【インタビュー】猫の殺処分を減らし、”命に優しい街づくり”を目指すボランティア団体「NPO法人えんねこ」

ねこわら君

今回は愛知県豊田市のボランティア団体「NPO法人えんねこ」さんにお話を伺いました!

発足してもうすぐ7年。
当初に比べ多様化してきた人と猫との問題を解決するために、高齢者と飼い猫が一緒に暮らせる施設や、譲渡までの間、猫たちが安心して過ごせるシェルターの開設を目指しています。

この記事は、「NPO法人えんねこ」の詳しい活動内容を知りたい方、保護猫の里親になりたい方、猫に関わるボランティア活動をしてみたい方に知っていただきたい内容が満載です!

ご紹介記事では掲載しきれなかった発足の経緯や活動への想い・この記事を読んでいるみなさんに伝えたいことなど詳しく掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください!

愛知県豊田市のボランティア団体「NPO法人えんねこ」の活動内容をご紹介します!

「NPO法人えんねこ」発足の経緯について

ねこわら君

NPO法人えんねこさんは、いつから活動されているのですか?

NPO法人えんねこさん

2015年4月1日に発足し、同年8月14日に愛知県に認証されました

ねこわら君

発足してもうすぐ7年になるんですね。

発足のきっかけを教えてください。

NPO法人えんねこさん

はい。

もともと猫の殺処分を減らしたい思いがあったのですが、個人の提案では愛知県や豊田市に聞き入れてもらえませんでした。

そのため、自治体に猫の現状について改善を求めることができなかったのです。

提言ができる立場に立てるようになるには、自治体の協力団体になる必要があると考えたため、NPO法人を立ち上げました。

ねこわら君

そうだったんですね。

法人化する前もTNRや保護・譲渡などの活動をされていたのでしょうか。

NPO法人えんねこさん

はい。
個人でできる範囲で活動していました。

ねこわら君

NPO法人えんねこさんで活動されている方は現在何名ですか?

NPO法人えんねこさん

現在は10名で活動しています。

ねこわら君

メンバーの方々はどのようにして集まったのでしょうか。

NPO法人えんねこさん

もともと地域猫活動をしていた方やボランティア希望の方、里親さんがそのままメンバーとして活動しているケースもあります。

豊田市及び愛知県の動物愛護センターのサポート事業について

ねこわら君

NPO法人えんねこさんは、豊田市と愛知県それぞれの動物愛護センターのサポートもされていますよね?

このサポート事業は発足当時からされているのですか?

NPO法人えんねこさん

はい。
収容後すぐ殺処分されていた子猫たちの殺処分率を下げるため、サポート事業を始めました。

豊田市動物愛護センターのサポート事業は2015年4月から、愛知県動物愛護センター(本所) のサポート事業は2017年4月からしています。

ねこわら君

SNSでは、それぞれの動物愛護センターの譲渡会についてお知らせしたり、人馴れのために猫を預かったりしている投稿がよく見られますが、他にサポートされていることがあれば教えてください。

NPO法人えんねこさん

はい。それぞれの動物愛護センターのサポート事業は下記のとおりです。

【豊田市動物愛護センター】
➀市の地域猫活動支援事業
・普及促進のサポート
・地域猫活動支援事業申請自治区のサポート
➁収容された猫
・重篤な状態の子猫の預かり
・生後間もない仔猫の預かり
・人馴れできていない子猫及び成猫の預かり
➂SNS発信
・イベント情報発信
・ミルクボランティア講習会などの情報発信

【愛知県動物愛護センター】
➀収容された猫
・重篤な状態の子猫の預かり
・生後間もない仔猫の預かり
・人馴れできていない子猫及び成猫の預かり
➁SNS発信
・イベント情報発信
・ミルクボランティア講習会などの情報発信

ねこわら君

ありがとうございます!

NPO法人えんねこさんの活動についてはホームページ内Q&A-えんねこってなに?もご覧ください!

保護猫の譲渡について

ねこわら君

続いて、保護猫の譲渡についてお伺いしたいのですが、譲渡可能地域は決まっていますか?

NPO法人えんねこさん

コロナ禍のため、現在は愛知県内のみ譲渡を行っています。

ねこわら君

譲渡条件の中で特に重要視する項目や、保護猫たちにどんな家庭で暮らしてほしいかなどの希望はありますか?

NPO法人えんねこさん

譲渡条件全てが重要だと考えていますので、どれか1つを選ぶことはできません。

保護猫たちも私たち人間と同じで十猫十色ですので、家族の一員として大切にしてくれるご家庭で、その子の性格に合った暮らしをしてくだされば嬉しいです。

ねこわら君

ありがとうございます。
NPO法人えんねこさんの譲渡条件についてはこちらからご覧いただけます。

また、NPO法人えんねこさんは毎月1回譲渡会と相談会を開催しています。

今後の日程については、ホームページのイベント情報ブログFacebookInstagramTwitterからご確認ください!

ボランティア募集について

ねこわら君

現在、ボランティアさんの募集はしていますか?

NPO法人えんねこさん

はい、現在は地域猫活動ボランティアのみですが、募集しています。

私たちは豊田市で活動していますので、ボランティアさんも豊田市在住の方のみの募集になります。

ねこわら君

活動する日や時間帯は決まっていますか?

NPO法人えんねこさん

手術のための見回り・搬送は、豊田市動物愛護センターの手術日(隔週木曜日) の前後の曜日の9時~17時の間にしています。

調査は、土日の午後に行うことが多いですね。

ねこわら君

見回りやTNR活動を続けるなかで、地域の方々の反応の変化はありましたか?

NPO法人えんねこさん

私たちが活動を始めた当初は、地域猫活動の意義と効果についてなかなか理解を得られませんでした。

ただ、活動を続けて行くうちに、地域猫活動の成果を実感してくださる方が増え、サポートした地域の方の中には意識の変化もみられるようになりました。
また、地域猫活動を広めてくださる方も出てきました。

今では野良猫が増える前に対応しようと考えてくれる方からの相談も増えてきています。

ねこわら君

それは嬉しいですね!

それでは、ボランティアをしてみたい方にメッセージをお願いします。

NPO法人えんねこさん

調査は必ず2名一組で行います。

はじめはTNRや地域猫活動への理解を深めていただくことが大切だと考えています。

慣れてきたらできることを一つずつしていってもらえるようにレクチャーします。

TNRや地域猫活動がどのようなものかを知りたいと思う方は、ぜひご参加ください。

ねこわら君

ありがとうございます!

ボランティア募集についての詳細はこちらからご覧ください!

豊田市在住の方で野良猫が気になる方、自分にできることはないかと考えている方は、NPO法人えんねこさんと一緒に活動してみてはいかがでしょうか。

「NPO法人えんねこ」への支援について

ねこわら君

直近で特に必要な支援や足りない物資はありますか?

NPO法人えんねこさん

私たちの活動を応援したいと思ってくださった方には、ぜひ支援金の寄付をお願いしたいです。

迅速に対応しなければならない緊急案件もありますので、ご寄付はとても助かります。

もちろん、物資でのご支援や活動のお手伝いのお申し出もとてもありがたいです。

ねこわら君

NPO法人えんねこさんへの支援金の寄付についてはこちらからご覧いただけます。

ぜひ継続的なご支援をお願いします!

猫の保護や引き取りに関する問い合わせについて

ねこわら君

野良猫を見つけた、保護したが飼えなくて困っている方からの相談はありますか?

NPO法人えんねこさん

活動を始めたばかりの頃はよくありましたが、最近は少なくなりました。

ねこわら君

そのような相談があった場合、どのように対応されていますか?

NPO法人えんねこさん

まずは相談者さんご自身が何を出来るかをお聞きしています。
そして私たちがサポートできることはさせていただく形を取っています。

ねこわら君

猫のお世話をしている地域だからといって猫を捨てたり置いて行ったりするのは絶対にやめてください。
動物の遺棄は犯罪です。

また、「〇〇に猫がいるからよろしく」などの丸投げの依頼もやめましょう。

迷子猫に関する問い合わせについて

ねこわら君

迷子猫を探している飼い主さんからの問い合わせはありますか?

また、そのような問い合わせの対応はどのようにしていますか?

NPO法人えんねこさん

問い合わせは時々あります。

まずは飼い主さん自身で自治体と警察への届出等を行っていただき、ご希望であれば私たちが保護方法のアドバイスやSNSでの発信もお手伝いしています。

捕獲のサポートについては豊田市内に限らせていただいています。

ねこわら君

猫は飼い主さんが探し出してくれるのを待っています。
決して諦めず、探し続けてほしいと思います。

愛知県豊田市の飼い主のいない猫に関する助成制度について

ねこわら君

豊田市の飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術への助成について教えてください。

NPO法人えんねこさん

豊田市では事前に申請・支援の決定を受けていれば、個人やグループに関わらず、飼い主のいない猫の不妊去勢手術を無料で実施してもらえます。

ねこわら君

無料で受けられるのはすごいですね!

NPO法人えんねこさん

はい。
申請にはエサ・トイレの場所を決めて自治区長による活動の承認をもらうことが必要になります。

ねこわら君

そうなんですね。

自治区長さんの承認って、個人でお話するよりもグループでお話したほうが取りやすいイメージがあるのですが、その辺りはどうなのでしょうか。

NPO法人えんねこさん

自治区長さんにもよりますが、個人よりもグループの方が許可が取りやすいというようなことはないと思います。

自治区の住民の方が地域の問題解決のために行う活動なので、ほとんどの場合、承認していただけていると思います。

実際、個人で許可を取って申請している方もたくさんいらっしゃいます。

ただ、多くの場合、申請する住民の方が個人的に行う活動となり、地域の活動として発展していかないことが多いです。

そのため、自治区・地域全体の根本的な問題解決に繋がっていない場所があったり、活動地域の方々が正しく地域猫活動を理解していないこともあります。

また、申請するための要件などが個人で行うには負担が大きく、活動することに躊躇する方もいらっしゃると思います。

こういった問題を解決するためにも、ぜひ、ご相談いただければと思います。

地域の問題解決法として、自治区長さんはじめ地域住民の方々一軒一軒に、地域猫活動の意味を説明し、地域問題解決のためにご協力いただけるようにお話しします。

そして、活動開始から活動が自走できるようになるまで、サポートします。

ねこわら君

豊田市の飼い主のいない猫の不妊去勢手術への助成については、豊田市のホームページをご覧ください!

「NPO法人えんねこ」の今後について

ねこわら君

最後に、今後の活動についての抱負や目標があれば教えてください。

NPO法人えんねこさん

はい。

人と猫を取り巻く問題は、私たちが活動を始めた当初から考えるとさらに多岐にわたってきていると感じています。

野良猫問題だけではなく多頭飼育や高齢の方の飼育放棄など、飼い猫がセンターへ持ち込まれる問題が増えてきています。

成猫は子猫に比べると譲渡されにくいため、殺処分の対象になりかねません。

上記もふまえ、猫たちが譲渡まで安全に安心して生活できるよう、シェルターを作りたいと考えています。

また、高齢の方が飼い猫を泣く泣く手放し施設に入られる方が多くなってきたので、飼い猫と一緒に入ることができる施設を作りたいと考えています。

ねこわら君

一匹でも多くの猫たちが、最期の時まで幸せに暮らせるといいですよね。

NPO法人えんねこさん

はい。

ただ、私たちだけでは実現が難しいのも現実です。
今回、この記事を見ていただいて多頭飼育や飼い主の高齢化によって起きる問題を重要な社会問題として捉え、解決したいとお力添えしてくださる企業様や事業主様がいらっしゃいましたら、ご連絡いただけると嬉しいです。

ねこわら君

協力企業募集の詳細については、こちらからご覧いただけます!

NPO法人えんねこさん

また、飼い主のいない猫の問題は『保護活動→譲渡』だけでは根本的解決にはなりません。

私たちや他の地域で活動するボランティア団体が、すべての野良猫を保護することは現実的に不可能です。

そのためにも保護猫を供給することになってしまう野良猫のTNR活動・地域猫活動を並行して行う必要があります。

蛇口を締めなければ、いずれあふれてしまいます。

子猫がそこにいるということは、その親猫も必ず近くにいます。
哀しい運命をたどる命をこれ以上新たに産みださないために、ただ保護活動を行うだけでなく、TNR活動・地域猫活動も行ってほしいと思います。

みなさんのすぐ近くに今も必死で生きている小さな命があります。
そして、その小さな命と支えあって暮らしている人がいます。

人も小さな命たちも、豊かに穏やかに暮らすことができる地域づくりのために、できない理由を並べるのではなく、できる事がないかをみんなで考えていけたら素敵ですね。

ねこわら君

NPO法人えんねこさん、貴重なお話をありがとうございました!

インタビューを終えて

ねこわら君

NPO法人えんねこさんが目指す「命に優しい街づくり」には、地域住民一人一人の理解や協力・支援が欠かせません。

仕事や家庭で忙しい方も、一度ご自身の住んでいる地域に目を向けて、猫のために何かできることはないか考えてみてはいかがでしょうか。

豊田市や近隣にお住いの方、今回の記事を読んでNPO法人えんねこさんを応援したいと思った方は、ぜひ継続的なご支援をお願いします。

NPO法人えんねこさんのホームページ・SNS、支援先や問い合わせ先一覧は下記をご覧ください!

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この記事を書いた人

築山 優希愛玩動物飼養管理士2級 動物介護士 ペット看護士
奈良県で、小学生の娘と5歳になる保護猫(茶トラの女の子)を育てています。 動物好きの娘を犬や猫と触れ合える場所に何度も連れていくうちに、自身の猫に対する苦手意識を克服し、猫を飼いたい!とまで思うようになりました。 その直後に現在の愛猫を自宅近くで保護し、一緒に暮らすように。 猫に長生きしてもらいたい一心で取得した資格を活かし、読みやすい記事をお届けしたいと思います。

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