
この記事は、「猫じゃらし」の詳しい活動内容を知りたい方や保護猫の里親になりたい方、ボランティア活動をしてみたい方に知っていただきたい内容が満載です!
ご紹介記事では掲載しきれなかった発足の経緯や活動への想い、この記事を読んでいるみなさんに伝えたいことなど詳しく掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
「猫じゃらし」発足の経緯について

猫じゃらしさんが発足したのはいつ頃ですか?

2017年です。

発足のきっかけを教えてください。

「猫じゃらし」というグループ名をつけたきっかけは、譲渡会です。
譲渡会を開くんだったら、会として名前があった方が良いんじゃない?ぐらいの軽い気持ちだったのですが、名前がついたことで多くの方に親しまれるようになり、点と点だった活動が線へ、そして大きな円を描けるようになったのはとても嬉しいですし、ありがたいですね。

ホームページのスタッフ紹介には代表含め8名の方が掲載されていますが、猫じゃらし協力員の方も含めると、だいたい何名ほどの方と一緒に活動しているんですか?

16名ですね。
猫じゃらし会員が8名、猫じゃらし協力員が8名です。

メンバーの皆さんは倉吉市在住の方ばかりでしょうか。

メンバーは倉吉市や東伯郡など、鳥取県中部に住んでいます。

メンバーの皆さんは、発足前から個人でTNRや保護・譲渡・預かりなどをしていたそうですが、グループで活動するメリットは何でしょうか。

猫を保護するには、まず勇気と決断力が必要です。
一人では勇気が出ないことも迷うことも多々ありますが、メンバーがいると相談しながらできますよね。グループで活動するようになって、猫の保護頭数は増えましたが、その分多くの命を繋げることができました。
また、保護した後、誰がお世話するのかなどを話し合いの中で決定できるので、自分が手一杯でダメな時でも、誰かがお世話してくれるという安心感も生まれました。

持ちつ持たれつ、良い関係で活動を続けられているんですね!
猫じゃらしさんの活動内容については、ホームページ内「猫じゃらし」の活動内容ページもぜひご覧ください!
活動実績について

Instagramに「2021年度に猫じゃらしが関わったTNRの頭数が499頭でした‼」とありますが、2021年度に保護した頭数と譲渡した頭数も教えてください。
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はい。保護頭数は118頭で、そのうち卒業したのが101頭です。
健康状態が悪い猫を救出することが多いので、保護した118頭のうち11頭は、残念ながら虹の橋へ行ってしまいました。

外の暮らしは私たちが思っている以上に過酷なんでしょうね。
TNR活動を続けることで、地域住民の反応に変化はありましたか?

そうですね。ある現場では、餌やりさんと猫嫌いの方の直接的な関係性はなかなか改善することはないのですが、猫が年々減っていくということにより、餌やりさんを攻撃する材料が一つなくなったという状態です。
また、複数の現場では猫が少なくなると共に、今いる地域猫を適正な方法で給餌し、トイレも設置しているので、苦情がなくなりました。
たまに相談という形で、その地域のボランティアに、新しい流入猫情報や野良猫の健康状態についての相談などがくる程度ですね。

猫嫌いな方こそ、TNRについての知識や理解を深めてほしいですよね。
猫を取り巻く現状や、猫と人との幸せのために懸命に活動を続けているボランティアの方々のことを、もっと多くの若い人に知ってもらうために必要なことは何だとお考えでしょうか。

現在はTNRがある程度広まり、「殺処分反対!」という状況になっています。
ただ、それまではどれだけ多くの先輩たちが抗議しても、要望をしても何をしても、動物を取り巻く状況は改善されず、行政施策として殺処分頭数は多いままでした。
無力感と戦いながら、やれることをやってこられた全国の動物愛護活動家の先輩たちに、私自身、まずは敬意を表したいです。
政治を動かし、法を整備して、民主主義国家として動物たちのあるべき姿を現実のものにしていくために、若い方々には選挙への投票も含む政治参加をお願いしたいですね。
また、大きなうねりを起こしていくには、歴史や現実を知らなければならないと思っています。少しの悲惨な事実をお話させていただくと、鳥取県中部では20年くらい前まで『不要な犬や猫の回収』をしていたんです。

『不要な犬や猫の回収』…ですか?

そうです。田舎の家々には有線放送スピーカーがついており、町の放送で「本日は不要な犬や猫の回収日です。不要な犬や猫がありましたら、出してください。」と流れていました。
そして、大きな檻の車がやってきて、隣近所の犬がどんどん詰め込まれて行くんです。
当時私は3歳ごろだったのですが、その光景が今も目に焼き付いていて離れません。幼いながらも犬たちがこの先どうなるのかを察知した私は、母に「ワンワンはどこに行っちゃうの?」と泣きながら聞きました。母は「大丈夫。死んじゃうけど苦しくないんだから。」と答えました。
このようなことが20年くらい前までおこなわれていたなんて、考えるだけでも恐ろしいですよね。

不要な命なんて一つもないはずなのに…。
それにしても、3歳の記憶がそんな鮮明に残っているってすごいですね。

そうですね。私は0歳の時からの記憶があるのですがここまで記憶のいい人間はあまりいないみたいですね。
私は小さい頃から動物に囲まれて暮らしていましたが、終生飼養できた子は一匹もいません。昔は猫の外飼いはよくあることでしたし、動物の命は軽視されがちでしたので、飼っていた猫が自宅の前で事故に遭って亡くなったり、私が保育園や学校に行っている間に両親がどこかへ捨ててしまっていなくなっていたりしたこともあります。
その子たちへの償いの気持ちと、人間によって引き起こされた問題を人間の手で解決したいという想いが活動の原動力になっています。
動物を大切にする気持ちも人によってさまざまだろうとは思いますが、その中でもなるべく多くの方に賛同を得られる方法や、動物に苦痛を与えない方法を選択しながら、一人一人が自分自身の活動を進めて行っていただきたいです。まずは自分のまわり半径50mのTNRを始めていただきたいですね。
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保護猫の譲渡について

続いて保護猫の譲渡についてお伺いしたいのですが、保護猫の譲渡可能地域は決まっていますか?

私たちが活動の拠点としている倉吉市は鳥取県中部ですので、鳥取県中部から車で1時間半くらいまでの地域とさせていただいています。
里親希望さんの住所をお伺いして、「ちょっと遠いな…」と感じる際はお断りすることもありますが、譲渡可能地域については要相談ということにしています。

譲渡の際、特に重要視する項目や理想の里親さんについて教えてください。

終生飼養はもちろん、脱走防止対策を徹底してくださる方、私たちと信頼関係を築ける方、譲渡後も保護猫の様子をきちんとご連絡くださる方だと安心ですね。

猫じゃらしさんは、毎月2回譲渡会を開催されているようですが、だいたい何組何名ほどの方が来場されますか?

多くて20組40名くらいの方にご来場いただいています。

保護猫に合ったずっとのお家を見つけるために、心がけていることがあれば教えてください。

「この方になら、お任せできる。」という気持ちになる方に譲渡しています。
自分になりかわって保護猫の親になってくださる方、正直な方、信頼できる方、猫の元親・現里親という関係を気持ちよく構築できる方ということになります。
1頭の猫に対して複数のお申し込みがあった場合は、特に問題なさそうであれば最初にお問い合わせくださった方と話を進めますが、お話をお聞きしながら、家族構成と猫の性格との相性や信頼できるかどうかをきちんと確認しています。
例えば、ご家庭に元気で活発な小さなお子さんのおられる場合は、臆病な猫をご希望されても安心してお任せすることができないので、残念ですがお断りします。お子さんが小さくても、お子さんをしっかりと制しながら、猫の触り方や扱い方をお子さんに伝えられる親御さんだと確信したら、小さなお子さんのいるご家庭でもお任せすることもあります。
他の団体さんもそうだと思いますが、すべて『信頼関係』が譲渡の第一の基本となります。

保護主さんにとっては、譲渡後も大切な子であることに変わりないですからね!
それでは、里親を検討されている方や譲渡会に行ってみたい方に向けてメッセージをお願いします。

保護猫を家族として迎え入れませんか?
お気軽にお問い合わせください。

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ボランティア募集について

現在、預かりさんや活動ボランティアさんの募集をしていますが、特に人手が足りない活動はありますか?

保護猫の預かり、病院への搬送、譲渡会のお手伝いをしてくださる方を募集しています。
ぜひお気軽にお問い合せくだされば嬉しいです。

猫を飼ったことがある方、車をお持ちの方など、ボランティアをするための条件はありますか?

特に条件等はありません。お問い合わせ後は、面談にて具体的なお手伝いの内容などをご説明いたします。

どのような方にボランティアさんになってほしいですか?

やってみたいという方であれば、どなたでも大丈夫です。一度やってみて、続けられそうなら続けていただいて、無理そうだなと思ったらやめればいいと思っています。
とにかく体験していただいて、自分に合った動物愛護活動を見つけて、取り組んでみられたらいいのではないかと思います。

問い合わせは、ホームページのお問合せフォームからでいいですか?また、メッセージ欄に記載してほしいことがあれば教えてください。

はい、お問合せフォームからお願いします。
メッセージ欄には、住所と可能であれば電話番号の記載もお願いできたらと思います。
メールアドレスのみですと、場合によっては数日ほど返信に時間がかかってしまうこともあるので、ご了承いただければと思います。

鳥取県中部にお住まいの方で「猫のため、地域のために自分にできることはないか」と考えている方は、猫じゃらしさんと一緒にボランティア活動をしてみてはいかがでしょうか。
「猫じゃらし」への支援について

直近で特に必要な支援や足りない物資はありますか?

そうですね。ご寄付、TNR用のキャットフード、人手があると大変助かります。



引用:支援のお願い
猫の保護依頼について

ホームページの「活動内容」ページに、猫の保護や引き取りに関することが詳細に記載されていますが、それでも丸投げの依頼はありますか?

引用:「猫じゃらし」の活動内容

ありますね。そもそも、そのページを読んでおられない方もいるので、文句を言われることもあります。
私たちはあくまでもボランティアですので文句を言われる筋合いはないと思うのですが、ボランティアは無償で黒子に徹して黙々と言われたことを何でもするというイメージなのでしょうね。
当会だけでなく、ボランティア団体にご連絡をされる際は、「自分にできないことを人に頼む」とはどういうことなのかを理解した上で、ご相談いただきたいです。

それは困りますね。
問い合わせへの対応はどうしているんですか?

特に保護に関しては、こちらも知ってしまったからには放っておけないという気持ちもあるので、期待はしていませんが「少しでも良いので、ご寄付をしてくださいませんか?」とお願いした上で、猫を引き取ることもあります。

引用:「猫じゃらし」の活動内容

保護依頼をする方に向けて、改めてメッセージがあればお願いします。

猫を保護するにはお金がかかります。保護するとは、外で無責任に餌をあげるだけとは違います。
保護した日から「この子の親になる」というぐらいの覚悟で、日々お世話をして医療にかけ、譲渡できる体調に持っていき、そこからやっと「ずっとのおうち」を探してあげられる状態となるわけです。
「ずっとのおうち」が決まらない場合は、何年も手元で暮らすことになります。
「保護してほしい」とは、それだけのことを他人に任せるということです。どうかご理解くださいますようお願いしたいです。
全国のボランティアさんたちの尽力で、野良猫の数は年々減っていますが、この世にはまだまだ数えきれないほどの野良猫が生息しています。
その全てを受け入れる収容所はありませんし、また数えきれないほどの頭数をお世話できる人員を配置することも不可能です。
まずは地域のTNRにご理解・ご協力をお願いします。

「自分には何もできないから、できる人に託す」のではなく、「できる人にアドバイスをもらいながら、自分で行動する」姿勢が大切なのではないでしょうか。
また、猫のお世話をしている地域だからといって猫を捨てたり置いて行ったりするのは絶対にやめてください。
動物の遺棄は犯罪です。
迷子猫に関する問い合わせについて

迷子猫を探している飼い主さんからの問い合わせはありますか?

はい、あります。

問い合わせがあった場合、どのような対応をされていますか?

捜索のアドバイスはしますし、できる限りの協力もしますが、きつく注意もいたします。
というのが、猫が脱走する原因のすべては人間の不注意によるものだからです。「猫に代わってお仕置きよ!」ではないですが、そのような気持ちで注意を申し上げております。
そもそも、猫を家の中と外で自由に行き来して飼っている方は論外ですよね。運良く帰ってきたら、「二度と外へ出さない飼い方にしてください」と伝えています。
きちんと室内飼養している猫が脱走した場合には、捕獲器を貸し出すこともあります。ただ正直言って、捕獲器を貸し出しても、飼い主さんの本気度によって結果が全く違ってきます。
捕獲器におびき寄せるなら、餌の匂いを漂わせることが必要なのに、隣近所の知らない方の敷地に餌を置く場合など、交渉をためらう方もいます。
置かせてもらうなら菓子折りの一つでも持参して、事情を話して、自分は飼い猫をどうしても見つけたいという熱意を見せないといけないと思います。捜索の様子で猫を我が子同然に思って大切にしているかどうかが見て取れますね。
その方に代わって私たちが熱心に探すこともありますが、飼い主さんの熱意が伝わらなければ、私たちもそこまで動けないですし、その熱意は不思議と猫に伝わります。猫が帰ってくるか来ないかは、飼い主さんの熱意にかかっているようにも思います。探すにも勇気が必要なのです。

猫は飼い主さんが探し出してくれるのを待っています。
決して諦めず、熱意を持って探し続けてほしいと思います。
「猫じゃらし」の今後について

最後に、今後の活動についての抱負や目標があれば教えてください。

現時点では、あまり大きなことはできませんが、地域住民だけでなく日本国民みんながTNRやTNAを知ってほしいです。

TNRは
- Trap(トラップ)…捕まえる
- Neuter(ニューター)…手術する
- Return(リターン)…元の場所に戻す
で、TNAは
- Trap(トラップ)…捕まえる
- Neuter(ニューター)…手術する
- Adopt(アダプト)…譲渡する
ですよね。

はい、そうです。
野良猫を全て捕獲して不妊去勢手術するのは不可能ではありません。実際に、私の町は330世帯の人々が住んでいるのですが、TNRは完璧に完了し、現在は流入猫の管理をする程度です。
当会のスタッフが住んでいる町のいくつかも同じように野良猫は徐々に減っています。そのような小さなコミュニティ単位でTNRが広がれば、不幸な猫は減っていくと信じています。

猫じゃらしさん、貴重なお話をありがとうございました!
インタビューを終えて

一人一人の声は小さいかもしれませんが、たくさん集まれば大きなうねりになります。
保護猫の里親になることだけが動物愛護ではありません。
猫と人がより良く生きていくために、私たちにできることはまだまだあるはずです。
鳥取県中部にお住まいの方、今回の記事を読んで猫じゃらしさんを応援したいと思った方は、ぜひ継続的なご支援をお願いします。
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今回は鳥取県倉吉市のボランティアグループ「猫じゃらし」さんにお話を伺いました!
鳥取県中部で20年ほど前までおこなわれていた悲惨な現実。
みなさんはどのように受け止め、何を感じるでしょうか。