猫の便からミミズのような虫が出てきた。。
そんな経験はないですか?
そのミミズのような虫は「回虫」という、れっきとした寄生虫です。
今回はそんな回虫が原因で起こる症状や感染経路、治療法などを紹介していきます。
目次
猫回虫の症状は?

▲回虫の画像
回虫は画像のように、ミミズのような見た目をした寄生虫です。
画像の回虫はかなり大きく、実際はもっと細いことが多いです。
猫が寄生されている場合は、猫の便と共にこういった成虫が出てくることがあり、その姿は肉眼でも確認することができます。
大きいのだと10~12cm程度の長さをしています。
私は実際に回虫を見たことがありますが、正に「細くて白いミミズ」といった表現で表すのが的確です。
ただ実際に猫の糞から発見できる回虫は、ちぎれてしまっていることも多いです。
回虫は主に小腸などの消化器官に寄生することで、栄養を盗みとります。
回虫の寄生は表に症状が現れないことも多いですが、子猫など免疫力が弱い猫の場合は回虫が原因となった病気などから亡くなってしまうこともあります。
回虫が猫に寄生することで起こる、主な症状としては以下になります。
- 軟便
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- 栄養失調(回虫に栄養を奪われるため)
- 脱水症状
- 腹部膨張
- 発育不全
- 咳
- 体重減少
- 肺炎
命に関わることになることはほとんどありませんが、比較的見られやすいという点では、回虫症は気を付ける必要がある疾患の一つです。
回虫はほとんどの野良猫に寄生しています。
またブリーダーやペットショップ経由の子猫なども回虫持ちのケースはよくあるため、「保護猫(野良猫)」「子猫」を飼う際は気をつけましょう。
猫への回虫の感染経路は?
回虫の猫への感染経路は以下になります。
- 経口感染
- 母子感染
1つずつ詳しく見ていきましょう。
経口感染(何かを口に入れることによる感染)
経口感染とは、何らかの要因で回虫を口に入れてしまった場合の感染のことを言います。
口から回虫を取り入れてしまうのは、主に以下の2通りあります。
- 回虫が寄生している野性の生き物を食べた場合
- 回虫の卵が付いた体をグルーミングすることで、自身の口に入れてしまった場合
【回虫が寄生している野性の生き物を食べた場合】
回虫は猫以外にもネズミやゴキブリなど、様々な生き物の中に卵や幼虫として潜んでいることがあります。
そういった寄生している生き物を猫が食べてしまうことで、猫の体内に入っていくのです。
回虫を運ぶ野生の生き物は、主に以下になります。
- ミミズ
- ゴキブリ
- ネズミ
- 鳥類
こういった野性の生き物を食べると、回虫が猫の中に入ってしまうことがあります。
【回虫の卵が付いた体をグルーミングすることで、自身の口に入れてしまった場合】
回虫に寄生されている猫の糞には、回虫の卵も混ざっています。
そういった卵が潜んでいる糞を踏んでしまった猫は、毛づくろいによって体をきれいにしようとします。
そして回虫の卵を体内に取り込んでしまうのです。
母子感染
回虫の卵はお腹の中にいる赤ちゃん猫へはうつりません。
ただ母猫が寄生されている場合、母乳を通して子猫へうつります。

回虫の予防方法は?
最も効果的な予防方法は、「定期的に駆虫薬を猫に投与すること」です。
回虫を殺す薬としては、レボリューションなどが挙げられます。
他の予防方法としては、確実ではありませんが「猫の完全室内飼い」「部屋を清潔に保つこと」です。
放し飼いだと外で何を食べているのかわかりませんから、回虫持ちのネズミなどを食べてしまっていることも十分に考えられます。
清潔な部屋で室内飼いにすることで、感染リスクはかなり少なくすることができます。
記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
回虫は人間にうつるの?
残念ながら回虫は人間にも感染します。
人間への感染経路は、経口感染(回虫の卵がいる糞を触った手でご飯を食べるなど)のみになります。
人間に回虫が寄生した場合は「トキソカラ症」と呼びます。
人間が回虫に寄生されるのは、主に砂場に落ちている猫の糞などからになります。
予防には砂場などで遊んだあとでは、手洗いうがいをしっかりすることが大切です。
お子さんがいる家庭では、特に手洗いうがいをしっかりするようにしましょう。
また飼い猫の糞の始末は毎日必ず行い、念のため手洗いをするようにしましょう。
とはいえ基本的には手洗いうがいをしていれば、よっぽどのことがない限り感染することはありません。
猫の回虫症の治療
回虫が猫に寄生している場合は、回虫を殺すための駆虫薬を投与することになります。
最初の駆虫薬を投与してから、2~3週間ほど経ってから駆虫薬を再投与します。
2回の駆虫をすることで、体内の回虫を徹底的に殺すのが目的です。
猫の回虫症の予後(病気後の見通し)は?
回虫症は適切な投薬を迅速に行うことで、良くなることがほとんどです。
ただ免疫力の弱い子猫などは、回虫が原因の病気や栄養不良などから衰弱し、亡くなってしまうこともあります。
子猫は特に体が弱いため、体調が悪いように見える場合などは必ず獣医さんに診てもらうようにしましょう。
まとめ
回虫は猫や人に寄生するミミズのような虫です。
野良猫にはほぼ100%回虫が寄生しているため、野良猫を保護した場合は必ず駆虫するようにしましょう。
またペットショップやブリーダーから子猫を譲り受けた場合も、必ず様子を確認するようにしましょう。
回虫以外の寄生虫に関しては、こちらのページにまとめています。
知っておきたいという方は是非参考にどうぞ。
記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
photo credit:SuSanA Secretariat by Ascaris Lumbricoides (roundworm)