送ボランティアさんを募集しています。

特に捕獲した猫を動物病院へ搬送していただける方を急募しています。

引用:ブログ

ねこわら君

ボランティアをするための条件はありますか?

とだニャンさん

年齢は問いませんが、戸田市在住の方のみでお願いします。
また、車を持っていることが必須です。

ねこわら君

どのような方にボランティアさんになってほしいですか?

とだニャンさん

言われたことに対し忠実におこなってくれる方を希望しております。

搬送ボランティアさんは、捕獲した野良猫をご自身の車に乗せるので、多少なりとも車内が臭くなることをご了承いただければと思います。

ただ、このニオイは一時的なもので、すぐに消えます。
“ニオイ”に視点をおくのではなく、「猫のため、地域のために」と継続して搬送ができる方を希望します。

またTNRは毎週しているのではなく、月に1度と決して無理な活動ではないので、長く続けてくれる方を希望しています。

ねこわら君

ボランティアの問い合わせはメールでいいでしょうか?

また、最初の問い合わせメールに記載しておいてほしいことがあれば教えてください。

とだニャンさん

はい。
問い合わせはメールでお願いします。

お名前(フルネーム)、住所、電話番号、お問い合わせ内容を記載してください。

上記すべてを記載していただいているメールだけに返事をします。

引用:ブログ

ねこわら君

ボランティアをしてみたい方へ向けてメッセージをお願いします。

とだニャンさん

この活動はエンドレスです。ですがボランティアさんがひとりふたりと増えることで、いつかエンドレスではなくなる日が来るかもしれません。

この活動の目的は『これ以上不幸な猫を増やさないこと』です。
まずは一歩踏み出してみませんか。決して難しいことではありません。
一緒にやっていただける方、大歓迎です。

ねこわら君

とだニャンさんのメールアドレスは、ブログの収支報告ページ下部に記載されています。

戸田市にお住まいの方で「猫のため、地域のために自分にできることはないか」と考えている方は、とだニャンさんと一緒にボランティア活動をしてみてはいかがでしょうか。

「とだニャン」への支援について

ねこわら君

直近で特に必要な支援や足りない物資はありますか?

とだニャンさん

今一番ほしいのはご寄付と物資です。
物資はキャットフード、トイレの砂、トイレシートをご支援いただけると大変助かります。

ねこわら君

支援金の寄付口座は下記画像をご覧ください!

Amazonの欲しいものリストはこちらです。
ぜひ継続的なご支援をお願いします!

引用:ブログ(右中ほどに記載されています。)

猫の保護依頼やTNRの相談について

ねこわら君

TNRの相談や依頼はどのくらいの頻度でありますか?

とだニャンさん

月5~6回くらいです。

引用:ブログ

ねこわら君

上記画像にあるように、ブログに猫の引き取りはできないことを明記してありますが、丸投げの保護依頼や引き取りの相談はあるのでしょうか。

とだニャンさん

活動を始めたころは週3回ほど、丸投げの保護や引き取り依頼がありました。
現在もたまに丸投げはあります。

ねこわら君

そのような問い合わせへの対応はどのようにしていますか?

とだニャンさん

丸投げは受けていないことをきちんと説明しています。

「猫に関わる活動をしているから、全てやってくれて当たり前」と思っている方もいると思うのですが、そうではありません。

TNRでしたら一緒にやって行くこと、また子猫を拾ったのであれば里親探しのアドバイスやサポートなどをしています。

ねこわら君

保護依頼や相談をされる方に改めてメッセージをお願いします。

とだニャンさん

初心者でもできるTNRと誰でもできる里親探しの勉強会を再開したいと思っています。

その中でご自身が抱えている猫の悩みなどをお聞きし、参加した皆で意見を出し合いながら、解決へと向かっていけるような場を設けたいと思っています。

座談会のような和やかな雰囲気で開催したいと思っていますので、ぜひご参加下さい。

ねこわら君

「自分には何もできないから、できる人に託す」のではなく、「できる人にアドバイスをもらいながら、自分で行動する」姿勢が大切なのではないでしょうか。

丸投げの依頼だけでなく、猫を捨てたり置いて行ったりするのも絶対にやめてください。
動物の遺棄は犯罪です。

迷子猫に関する問い合わせについて

ねこわら君

迷子猫を探している飼い主さんからの問い合わせはありますか?

とだニャンさん

迷子猫の問い合わせは年中来ますね。

ねこわら君

問い合わせがあった場合、捜索のアドバイスなどはされていますか?

とだニャンさん

はい、しています。

捜索の際に大切なことは、

  • 早い段階で電信柱にポスターを貼ること
  • ポスターにはできるだけ細かな情報を入れること
  • 目撃情報が一番の頼りになるので画像ははっきり分かるものを載せること
  • 鍵しっぽなどその猫の特徴も載せること

です。

ねこわら君

たくさんのアドバイスをありがとうございます!
とても参考になります!

猫は飼い主さんが探し出してくれるのを待っています。
決して諦めず、探し続けてほしいと思います。

埼玉県戸田市の飼い主のいない猫に関する助成制度について

ねこわら君

戸田市の飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術への助成について教えてください。

とだニャンさん

はい。
戸田市では、戸田市在住の個人であれば不妊去勢手術の補助を受けられます。

ねこわら君

そうなんですね!

個人の方を対象としているということは、とだニャンさんは補助を受けずに活動されているということですよね?

とだニャンさん

はい。
この制度は個人対象ですので、当会は補助を受けておりません。

当会にTNRの依頼があった際は、オスメス関わらず1頭につき5,500円を手術代として相談者さんにご負担いただいています。

ねこわら君

戸田市の飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術への助成については、こちらからご覧いただけます。

「とだニャン」の今後について

ねこわら君

最後に、今後の活動についての抱負や目標があれば教えてください。

とだニャンさん

はい。

8年もの間、TNRを続けてきた成果が出てきているのか、戸田市内では耳カットをしていない野良猫はほとんど見なくなりました。
またTNR依頼も減りました。

これからは、野良猫トラブルゼロを目指すために 『エサやり禁止は何の解決にもならない』をテーマに、地域猫セミナーの開催をしていきたいと思っています。

ねこわら君

猫と人がより良く共生するためには、「正しく知る」ことが大切なのではないでしょうか。

セミナーをきっかけに、1人でも多くの人の意識が変わるといいですよね。

とだニャンさん、貴重なお話をありがとうございました!

インタビューを終えて

ねこわら君

「この活動はエンドレスです。ですがボランティアさんがひとりふたりと増えることで、いつかエンドレスではなくなる日が来るかもしれません。」という代表の言葉がとても心に残りました。

1人でも多くの人が、猫のため地域のために自分にできる第一歩を踏み出せるよう、ねこわらはこれからも情報発信を続けたいと思います。

戸田市にお住まいの方、今回の記事を読んでとだニャンさんを応援したいと思った方は、ぜひ継続的なご支援をお願いします。

とだニャンさんのブログ・SNS、支援先一覧は下記をご覧ください!

とだニャンのブログ・SNS

ブログとだニャン
Twitterとだニャン
Facebookとだニャン

支援先・問い合わせ先一覧

支援金の寄付ブログ(右中ほどに記載されています。)
Amazonほしいものリストとだニャン欲しいものリスト
お問い合わせ先メールアドレスはこちらの下部に記載されています。

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この記事を書いた人

築山 優希愛玩動物飼養管理士2級 動物介護士 ペット看護士
奈良県で、小学生の娘と5歳になる保護猫(茶トラの女の子)を育てています。 動物好きの娘を犬や猫と触れ合える場所に何度も連れていくうちに、自身の猫に対する苦手意識を克服し、猫を飼いたい!とまで思うようになりました。 その直後に現在の愛猫を自宅近くで保護し、一緒に暮らすように。 猫に長生きしてもらいたい一心で取得した資格を活かし、読みやすい記事をお届けしたいと思います。

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2 件のコメント

  • 以前ご連絡をしたことのある志田です。実は数日前から耳カットなしの茶トラが私の自宅前に現れてヨル遅くにずっと鳴いてます。私は自宅にいま夜に一旦戻り、川口のマンション帰らないとならないのでその時に待ち伏せされています。会った時からお腹を見せてずっと鳴きます。私が帰るまでドア外で待ってます。
    元飼い猫だったと思います。どうにか飼い主さん探せませんかね?自宅は川口市と境なので川口市の猫か蕨市かも知れません。

    • 志田様

      ご連絡ありがとうございます!

      ご相談の件ですが、志田様がTwitter等SNSをされているのであれば、
      その猫さんのお写真を撮って、「迷子猫のようです。どなたかこの子を探している方いませんか?」など、
      SNSに投稿して拡散するのはいかがでしょうか。

      志田様がSNSをされていないのであれば、ご家族やご友人など周りの方に協力を依頼できないでしょうか?

      あとは飼い主さんが見つかるまで、その子を預かっていただける方が見つかると良いですが…その件も志田様はじめ、ご家族やご友人など周りの方とご相談・ご検討いただけますと幸いです。

      ねこわらは猫専門Webメディアで、保護活動などはおこなっていません。
      アドバイスをすることしかできず、大変心苦しいですが、何卒ご了承いただき、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

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