これから新築を建てようとしてる方の中には、こんな考えをお持ちの方もいると思います。
「せっかくなら飼っている猫も暮らしやすい家がいい!」
それではどんな家が、猫にとって暮らしやすい家なのでしょうか?
今回は猫のための空間とも言える、「猫カフェ」で働く私が、猫と共に暮らす家のポイントを紹介していきます!
目次
はじめに
猫と共に暮らす家を考える際に最も大切なのは、「無理し過ぎないこと」です。
皆さんご存知の通り、猫って自由な生き物です。
私たちが猫のために色々用意したりしても、案外猫には興味が沸かないかもしれません。
逆に私たちが気にもかけない物で、夢中になったりもしますよね。
これこそ猫が「自由」と言われる理由です。
そのため、あまり気張らず「こんなんあったら喜んでくれるかな?(^^)」くらいの気構えで猫のための家づくりを考えましょう。
どんな家が猫に喜ばれるの?
猫が快適に暮らせる環境を考える際に、気にすべき点はいくつかあります。
ここではどんな点に気をつけると、猫にとって快適に暮らしやすくなるのかを紹介していきます。
- 平面的な広さよりも、立体的な広さを
- 段階的なリラックススペースを
- 隠れんぼスペースは多いに越したことはない?
- トイレの置き場所はどこにする?
- 猫用ドアの取り付け
- 防護柵付きのベランダ
- 外を眺めるのはお好き?
平面的な広さよりも、立体的な広さを
photo credit:trilliumonline
猫のための家づくりを考える際に、必要なのが「猫の習性」です。
猫の習性の一つに、平面をただ走るよりも、ジャンプなど上下運動が好きなことが挙げられます。
猫は元々森の中でも暮らしており、木登りやジャンプなど3次元的な動きをしていました。
そのため猫は横に広いスペースよりも、縦にも動ける空間を好むのです。
また肥満対策にも、平面を走れることよりも、上下に動けた方が良いです。
デブ猫ちゃんの場合も、肥満解消目的から、ある程度上下運動ができるような家づくりをすることをおすすめします。
老猫や足が不自由な猫の場合は、それほど立体的な空間にする必要はないでしょう。
それよりも移動がしやすいように、スロープを作ってあげたりということを考える方が良いです。
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段階的なリラックススペースを
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猫によって次のような好みの違いがあります。
- 低所派:低いところが好きな猫(立場が強い猫に多い)
- 高所派:高いところが好きな猫(立場が弱い猫に多い)
猫は一般的に高いところが好きだと思われがちですが、全ての子がそういうわけではありません。
中には低い場所が好きな子もいます。
特に多頭飼いをしている場合、この違いは明確に見えてくると思います。
いつも高いところにいる子もいれば、逆によく低いところにいる子も。
猫の多頭飼いで家づくりを考える場合は、特にどの子もゆっくりとリラックスできるスペースが必要です。
以下のような3つの高さに区切って、それぞれが休めるスペースを作れると良いでしょう。
- 低い場所(例:床の上でOK。猫用ベッドなど)
- そこそこ高い場所(例:机の上、猫用階段、キャットタワーなど)
- 高い場所(例:キャットタワー、ブリッジなど)
このように、3つの高さが異なるスペースを用意することで、どんな猫にとっても暮らしやすい環境になります。
スラっとしたスタイルの良い猫は、高所派の子が多いです。
品種で例えると、ベンガルやシャム、シンガプーラなどがこれに当たります。
一方、体が大きい子に低所派が多いかというと、必ずしもそうではありません。
猫カフェでも、高所が好きな大型猫はいます。
隠れんぼスペースは大いに越したことはない?
猫は身を隠せるスペースが大好きです。
猫を飼っている方ならわかると思いますが、段ボール箱の中や、物陰、椅子の下など、少し薄暗くて狭い場所を気に入る子は多いものです。
そういった場所が多いのは、猫にとって嬉しいことです。
ただ猫は自身でこういったスペースを見つけるので、それほど気にしすぎる必要もないでしょう。
とは言え殺風景な部屋だと、猫にとって身を隠すことができず、ストレスが溜まってしまうこともあるので、ある程度隠れられるスペースがあると、猫としては嬉しいでしょう。
もちろんそういったスペースが多すぎて掃除しにくくなるのも、人にとって暮らしにくくなってしまうので、どのくらいのバランスにするかが悩みどころですね。
トイレの置き場所はどこにする?
猫のトイレの置き場所は、なかなか悩ましい問題ですよね。
猫は決められたトイレで用を足してくれるため、トイレのしつけを考える必要はそれほどありません。
ただやはり猫のトイレはそれなりに臭います。
そのため置き場所が難しいのですが、私のおすすめとしては以下の場所になります。
- 洗面所
- 人用トイレの中
- 人通りの少ない廊下
「換気がしやすく、人通りが少ない静かな場所」という点を考えると、上記の場所がおすすめです。
廊下にトイレを置く場合は、消臭剤や換気扇を取り付けてみても良いかもしれませんね。
また猫用トイレを置く場所は、少し広めに作ると快適になるでしょう。
猫用ドアの取り付け
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猫が移動しやすい家というポイントを考えると、猫用ドアが選択肢に挙がります。
※もちろん扉を開けっ放しにしておけば、移動はできますが、エアコンなどが使いずらくなります。
私の考えとしては、「猫が行き来できる部屋」と「そうでない部屋」を決める必要があると思っています。
場合によっては、猫に邪魔されず、何かに集中したい時もありますよね?
そういった時に備えて、猫が自由に行き来できない部屋があっても良いでしょう。
行き来できる部屋としては、リビング・廊下・猫用トイレがある場所など。
そうでない部屋は、書斎や寝室などでしょうか?
このように自由に行き来できる部屋とそうでない部屋を分けることで、猫と人、両者にとって暮らしやすいお家となるでしょう。
中には引き戸なども開けてしまう猫もいるので、そういった場合はこちらから対策を参考にしてみてください。
防護柵つきのベランダ
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現在は室内飼いが一般的ですが、やはり猫に外の空気は味あわせてあげたいですよね。
そこでおすすめなのがベランダなのですが、猫は意外と2階建てのベランダから落ちて怪我してしまったり、脱走してしまうことがあります。
そのため防護策を付けたベランダがあれば、落下や脱走の心配なく、外の空気を吸わせてあげることができます。
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外を眺めるのはお好き?
ほとんどの家猫は外の景色を見るのが好きです。
そこでおすすめなのが、猫が楽しめるよう窓を多めに設置することです。
例えばキャットタワーのくつろぎスペースから、外を見れるように窓を取り付けても良いですし、低いところが好きな子を飼っているなら、地窓を作って景色を堪能させてあげても良いかもしれません。
窓から日が差して、日向ぼっこができると尚良しですね。
ただ家猫は外に野良猫がいると、それだけでかなりストレスを感じます。
そういった場合に備えて、猫が安心できるように必ずカーテンは取り付けておきましょう。
また窓を開けて換気するために、網戸を着けておくことをおすすめします。
網戸の素材は猫のひっかきに強いものを選びましょう。
最近では窓に直接取り付けるタイプのハンモックもあります。
気になる方はこちらをチェックしてみてください。
気をつけた方が良いポイントは?
ここまでは猫と暮らす家づくりを考えた際に、「こんなものがあると良いですよ。」というものを中心に紹介してきました。
ここからは反対に、「こんなものは置かない方が良い」というポイントを紹介していきます。
- 家の造りの一部をトンネルにすること
- 観葉植物は種類を確かめる
- 猫にいたずらされそうなもの一覧
家の造りの一部をトンネルにすること
photo credit:becausewecan
猫だけが出入りできる、トンネル式のキャットウォーク。
なんだか素敵だしオシャレですよね。
ただ正直なところ、なかなか大変な点もあります。
例えばキャットトンネルの中で猫が粗相をしてしまったり、汚れてしまった場合に、とても掃除がしずらいです。
もちろん市販のトンネルであれば問題ないですが、家の構造自体をトンネル化してしまうと、いざ掃除するときにかなり大変です。
観葉植物は種類を確かめる
植物は種類にもよりますが、猫が食べると毒になるものがあります。
家に観葉植物を置く際は、猫に問題がないか必ず確かめるようにしましょう。
代表的な植物では、ユリ科の植物は猫が口にすると死に至ることもあり、本当に危険です。
猫にいたずらされそうなもの一覧
家のレイアウトなどを考えた際に、なるべく避けた方が良いのは以下になります。
- ふすま
- 障子
- 紙や木の格子が付いている間接照明
- 低い電球
- 高いところに小物を置くこと
ふすまや障子は猫によってはボロボロにされてしまいます。
同じように、紙や薄い木を基にした間接照明も猫にボロボロにされる危険性は高いです。
あとはユラユラしているタイプの電灯も最近はよく見かけますが、これも同様に危険です。
最後に猫を飼っている方の中ではあるあるですが、高いところに小物を置くのは、猫に対して「落としていいよ!」と言っているようなものですね(^^)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介できたのはほんの一部ですが、猫と人双方が暮らしやすい家となったら嬉しいものです。
ただ何より大切なのは、家の造りよりも、飼い主さんが猫と一緒に遊ぶ時間をたっぷり取るように意識することです。