よく「犬は人につき、猫は場所につく」と言います。
なるほど確かに犬の人に対する反応と、猫の人に対する反応を見てみると、犬の反応の方がより大きく分かりやすいものですよね。
そんな犬ほど懐かないと考えられがちな猫ですが、猫はどのように飼い主さんを認識しているのでしょうか。
今回はそんなちょっとした疑問を、実験報告などを交えながら紹介していこうと思います!
目次
猫は人を認識している!
結論からですが、猫は人を認識しています。
猫を飼ってる方には、「何を当たり前のことを。」となるかもしれませんが、実際に具体例や研究報告を交えながらその根拠を紹介していこうと思います。
まずは一つの研究報告を紹介します。
このように、猫が飼い主さんを認識できていること自体には疑いようがありません。
それでは猫はどのような観点から、飼い主を認識しているのでしょうか?
猫は人の顔だけでは見分けられない?
多くの専門家は「猫は人の顔を認識していない」と、主張しています。
猫が人の顔で飼い主のことを認識しているのかを調べた、一つの調査報告があるため見ていきましょう。
この実験の結果からも分かるように、犬と比べて猫は人の顔それ単体で飼い主さんを判断することは出来ないようです。
どうして犬と猫で人の顔に対しての認識にばらつきがあるかと言うと、いくつかの説があります。
一説では、古くから牧羊犬などで活躍してきた犬は、人の表情をより詳しく読み取れる必要があったため、より進化したと言われています。
一方猫はネズミ捕りなどで活躍したものの、人の表情を読み取って何かをする必要はなかったため、その部分は発達しなかったと考えられています。
上記の実験の他の研究報告もかなり興味深い結果になっていたので、本記事とは関連性が薄いですが、一応記載しておきます。
興味ある方はどうぞ。
- コロニーで一緒に暮らした動物の顔を見分けられるか?
→犬は85.1%身近な犬を選択、猫は90.7%身近な猫を選択 - 学習したことのある選択肢と不慣れな選択肢
→犬は89.0%学習したことのある選択肢、猫は85.8%学習したことのある選択肢
①の結果からも、猫は人間の顔が認識できていないだけで、猫同士では顔をしっかりと認識しているということが分かります。
猫が飼い主を認識する3つの要素とは?
猫は顔だけでは飼い主さんの見分けがつかないものの、以下の3つの要素で人を認識していると考えられています。
- 嗅覚(飼い主の匂い)
- 聴覚(飼い主の声)
- 習慣(飼い主の行動パターン)
嗅覚による認識
嗅覚によって人を認識しているかどうかを記した研究報告は見つかりませんでしたが、これはほぼ確定しているでしょう。
猫は犬ほどではありませんが、嗅覚が十分に鋭く、実際に他の猫との挨拶でも匂いを嗅いだり、お尻の匂いを嗅いだりすることもあります。
聴覚による認識
聴覚でも猫は人を認識していると考えられています。
これを示す実験報告があるため、紹介します。
この結果から猫は、人の声も飼い主さんを認識する一つの指標として使っていることが分かります。
「昔一緒に暮らしていた飼い主さんの声を分かるのか?」という趣旨の実験動画もあるため、お時間がある場合はご覧ください。
▲私は見ていてちょっと涙が出てしまいそうになりました(;O;)
習慣による認識
聴覚や嗅覚と言った感覚器官以外にも、猫は習慣付けによって人を認識していると考えられています。
具体的な例を挙げると、毎日夜遅くに帰ってくるのはお父さん、お昼に帰ってくる女の子は娘さんなどといった具合です。
猫が習慣を学ぶ能力があることは、皆さまもよく実感するところだと思います。
最も顕著に表れるのが「ご飯やり(おやつ)」でしょうか。
ご飯やおやつを用意しようと、それが保管されてる棚に行くと、食いしん坊な仔はいち早く察して寄ってきますよね。
これも習慣(ご飯のある棚に人が行く→ご飯を貰える)によるものですね。
個人的なエピソード
猫が飼い主さんを認識しているのは、皆さんも日々の暮らしから分かっていることだと思います。
私の場合、家を出る時にその違いを良く感じます。
他の人が部屋を出ようとしても、見送りには来ませんが、私が部屋を出ようとすると、ほぼ必ず出口まで来ます。
また、現在勤めている猫カフェでも、スタッフと見知らぬお客さんによって、猫たちの態度が変わったりします。
部屋に入ったときにスタッフ相手だと出迎えに来る子が、見知らぬお客さん相手ではやって来ない、というのはよく感じる事例の一つですね。
このように数えるとキリがありませんが、やはり可愛い猫たちにしっかりと認識してもらっているのは悪い気分はしませんよね?(笑)
まとめ
猫は顔のみで飼い主さんを認識していないと考えられており、その代わり「嗅覚・聴覚・習慣」の3つのポイントから見分けを付けていると推測できます。
ただ、猫のこういった研究は、まだまだ報告や資料が少ないのが現状です。
今後、猫ブームなどの助けから、更にこういった研究が進むのが楽しみですね(^^)