引っ越しは人にも猫にとっても大きな環境の変化です。
それまで住み慣れた場所から、新しい環境に移ることは猫にとってかなりのストレスになってしまうのです。
できるだけストレスを与えないためにも、引っ越しにかかわる4つのシーンで注意が必要になります。
どんな注意をして、猫との引っ越しを進めればいいのか紹介していきます。
猫は引越しが苦手?
よく犬は人につき、猫は場所につくと言います。
その言葉からも分かるように引越しは猫にとって、大きなストレスのかかる一大イベントなのです。
飼い主さんは自分の猫が適応できるか、迷子にならないかなど様々な心配をされると思います。
実際に引越しのときに、猫が脱走してしまったという事例もあるのです。
大抵の室内飼いの猫は引越し後数日もすれば、引越し先を自分の新たな住みかと認識するようになります。
ですが、中には人一倍臆病だったり、神経質な猫もいます。
愛猫にストレスをかけないためにも、しっかりと準備を済ませて引越しをしましょう。
引越しにおける注意点!
猫にストレスを与えない引越しを行うにはきちんとした準備が必要になってきます。
実際に4つのシーンで適切な準備・対応をする必要があります。
- 引越し準備の注意
- 引越し当日の注意
- 移動中の注意
- 引越し後の注意
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.引越し準備の注意
1-1.引越し先の近くの動物病院を調べておく
引越し直後、猫はストレスによって体調を崩してしまいやすいです。
万が一のことを考え、引越し前にあらかじめ新居の近くにある動物病院を調べておきましょう。
1-2.荷造りは少しずつ
猫が引越し準備の荷造りでストレスを抱えないよう注意しましょう。
猫は部屋の模様替えをしただけでも落ち着かなくなります。
ストレスから粗相をしたり、脱走しようとしたりもします。
引越しが決まったからと、突然バタバタ片づけを行うのではなく、荷造りはゆっくりと時間をかけて行いましょう。
1-3.声をかけてストレスを和らげる
荷造りなど引越し準備をすることで、猫は家の異常に気づき神経質になってしまいます。
引越しの荷造り中は、猫に頻繁に声をかけて不安を和らげましょう。
引越し準備中は、猫がちょっとした瞬間に逃げてしまうこともあるため、ドアの開閉の際には注意する必要があります。
作業は慎重に安全を確保したうえで、ネコは自由に遊ばせリラックスしてもらいましょう。
2.引越し当日の注意
2-1.キャリーケースに入れる
猫にとって見知らぬ人が次々と入ってくる引越し当日は、かなりストレスが溜まる日になります。
そのため引越し当日は「猫が逃げ出すのを防ぐため」、また「猫が危険にさらされるのを防ぐため」にキャリーケースに入れましょう。
可能な場合、猫を早朝か前日に先に引越しさせ、誰かがそばについていると安心です。
2-2.いざという時のために首輪(迷子札)は必須!
引越しの際最も気を付けるべきなのが、猫の脱走です。
猫が逃げないようキャリーケースにしっかりと入れておく必要があるのですが、万が一のことも考えて引越し前後だけは必ず首輪(迷子札)を付けるようにしましょう。
2-3.ペットホテルへ預かっていてもらう
引越し当日はどうしても荷物運びなどで、人の出入りが多くなります。
猫にもストレスをかけてしまうため、引越し作業が落ち着くまでは、事前にランクの高いペットホテルへ預けておくのも一つの手です。
3.移動中の注意
3-1.キャリーケースの利用
猫を連れていく際はキャリーケースに入れることになります。
猫にすんなりキャリーケースに入ってもらうためにも普段からしつけをしておきましょう。
またキャリーケースはプラスチックのハードタイプにすることを強くおすすめします。
連れて行く際に注意すべきなのが、食事とトイレは必ず済んだ状態にしておくということです。
理想は出発の6~7時間前に食事を与えて、トイレも済ませておくことです。
車で長距離移動する場合などは、あらかじめ携帯トイレを持参するなどしておきましょう。
3-2.移動中はときどき名前を呼ぶ
移動するとき猫の近くには、普段から一番仲良くしている人がいるようにしましょう。
時々名前を呼んだり声をかけるなど、安心してもらえるように配慮しながら移動します。
また移動中外の世界が見えないように、キャリーケースにタオルをかけるなどしてあげる必要もあります。
こうしたちょっとした配慮が猫のストレス解消につながるのです。
4.引越し後の注意
4-1.まずは引越し先の片づけから
新居に落ち着いた瞬間、猫を開放するのはとても危険です。
全く知らない場所で放り出されることで、猫がパニックになってしまう恐れがあるからです。
引越し作業がひととおり終わるまでは、キャリーバッグに入れたままにします。
ときどき様子を見ながら声をかけ、新居の片づけを先に済ませてしまいましょう。
家具の配置を以前の家と似た形式にすると、猫もその後の生活で落ち着きやすくなります。
また引越しに際して家具を新調するケースもあると思いますが、猫グッズに関しては新調はしないようにしましょう。
以前から使っていたものがなくなると、極端にストレスがかかるからです。
ずっとキャリーケースに入れておくのが不安な場合は、浴室や小さい部屋を先に片づけて、普段使っているトイレやベッドなどを置いて待機していてもらうのも一つの手です。
4-2.遊んでストレス解消!
新居の片づけが終わったら猫を自由にしてあげましょう。
始めは見知らぬところだとナーバスになってしまう猫ですが、徐々に自分の縄張りを広くしていきます。
猫が初めてあなたの以前住んでた家に来たときのことを思い出してください。
猫も家の中を少しずつ探検すると思うので、優しく見守りましょう。
扉は全部空けるのではなく、1部屋ずつ開けて徐々に慣れてもらうのがコツです。
またストレス解消の意味合いも含めて、引越し後は猫にかまってあげる時間を多めにとるようにしましょう。
撫でてあげたり、優しく声をかけるだけでも猫のストレス解消につながります。
4-3.調子が悪ければすぐ病院へ
もちろん個体差はありますが、早い猫は数日。
環境が変わることで食欲なども多少落ちることもありますが、遅い猫でも数週間で新居に慣れるようになります。
ですが「水を飲まない」「トイレをしない」など明らかに様子がおかしい場合、調べておいた動物病院へ診察に行きましょう。
診察してもらう際には具体的な症状。
例えば、「ご飯を食べない」、「トイレをしない」などと伝えることができると、より獣医さんも診察がしやすくなるでしょう。
近所へ引越しのあいさつに伺う場合は、事前にネコがいることをつたえておきましょう。
マナーを守り、迷惑をかけないようにすれば理解も得られやすくなります。
まとめ
場所に住みつくと言われている猫にとって、引越しは予想以上にストレスがかかるイベントです。
よりストレス少なく引越しを終えるために、4つのシーンで注意をしてあげる必要があります。
- 引越し準備の注意
- 引越し当日の注意
- 移動中の注意
- 引越し後の注意
ストレスが少しでも少なくなるように、思いやりを持ってあげることが最も大切になります。
エサ皿やトイレなど猫の匂いがついたものは、できるだけ新調せずそのまま使うようにしましょう。
photo credit:Cat in a Cardboard Box,TE-BLOG_-Moving-day-boxes_-08_23_2011_iStock_000008388519Medium1 via photopin (license)