猫と犬、飼い主のことをより愛しているのはどちらか?

猫派と犬派で議論が沸き起こりそうな研究が、アメリカの大学院大学の神経科学者によって行われました。

その研究とは「ネコと犬どちらがより私たち人間を愛しているか?」
何をもって愛とするかだけでも、かなり意見が割れそうなこの研究について、今回は紹介していきます。

 

猫VS犬、飼い主をより愛しているのはどっちだ!?

まずは研究概要を紹介していきます。

猫と犬の飼い主に対する愛情実験

この研究はアメリカ・クレアモント大学院大学の神経科学者ポール・ザック博士が行ったものです。

実験内容は、10匹の猫と10匹の犬が飼い主と遊ぶというものです。
その前後に血液サンプルを採取し、「オキシトシン」というホルモンのレベルを検査されます

オキシトシンについて、ザック博士は次のように説明します。

「愛情を感じた時に分泌される神経伝達物質がオキシトシンです。誰かのことを気にかける時に脳の中に生成され、一般的には哺乳類が子供と親密な絆を結ぶために分泌されます。」

また、オキシトシンとは、幸せホルモンとも呼ばれるもので、私たち人間の場合、美しい景色を見たり、パートナーとスキンシップを行ったりすることなどで、分泌が行われるホルモンです。

人間の場合、知らない人と楽しく交流した場合、15~25%のオキシトシンが分泌されます。
知り合いの場合、25~50%程度。
子供相手やパートナー相手であれば、50%以上になると言います。

つまり、オキシトシンはストレスのない状況で幸せを感じるほど、たくさん分泌されるのですね。

そして、この実験の結果は以下のようなものでした。

  • 犬:平均57.2%のオキシトシンを分泌。
  • 猫:平均12%のオキシトシンを分泌。更に、オキシトシンを分泌した猫自体、半分にとどまった。

犬の結果について、ザック博士は以下のように評します。

「あなたの愛犬はあなたのことをとても深く愛しています。この結果のすごいところは、彼らにとって別種族である我々人間相手であっても、犬がオキシトシンを分泌するという点です。種族を超えて、オキシトシンを分泌するというのは本当に驚嘆すべきことです。オキシトシンが出るということは、彼らの脳が彼ら自身に対して、人間を愛していると伝達していることを意味するのですから。」

一方で、猫は12%の平均、更に、オキシトシンを分泌した猫自体、50%にとどまりました。
この点について、ザック博士は「もしあなたが猫派であっても、悲嘆にくれるべきではない」と述べます。
ザック博士は、猫は犬に比べてより環境になじむ動物(縄張り意識の強い動物)で、社会性も犬に比べると少ないと評価しており、実験が行われた部屋は彼らにとって馴染みがなく、よりストレスを感じやすい状況であったと考えられる。と指摘しています。

実験を自宅で行っていれば、よりオキシトシンは分泌されただろうか?という質問に対して、ザック博士は「そう思います。少なくとも、もう少し多くの猫がオキシトシンを分泌することでしょう。」と話します。

実際、猫は引っ越しなどの環境の変化によって、大きなストレスを感じることが分かっています。
この実験は正に猫から見ると、引越し直後に行われたようなものなので、オキシトシン分泌が低いレベルにとどまったのもやむなしと考えられます。

また、ザック博士は次のようにも話します。
「猫がオキシトシンを分泌したこと自体驚きでした。これは、少なくとも、猫が飼い主と絆を結べることを表しています。

情報出典:HUFFPOST

ちなみに、この実験にはサブストーリーがあります。
ザック博士は犬派の人間です。
彼は数年前に自宅ガレージにいた、白黒の迷い犬「クッキー」を飼っています。

彼は「実験によって、犬が人に対してオキシトシン(愛情ホルモン)を分泌することを知らなかったら、愛犬クッキーを飼っていなかったかもしれない。」と言います。

更に以下のように続けます。
「3年前に始めたこの研究結果を知らなければ、私は子供に見知らぬ動物と遊ばせることはなかったでしょう。でも今は、犬がどれだけ飼い主に対して愛情を感じる動物なのか分かっています。これは、とても素敵なことですよね。」

 

この研究結果に対しての海外ユーザーコメント

上記の研究結果に対して、海外ユーザーたちが色々思うことがあったようなので、いくつか紹介していきます。

「ネコと犬、どちらも愛する人間として、この研究は信頼できないと思います。テストは10匹ずつのサンプルで行われましたが、それだと一匹の比率が大きすぎます。1000匹ずつのサンプルで行われたテストなら信頼するでしょう。」

「私たち猫愛好家は奴隷を必要としません。私たちは美や独立性を大切にします。そして、大声で吠えたりもしないのです。」

「この研究結果こそが、猫を愛する理由なんだ。」

「私のココは私のことを犬のように愛しています。彼は私が帰って来ようとすると、ドアの前で待機しており、ずっと私の脚を舐め続けます。愛はかなり抽象的なものなので、それを測定するのは難しいのではないかな。」

「友達が欲しいなら、犬の方が良いって言うのは本当のようだね。」

「それでも私はやっぱり猫が好きかな。」

全体的にコメント欄には、猫派の意見が多かったように感じられました。

出典:INDEPENDENTTRIBUNE

 

まとめ(私の意見)

私が特に共感できた意見は、「猫は自立性を大切にする。そして、だからこそ私たちは猫を愛するんだ。」というものです。
犬はより社交的なのに対して、猫はより自立的な傾向にありますよね。
そして、猫を飼ってる人は、そういった自立性みたいなものを好ましく思ってる方が多いように感じます。

一方で、中には犬のように私たちのことを愛してくれる猫がいることも、私たちは知っていますね。
実は、私の飼っていたわたげも、そういった猫の一匹でした。
常にスリスリ寄り添ってきて、満足そうに喉を鳴らす。

こんな光景を見てきたからこそ、私にとっては、猫の私たち人間に対する愛情(もしくは猫にとってのそれに似た何か)が少ないんだとは、なかなか想像できないのです。
少なくとも、猫によっては、人間に大きな愛情を持つ子もいることでしょう。

また、最初に紹介した、サンプル数が少なすぎるというコメントも全面的に同意できますね。
サンプル数が10だと、かなり偏った結果になる可能性がありますし、最低でも100は欲しいところですよね。

どちらにせよ、こういった研究は客観的に見て楽しいものなので、もっと増えることを期待しています。

この記事を書いた人

島崎 塁(ミツバ)
ペットショップ、ペットホテル、猫カフェで店員をしていました。仕事とプライベートでの飼育経験から得た猫に関する知識を、余すところなく公開していきます。

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