おうちの近くに弱った野良猫を見かけ、その姿があまりにもかわいそうに感じて保護したものの、最初に何をしてあげるべきか分からないという方は少なくないことでしょう。
初めて猫を飼う人だけではなく、猫を飼った経験がある方でも、野良猫を保護した時に何をすべきか悩んでしまうものです。
このページでは、野良猫を保護して飼い始める際に大切な7つのポイントを紹介しています。
まずは動物病院へ連れていくことが必要になりますが、気になる病院代の相場もご紹介しています。
目次
野良猫の寿命は短い?
残念なことに、野良猫の寿命は3~4年程度と言われています。室内で飼われている猫の平均寿命が15歳を超えることを考えると、大変短いことがわかります。
気ままな暮らしをしてているように見える野良猫。なぜこんなに寿命が短いのか、その理由について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
それでは、実際に「野良猫を保護したら最初にする7つのこと」をみていきましょう。
1. まずは動物病院へ連れて行こう
保護される野良猫は、母猫から見放されていたり、栄養が十分にとれていなかったりすることで弱っているケースが多いと言えます。
一見元気そうに見えても、健康状態をチェックすべく動物病院を受診しましょう。
獣医師は、まず保護猫の外見を確認し、外傷(ケガ)がないかどうか探します。
出血していたり、腫れている場合には見た目で判断できますが、骨折や脱臼などがないかは全身に触れて確認していきます。
特に、野良猫同士のケンカや交通事故が疑われるケースでは、外傷の有無を念入りに調べます。
このように、動物病院にて身体検査や必要な検査を受けることで、保護猫の健康状態を正確に判断することができます。
同時に、保護した野良猫が、飼い猫でないかどうかも確認しましょう。
地域の動物病院には、近所で迷子になってしまった飼い猫の情報が多く集まりますので、見た目が似た迷い猫の情報がないか聞いてみるとよいでしょう。
最近では、飼い猫のほとんどにマイクロチップが入っていますので、動物病院でマイクロチップの有無を確認してもらうこともオススメします。
2. ノミダニのケアや感染症のチェック、予防接種を受けておこう
動物病院では、保護猫の体表にノミやダニが付着していないかもチェックしていきます。
ノミが大量に付着している場合には、保護猫の全身を洗い、ノミ取りぐしで取り除きます。
明らかにノミダニが見当たらないケースでも、毛に隠れていることがあるため、駆虫薬の投与をしてもらいましょう。
野良猫のお腹の中に寄生虫が見つかることも少なくありません。便が採取できれば、顕微鏡で虫卵のチェックを行ないます。
もし、虫卵が見つかった場合には、虫下しを投与してもらい、寄生虫の駆虫も行ないましょう。
猫回虫症(トキソカラ症)は、主に猫の小腸に寄生する回虫という寄生虫によって引き起こされます。
大人の猫の場合、寄生虫がお腹にいても症状が出ることは少ないですが、子猫では、嘔吐や下痢等の消化器症状や栄養失調等の症状を引き起こすことがあります。
野良猫で注意したいウイルス感染症として、猫白血病と猫エイズが挙げられます。
より正確に判断するためには、2〜3度検査を受ける必要がありますが、数滴の血液で実施できるので、ぜひ調べておきましょう。
特に、先住猫がいる場合は感染を防ぐためにも調べておくことを強くオススメします。
また、様々な感染症を防ぐため、混合ワクチンの接種も検討しましょう。
しかし、保護してすぐは野良猫の体調が優れないケースも少なくないため、後日の接種でも構いません。
また、子猫の場合は、生後2ヶ月以降の初回接種が望ましいとされます。子猫のケースでは獣医師と接種のタイミングをよく相談するといいでしょう。
ペット保険では、病気の予防にかかる費用(ワクチン接種、ノミ・ダニの駆除薬の処方、感染症の検査など)は一切補償されません。
それでも、ワクチンなど有効な予防処置をとっていないと、万が一に感染症にかかった場合にその病気の治療費がペット保険で補償されません。
もしもの時のためにも、感染症などの予防をしておくことが大切になります。
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3. 月齢や年齢を推定してもらおう
動物病院では、子猫の診察を行なう際に、以下の3点に注目しておおよその月齢を推定します。
(1) へその緒は付いているか?
子猫のへその緒は、生後3日目以降に自然と外れることがほとんどです。もし保護した子猫にへその緒がまだ付いている場合、生まれてから3日以内の可能性が高いと考えられます。
(2) 眼は開いているか?
子猫の眼が開くのは生後1週間ほどです。耳の穴も同じタイミングで開くため、保護した野良猫の眼や耳が開いていない場合には、生まれてから1週間以内と考えましょう。
(3) 歯は生えているか?
子猫は生まれてから2週間ほど経過すると乳歯が生えてきます。さらに生後30日前後で犬歯や奥歯といった比較的大きな歯も見えるようになります。
特に子猫を保護した場合、その月齢によって与えられるご飯の種類や排泄のさせ方に注意点がありますので、皆さんも確認してみましょう。
一方で、1歳半を超える野良猫を保護した場合、年齢ごとの特徴に差があまり見られず、子猫のように月齢単位で推定するのは専門家でも困難なのです。
4. ご飯を用意しよう
子猫を保護した場合、おおよその月齢を把握した上で適切なご飯を用意しましょう。
生後30日まではキャットミルクが必要です。
特に、生まれて1週間も経っていない子猫では、一度に飲めるミルクの量が少ないため、およそ3時間おきに哺乳瓶などでミルクを与えなければなりません。
生後1ヶ月を過ぎると歯が揃ってくるため、ウェットフードを与えることができます。
さらに2ヶ月齢以降はドライフードも食べられるようになりますが、最初はお湯で十分にふやかしたものを与えましょう。
一方で、保護猫が3ヶ月齢を過ぎているようであれば、ドライフードをそのまま与えても構いません。
しかし、成猫では歯周病や歯肉炎が見つかることもあり、ウェットフードを好むケースも少なくないため、ドライ・ウェットの両方を用意しておくとよいでしょう。
5. トイレを準備しよう
生後3週間未満の子猫は、自力で排泄を行なうことができないため、トイレは不要です。
しかしこの場合、保護した時点から3〜4時間ごとに子猫のお尻を刺激してトイレをさせる必要があります。
お尻は、清潔なティッシュやコットンなどをぬるま湯で湿らして刺激すると、おしっこやウンチを促すことができます。
一方、離乳がすでに済んでいる猫であればトイレが必要です。
トイレのタイプとしては猫砂が最適ですが、猫砂がすぐに手に入らない場合には、ペットシーツや新聞紙でも代用することができます。
新聞紙を使う場合には、細かく千切って箱に敷くとよいでしょう。
6. 落ち着ける寝床を作ろう
保護猫の多くが、慣れない環境に強い不安やストレスを感じています。
そのため、できるだけ落ち着ける寝床を作ってあげられるよう心がけましょう。
体温が下がらないよう、バスタオルや毛布を敷き、室温も22〜26℃に調整して下さい。
寝床の一部に湯たんぽやヒートマットを用意し、自由に動けるスペースを作っておくと、猫自身が体温調節できます。
また、周りに大きな音や強い光を発するものがないよう、ストレスや不安をできるだけ感じないで休める寝床を目指しましょう。
先住猫がいるおうちでは、以下のことに気をつける必要があります。 参考までに、野良猫を保護して動物病院を受診された際にかかる診療費の目安をご紹介したいと思います。 初めて動物病院を受診される際にかかるカルテ登録・作成料です。 動物病院によっては、初診料に含める場合があります。 駆虫薬の処方・投与料です。保護猫の全身をシャンプーする必要がある場合、別途処置代がかかることがあります。 院内で行う便検査です。別途検査代がかかりますが、外部検査センターで便の遺伝子検査を行うことでより詳細に寄生虫・微生物の存在を調べることも可能です。 お腹の中に存在する寄生虫に対する駆虫薬の処方・投与料です。 微量な血液で2種類のウイルス検査を行うことができます。 3種・5種混合ワクチンがあり、それぞれ値段が異なります。 駆虫薬のタイプによっては、ノミダニと同時に駆虫できる商品もあります。 動物病院によってそれぞれの費用は変わりますので、あくまで参考とさせて頂ければ幸いです。 最低限の処置をするだけでも、10,000円程度の病院代を見ておいた方がよいでしょう。 野良猫を保護して飼い始めることになった時に知っておいてもらいたい7つのポイントを紹介してきました。 保護してすぐは用意すべきものが多く、また動物病院にかかる機会も多いため、費用がかさんでしまいがちです。 しかし、保護した猫に幸せな生涯を全うさせてあげるためには、最初が肝心です。 今回ご紹介したポイントをしっかりと押さえ、保護猫の新しい生活のスタートを万全なものにしてあげましょう! 7. 診療費の相場を確認しておこう
まとめ
ペット保険選びに大切な3つのポイントと、後悔しない保険の選び方を紹介しています。
保険料だけでなく補償内容や、サポートの品質を総合的に確認しながら、保険プランを選んでいくことが大切です。
保護猫は、一見元気そうにしていても色々な病気が隠れている場合があります。
獣医師の診察を受ける中で、疑われる病気はないか?実施しておくべき検査はないか?よく確認しておくとよいでしょう。
また、今後ペット保険への加入を検討したい場合にも、推定年齢や健康状態、病気の有無を確認した上での診断書が必要となります。
したがって、野良猫を保護された際には、まずは動物病院にかかって頂くことを改めておすすめ致します。