猫の避妊手術の適切な時期や費用、メリット・デメリットは?

雌猫の避妊手術は様々なメリットやデメリットがあります。
避妊手術についての知識や手術の流れ、費用などをまとめています。

現在メスの子猫を飼っている方は是非参考にしてみてください。
メス猫の避妊手術ではなく、オス猫の去勢手術についても知りたい場合はこちらから確認できます。

猫の飼い主必見!去勢・避妊手術のメリット・デメリットとは?

 

猫の避妊のメリットとデメリット

猫の避妊とは基本的にメス猫の卵巣と子宮を、手術によって摘出することになります。
避妊手術をすることによって、様々なメリット・デメリットがあります
具体的にどういったものになるのか見ていきましょう。

猫の避妊のメリット

猫の避妊手術をすることで得られるメリットは以下になります。

  • 生殖器の病気予防
  • 発情期特有の問題行動がなくなる
  • 性格が穏やかになる
  • 性的な欲求不満の解消

1つずつ詳しく見ていきましょう。

生殖器の病気予防

メス猫は生殖器関連の病気にかかりやすいですが、避妊手術を受けることで以下の病気の予防をすることができます。

  • 乳腺腫瘍
  • 子宮蓄膿症
  • 卵巣腫瘍
乳腺腫瘍

乳腺腫瘍とは乳がんのことです。
乳がん腫瘍は避妊手術を受けていないメス猫の発症率が圧倒的に高いです。
ただ生後1年以内に避妊手術を受けることで、発症を予防できます。

より詳しくはこちらを参考にしてみてください。

愛猫の余命は?乳腺腫瘍(乳がん)の症状や治療方法、費用は?

 

子宮蓄膿症

子宮での細胞感染から、化膿を起こし、膿が溜まってしまう病気です。
発症すると命にも関わる病気ですが、避妊手術をすることで避けることができます。

 

卵巣腫瘍

卵巣のホルモンが過剰になってしまい、脱毛や発情の長期化などが起こってしまう病気です。
この病気も避妊手術を受けることが予防につながります。

 

発情期特有の問題行動がなくなる

これは猫にとってではなく、飼い主さんにとってのメリットです。
発情期のメス猫は相手のオス猫を求めて大きな鳴き声を出します。

昼夜問わず大きな鳴き声を出すためかなりうるさいです。
ご近所さんとのトラブルにもなりかねないですが、避妊手術によってこうした鳴き声はあげなくなります

 

性格が穏やかになる

避妊手術を受けさせることで、性格が変わる猫もいます。
全く性格が変わらない子もいますが、猫によっては性格が穏やかになります

 

性的な欲求不満の解消

交尾をさせるつもりがない状態で避妊手術を受けさせないと、性的に欲求不満になりストレスが溜まってしまいます。
避妊手術によってこういったストレスを溜めないようにすることができます

 

猫の避妊のデメリット

避妊手術を受けることでメリットだけでなくデメリットもあります。

  • 子供を産めなくなる
  • 太りやすくなる

1つずつ詳しく見ていきましょう。

子供を産めなくなる

避妊手術をすることで、子供を産む能力は一切なくなってしまいます。
手術後は、二度と子供を産むことは出来なくなってしまいます

 

太りやすくなる

去勢・避妊手術後はオスメス関係なく、どの猫も太りやすくなってしまいます
特に避妊手術を受けたメス猫は、断トツで太りやすくなってしまうため食生活を見直しましょう。

また適度な運動も肥満予防には大切です。
飼っている猫が肥満かどうかをチェックしたい場合は、こちらを参考にしてみてください。

【超簡単】1分でできる猫の肥満度チェック!

 

避妊手術について

避妊手術の時期は?

避妊手術は初めての発情期を迎える前、生後半年程度で受けるのが良いと言われています
発情期を何回か過ごした後に手術をすると、発情期の行動が癖として残ってしまう場合があります

そのため初めての発情期を過ごす前(生後半年頃)に手術を受けさせることが良いのです。

癖がついてしまうと、発情期となる春や秋になるたびに大声で鳴いたりすることがあります
こういったことが癖になる前の、生後半年頃の避妊手術がおすすめされているのです。

 

避妊手術の流れ

避妊手術は以下の流れで進めることになります。

  1. 手術前検査
  2. 手術前日
  3. 手術当日
  4. 手術後のケア

手術前の検査として、病気の有無の検査を手術の1~2週間前に受けます。

続いて手術前日です。
手術の前日の夕方以降は、手術中のおう吐で喉を詰まらせないようにするため絶食させます。(水分は与えて大丈夫です。)
ご飯を与えないのは可愛そうですが、ここは心を鬼にしましょう。

手術当日は手術のために猫を預けることになります。
メス猫の避妊手術はオス猫の去勢手術と比べてかなり本格的な手術になるため、術後の経過を観察する意味でも1泊程度預けることが多いです

手術が終わっておよそ1週間後に抜糸をするために再度病院に行きます。
抜糸をしてもらったら一通りの避妊手術が終了となります。

※私宅のわたげはオス猫のため、去勢手術になりますが、その際の体験記はこちらから確認できます。

体験記で分かる猫の去勢!術後の経過や注意点、料金はいくら?

 

避妊手術の費用は?

避妊手術は去勢手術と比べても、かなり本格的な手術となるため費用も高くなります。
去勢手術は10,000円~20,000円程度の費用がかかることが多いですが、避妊手術は20,000円~30,000円程度の費用がかかることが多いです。

病院によって料金もかなり違ってくるため安く済ませたい場合は、電話で料金を聞いて吟味するのがおすすめです。

 

猫の不妊手術の助成金制度

猫の避妊手術をすることに対して区や自治体から助成金(補助金)を貰える場合があります
大体の助成金は野良猫の繁殖を防ぐためですが、中には飼い猫に対しての手術代金にも助成金が出ることもあります。

飼い主のいる猫に対しての助成金は3,000円~5,000円程度出ることが多いです。
かなり大きな額になりますから調べておいて損はないと思います。
自分の区が助成金を出しているか知りたい場合はこちらを参考にしてみてください。

また区が助成金を出してくれる理由は以下の2つが考えられます。

  1. 殺処分される不幸な猫を減らすため
  2. 野良猫の糞尿被害、鳴き声問題を減らすため

これ以降は当サイト別記事からの引用になります。

殺処分される不幸な猫を減らすため

保健所で殺処分される猫の数は年間約10万匹にも上ります。
殺処分が起こってしまうことにはサイクルがあります。

  1. 野良猫に餌をあげる人が現れる
  2. 野良猫が交尾する
  3. 妊娠、出産(3,4匹ほどの子猫が生まれる)
  4. そういった子猫が保健所に引取られる

こういったサイクルから殺処分される猫が増えてしまうため、区は不妊手術に対して助成金を出しています。

 

野良猫の糞尿被害、鳴き声問題を減らすため

また区や自治体が助成金を出している、もう1つの理由は野良猫被害を出さない為と考えられます。

野良猫が極端に増えてしまうことで、糞や尿、鳴き声の問題が出てしまいます。
そういった問題を出さないためにも去勢・避妊手術に対して助成金を出しています

また不妊手術が住んでいる野良猫は耳を桜のような形にカットされています
こうした猫は地域猫と呼ばれて、ボランティア団体から餌などを与えられています

失敗例と成功例から考える地域猫活動について

 

猫の避妊手術について思うこと

ここからは猫の去勢・避妊手術に対しての個人的な考えを書いているだけなので、興味がない方は読み飛ばしてくださっても大丈夫です。
ただ、不妊手術を受けさせるかどうか迷っている方は一読してみてもいいかもしれません。

当サイト別記事からの引用になります。
記事内は避妊ではなく、去勢になっていますが基本的に言いたいことは同じです。

まず私自身、「飼い猫に対しての去勢手術は基本的に受けさせるべき」だと思っています
どうしてそういった考えに至ったのかを書いていきます。

去勢に対して反対の方は「自然の摂理に反する」、「自分が同じ立場ならどう思うのか」、「生殖能力をなくすのが可哀想」など様々な意見を持っていると思います。
正直どれも当然な意見ですし、共感もできます。

実際猫の生きる目的の1つは子孫繁栄だと思うんです。
そういった生物としての目的を奪われてしまうんですから、去勢とはかなり勝手なものですよね。

一方去勢・避妊手術をするのはなぜでしょうか?
「猫と人が共に暮らしやすくするため」、「欲求不満をなくすため」、「病気にかかりにくくするため」などでしょうか。

「猫と人が共に暮らしやすくするため」言い方は悪いですが、端的に言ってしまうと人と猫が一緒に暮らすのに、発情期は邪魔だからなくしてしまおうという考えなんですよね。

まあそもそも猫を飼うということ自体が、一種人間本位的な行動なのかなとは思います。
それに加えて更に飼いやすくするために去勢をするのですね。

こうしてみるとマイナス意見ばかりで、猫の去勢ってかなり猫にとって酷いことに感じられると思います。

ただ飼う以上、無責任に去勢をしないのも良くないと思うんです。
「去勢はしない。だけど交尾の機会も与えない。」これはこれでかなりキツくないですか。

そうではなく、外飼いして好きに交尾させれば良いんじゃないのかというのは違う気がします。
生まれてきた猫の中には殺処分されてしまう子も出てきてしまうからです。

まあ正直殺処分という行為自体が、人間本位100%の考えに基づいたものなのですが、今はそういった世の中です。

ここまでグダグダ肯定や反対意見を書いてきましたが、私が思うのは「猫があなたの家に引取られて良かったと思えるような一生にできれば良いんじゃないか」ということです。

猫にとって去勢をされても、飼い主さんたちから愛情をたっぷり受けて生きていくのはやはり幸せなことだと思うのです。
これは特別良いキャットフードを与えたり、必要以上に健康に気を使うとかではありません。

自分のできる範囲、無理のない範囲で飼い猫に対して、愛情を注いであげられればそれでいいと思うのです。
そうした生活を送るためにも、去勢をすることを我慢してもらう必要があると考えています。

実際去勢をせず、互いに快適な共同生活を送るのはかなり難しいです。
人目線で見ると発情期の猫は問題行動を起こしますし、猫目線で見ると自由に外に出たり、交尾をすることができないのです。

それでも最終的に去勢をするかどうかは飼い主さんの判断次第になります。
飼い主さんがしっかりと愛猫のことを思ってどうするか決めたなら、去勢するのもしないのもありだと思います

 

まとめ

雌猫に対して避妊をすることで様々なメリットやデメリットがあります。
ただ避妊手術を受けさせるかどうかは飼い主さん次第になります。
愛猫のことをしっかりと考えて、どうするかを決めましょう。

また避妊についてだけでなく、去勢についても詳しく知りたい場合はこちらを参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

島崎 塁(ミツバ)
ペットショップ、ペットホテル、猫カフェで店員をしていました。仕事とプライベートでの飼育経験から得た猫に関する知識を、余すところなく公開していきます。

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