乳腺腫瘍とはいわゆる乳がんのことです。
もし愛猫の乳頭(乳首)周辺に固いしこりがあったら、要注意です。
愛猫が乳がんにかからないためにどんな予防ができるか、万が一なってしまった際にどういった選択肢があるのかをまとめています。
乳腺腫瘍の症状は?
画像はメス猫の乳腺腫瘍(乳がん)
乳腺腫瘍は避妊手術をしていないメス猫の発症率が圧倒的に高いです。
発病する年齢としては、10~12歳になってからのメス猫が多いです。
初期症状としては、乳頭(乳首)の周りに固いしこりができます。
このしこりをほっておくと徐々に大きくなり、最終的には自壊といって腫瘍が破裂してしまいます。
自壊した腫瘍からは、独特の悪臭を持った血液や体液が出てきます。
冒頭にも書いていますが、乳腺にできる腫瘍の場合90%は悪性の腫瘍、いわゆる癌です。
癌ということで想像に難くないと思いますが、画像のように肺やリンパ節など様々な部分に転移してしまいます。
そのため早期発見と日頃の予防が大切になってきます。
乳腺腫瘍の予防方法
まずは乳腺腫瘍ができないように日頃から予防をしていくことが大切です。
最も効果的な予防方法は、避妊手術です。
下記の表から分かるように、生後何カ月までに避妊手術を受けさせるかによって、乳がんの発病率はかなり変わってきます。
避妊手術を受ける時期 | どの程度予防できるか |
生後6カ月まで | 91%予防 |
生後1年まで | 86%予防 |
生後1年~1年半まで | 11%予防 |
それ以降 | 予防効果なし |
こういったデータも出ているように乳がんを防ぐためには、適切な時期での避妊手術が効果的です。
避妊手術を受けさせる場合は、可能な限り生後1年以内にしましょう。
また手術以外にも日頃から愛猫の体をチェックするようにすることで、腫瘍ができても早期発見につなげることができます。
毎日チェックするのは猫にとっても嫌だと思うので、週に1回ほどのペースで確認するようにすると良いでしょう。
乳腺周りのしこりは90%が悪性のため、しこりができていたらすぐ病院に連れていきましょう。
乳がんの場合の余命
現実的な問題乳腺腫瘍(乳がん)を発病した場合、余命はあまり長くありません。
乳がんを発病した場合手術をしても余命は、長くて約3年程度と言われています。
3cm以上の腫瘍だと残り寿命は半年だと言われています。
場合によっては手術をせず病気をケアして生きていく方が、痛みを伴わず長く生きられることなどもあるようです。
手術させるかどうかは、かかりつけの獣医さんとその時の状況なども交えて相談してみましょう。
乳腺腫瘍の治療方法は?
腫瘍ができてしまったら、基本的には手術をすることになります。
乳腺腫瘍の摘出手術の場合、大きく分けて3つの選択肢があります。
- 腫瘍の部分摘出
- 片側乳腺の切除
- 全乳腺の切除
1つずつ詳しく見ていきましょう。
いずれの手術を選択する場合でも、術後のケアを重視することが大切なのです。
体の抵抗力を高める為に免疫力を高める取り組みをしたり、がん細胞が育たないように食事中の糖質を減らすような試みが必要になります。
まとめ
猫も乳がんになることがあります。
発症するのは圧倒的に避妊していないメス猫が多いです。
発症してしまうと半年~3年程度で亡くなってしまうことがほとんどで、余命をどのように過ごすかを考える必要が出てきます。
予防対策としては適切な時期の避妊が挙げられます。
またお腹にしこりが出来てないかを、日頃の触れ合いで見落とさないことが大切です。
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