猫の飼い主さんなら、一度は「フレーメン反応」と言う言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
フレーメン反応とは、上記画像のようなポカンとした表情(反応)を猫がすることですね。
ただ、猫がどうしてこのような反応をするのかご存知ですか?
今回は猫がフレーメン反応を起こす理由などを解説していきます。
目次
猫の「フレーメン反応」って何?
フレーメン反応とは、猫の生理現象のひとつです。
まずザックリ解説すると、フェロモンをよりたくさん嗅ぎわけ、受け取ったフェロモンを器官内へ運ぶための反応と言えます。
ではなぜあのような変顔をするのかと言うと、ポカンと口を開け、舌を出すことで、口奥上あたりにある「ヤコブソン器官」と呼ばれる部分に、フェロモンをより多く取り入れようとするためです。
猫ちゃんを飼っている方の中には、下記動画のようなシーンを見たことがある方もいるかと思います。
この猫ちゃんも以下のような流れになっていますね。
- 普通に臭いを嗅いでる
- フレーメン反応
- 再度臭いを嗅ぐ!
一見すると、猫が「くっさー!だけどもう一回嗅ぎたい!」と反応しているように思えます。
しかし実際のところは、
- 臭いを嗅ぐ→フェロモンっぽい臭いがする?
- フェロモンの臭いをより感じ取るため、フレーメン反応
- 再度臭いを嗅ぐ
このような流れになっていることが考えられます。
でも正直な話、見れば見るほど匂いフェチの猫ちゃんにしか見えないですし、とっても面白いですよね!
臭いけどなぜか嗅いじゃうっていうのは、実は多くの方が隠している癖なのかもしれませんね。
だからこそ、フレーメン反応も共感できるような気がしてしまい、面白く感じるのかもしれません。
ちなみに私も、へそに溜まっている汚れを指できれいにしたとき、指の臭いをついつい嗅いでしまいます(笑)
臭いと分かっているんですけど、なんでか嗅いじゃうものなんですよね(・∀・)
どうして猫は足(靴下)の臭いでフレーメン反応を起こすの?
▲私宅のわたげの反応です。
フレーメン反応こそしませんが、着用済みのシャツや靴下に強い反応を示します。
私宅のわたげもそうなのですが、一部の猫ちゃんは人間の靴下や足、シャツなどの臭いを熱心にかぎ取ろうとすることがあります。
中にはそういった匂いを嗅ぐことから、フレーメン反応を起こす子もいます。
なぜ人間の特定の部位の臭いに対して猫が強い興味を示すかと言うと、その部分の臭いが猫のフェロモンに近いものだからだと考えられています。
人間の汗がよく出る部分の近くには、アポクリン線と言う汗腺があります。
猫のフェロモンもアポクリン線の近くの部位から出ているため、人間の汗がよく出る部分(足や脇)などにも、猫のフェロモンに近い臭いが出ていると考えられているのです。
そのため、履いた後の靴下やシャツに対して、猫は強い興味関心を示す傾向にあると考えられているのです。
「あれっ!?この靴下フェロモン出てる?要チェックだ!」といった反応になってることが予想できますね(^^)
野性の猫はどんなシーンでフレーメン反応を起こすの?
室内飼いの猫ちゃんを飼っていると、着用済みの靴下やシャツなどの臭いを嗅いで、フレーメン反応を起こしていることを見ることがあります。
一方、野性の猫ちゃんがどんなシーンでフレーメン反応を起こすことがあるかと言うと、以下のようなシーンになります。
- 他の猫のお尻の臭いを嗅ぐ
- 他の猫の尿の臭いを嗅ぐ
- 自身のお尻や尿の臭いを嗅ぐ
猫の尿やお尻付近には、フェロモンの匂いがかなり含まれています。
そういった部分を嗅ぐことで、相手のフェロモン(情報)を読み取り、結果としてフレーメン反応を起こすことがあるのですね。
フレーメン反応をしない猫もいる?
余談ですが、私宅の愛猫わたげはフレーメン反応を一切しません。
これは単純に、猫にも個体差があるからだと言われています。
つまりフレーメン反応をする猫もいれば、しない猫もいるのですね。
しかし、先ほど動画で挙げたように、わたげの場合はフレーメン反応こそしませんが、かなり強い興味関心を示します。
恐らく同じような猫ちゃんも多いのではないでしょうか?
フレーメン反応はしないけど、着用済みの靴下やシャツに強い興味関心を示す猫ちゃんは、同じような状態(フレーメン反応)になっていることが予想できます。

フレーメン反応は猫以外にもあるの?
フレーメン反応は猫だけの反応ではありません。
哺乳類に起こる反応であり、猫のほかには、牛、馬、羊、虎、ライオン、犬、象、コウモリなど多種多用な生き物でフレーメン反応は確認されています。
一方で、人間にはフレーメン反応は起こりません。
なぜならフレーメン反応を起こす器官である「ヤコブソン器官」が人間の場合は退化しているからです。
私たちは意識してフェロモンを嗅ぎ分けたりできませんよね?
そんなフェロモンの嗅ぎ分けを、猫などの哺乳類動物はできるのです。
▲馬や虎などのフレーメン反応
フレーメン反応はどの動物も特徴的な反応となるため、とても分かりやすいですね!
猫の嗅覚はとっても鋭い?
嗅覚が強い(鼻が良い)動物と言うと、犬を思い浮かべることが多いでしょう。
犬ほどではありませんが、猫もフェロモンを嗅ぎ分けるなど、かなり鼻が良い動物です。
猫の嗅覚が良いのには、大きく以下の3つの理由があります。
- 餌の匂いの嗅ぎ分け
- 縄張りの確認
- 匂いによる挨拶
【餌の匂いの嗅ぎ分け】
自然界で生きている猫は、食べ物が腐っているかどうか?の判断を自身の嗅覚に頼る必要があります。
【縄張りの確認】
猫はフェロモンを含む臭いを縄張りにこすりつけることで、「ここは私の縄張りだ!」と主張します。
人間には分かりませんが、匂いによる縄張りの主張が猫同士ではあるのです。
【匂いによる挨拶】
猫は挨拶をするときに、鼻をくっつけあったり、互いのお尻の匂いを嗅ぎます。
その行為自体が挨拶になりますし、フェロモンを含む匂いを嗅ぐことで、相手の情報も判断することができます。
いわば猫にとっての自己紹介のような行為と言えるのかもしれませんね。
このように、猫にとって嗅覚と言うのは、なくてはならない大切な器官の1つなのです。
そして、その一部分を担っているのが、フレーメン反応を引き起こすヤコブソン器官と言えます。
まとめ
フレーメン反応の秘密を理解できたでしょうか?
簡単にポイントをまとめると、フレーメン反応とは以下のような反応であると言えます。
- フレーメン反応はフェロモンを含む匂いを嗅ぐ時の反応
- ユニークな表情の理由は、上あご奥にある「ヤコブソン器官」という器官により、フェロモンを含む匂いをより多く取り込むため
- フレーメン反応は猫以外にもある
このように、フレーメン反応はあくまでフェロモンを嗅ぐための反応であって、「くっさーい!」と思っての反応ではないことが分かりましたね!