猫が毛玉を吐かないけど大丈夫?4つの毛玉詰まり対策と毛球症について

猫が毛玉を吐くのは、飼い主さんの間では良く知られていることです。
ただ中には全く毛玉を吐かない子などもいます。

毛玉を吐く子と吐かない子の違いはどこにあるのでしょうか?
今回はそんな猫と毛玉の関係や、毛玉にまつわる「毛球症」という病気などについて紹介していきます。

 

猫が毛玉を吐く理由とは

猫が毛玉を吐き出すのは至って普通のことですので、もし飼っている猫が毛玉を吐いていても焦る必要はありません
猫が毛玉を吐き出すのには、以下の流れがあります。

  1. 猫が自身の被毛を舌を使い被毛をグルーミングする
  2. 飲み込まれた毛のほとんどは排泄物として外に出る
  3. 一部の毛が絡み合い、徐々に毛玉となっていく
  4. 体内の毛玉を嘔吐(もしくは排泄)という形で外に出す

このように大抵の毛はウンチと一緒に外に出てきます
ただ毛が絡まり合い大きくなっていくと、ウンチとして出すのが大変になります。
そのため嘔吐という形で毛玉を出すのですね。

そもそもなぜそんなに毛玉ができるほど、抜け毛が体の中に入ってしまうのかというと、これにはちょっとしたわけがあります。

皆さんご存知だと思いますが、猫の舌は本当にザラザラとしたクシのようになっています
そのため猫がグルーミングをすることで、舌に引っかかった毛が体内に入っていくことになるのですね。

特に「ペルシャ」や「メインクーン」などの長毛の猫種は毛玉を吐く子が多いです。
ただ「アメリカンショートヘア」などの短毛種の子が全く毛玉を吐かないかというと、そういうわけでもないです。

続いて猫の毛玉に関連する恐ろしい病気である「毛球症」について紹介していきます。

 

猫の毛球症の症状とは

「毛球症」とは体内でできた毛玉が大きくなり過ぎて、体内に留まってしまう状態のことです。
小さい毛玉ならともかく、嘔吐や排便もできない大きな毛玉になってしまうと、腸閉塞などの危険もあります。

「たかが毛玉、されど毛玉」といったところでしょうか。
やはり毛球症も、毛玉ができやすい長毛種の猫で見られやすい症状です。

毛球症は名前自体それほど恐ろしい病気に思えませんが、毛球症によって腸閉塞などが起きている場合は命の危険もある恐ろしい病気です

以下が毛球症の主な症状(サイン)です。

  • 食欲不振
  • 水を飲まない
  • 無気力
  • 便秘
  • 下痢
  • おなかを触られるのを嫌がる

こういった症状が見られた場合は、獣医さんに診てもらうようにしましょう。

 

飼い猫が毛玉を吐かないけど大丈夫?

ここまで読み進めて頂いた方の中には「うちの猫は毛玉を吐かない。毛球症は大丈夫かな?」と心配になる方も多いと思います。
結論から申し上げると、恐らく大丈夫です。

猫は毛玉吐きの名人です。
ただそれは毛玉を吐くのが必要な猫だからであって、中には全く毛玉を吐かない子などもいます
これは短毛種の猫だけでなく、長毛種の猫も同様です。

それに最も基本的な知識として、大抵の場合は体内に入った抜け毛は排便として外に出るのです。

ただ「それでも心配だ。」という方は、以下のチェックをしてみてください。
もし項目に当てはまるようなことがある場合は、気をつける必要があります。

 

あなたの愛猫は大丈夫?毛玉詰まりチェック!

以下のチェックポイントになにかしら心当たりがある場合は、毛球症(毛玉詰まり)を疑う必要があるかもしれません。

  • ぐったりとしている
  • ご飯や水を食べない、飲まない
  • 毛玉を吐く頻度が増えた
  • お腹を触られるのを嫌がる←元々多くの猫が嫌がるため、判断が難しい

特にご飯や水を食べない・飲まない場合、ぐったりとしている場合は、体内の毛玉を心配する必要があるかもしれません
こういった症状が見られる場合は、獣医さんに診てもらうことが大切です。

 

猫の毛玉詰まり対策4選!

毛玉詰まり(毛球症)を可能な限り防ぐための、4つの対策は以下になります。

  1. 毎日のブラッシング
  2. 毛玉予防フードを与える
  3. 毛玉対策サプリメントの使用
  4. 猫草を用意する

1つずつ詳しく見ていきましょう。

1.毎日のブラッシング

毛玉詰まりを防ぐ最も効果的な対策は、毎日猫のブラッシングをすることです。

もちろん猫は暇さえあればグルーミングする動物なので、どうしてもある程度の抜け毛は、猫の体内に入ってしまいます。
ただ毎日飼い主さんがブラッシングをしてあげることで、体内に入る抜け毛は少なくなります

特に長毛種の猫などは抜け毛が体内で絡まりやすいため、1日朝晩の2回ブラッシングをしてあげられるのが理想的です。(※忙しい場合は1日1回でも大丈夫でしょう。)

毎日やっても嫌がらない?猫が喜ぶブラッシングのやり方!

 

2.毛玉予防フードを与える

最近では様々な項目から、健康を考えられたフード(通称:医療用キャットフード)が販売されています。
例えば「結石予防のフード」「糖尿病予防のフード」…などなど本当に様々です。

ここまでくれば言わずともわかると思いますが、なんと「毛玉ができにくいフード」もあるのです(笑)

サイエンス・ダイエット プロ 猫用 1~6歳 [健康ガード 便通・毛玉]

理論としては、「食物繊維を多く配合したフードにすることで、腸の動きを活発にして毛玉を外に出しやすくする」というものです。

記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。

 

3.毛玉対策サプリメントの使用

毛玉予防のフードだけでなく、サプリメントもあります。
代表的なものとして、「スッキリン」や「ラキサトーン」などがあります。

ゲンダイ (GENDAI) 現代製薬 スッキリン

腸で吸収されにくい油を主成分とすることで、便通を良くし、毛玉もスルッと排泄してもらうというものです。
※食事と一緒に与えるのは厳禁です!

 

4.猫草を用意する

猫草は上の画像のようなイネ科の植物で、猫が好んで食べるため「猫草」と呼ばれています。
猫草が体内でちくちくとした刺激を消化器官に与えることで、猫が毛玉を上手く吐くのに一役買います

正直な話、嘔吐された毛玉を片づけるのは気持ちの良いことではありませんが、これも猫のためですね(^^)
より詳しく猫草について知りたい方はこちらからどうぞ。

猫草は必要なかった?どんな効果があっていつからあげていいの?

 

まとめ

毛玉と猫の関係は切っても切り離せないものです。
特に長毛種の猫を飼っている方は、毎日のブラッシングが毛玉対策として大切になります。

また毛玉が詰まっている猫の多くはぐったりしていて、食欲不振、飲み水をほとんど飲みません。
こういった症状が見られた場合は、いち早く獣医さんに診てもらうようにしましょう。

photo credit:Justin Dolske by i has a plant (nyam nyam nyam)

この記事を書いた人

島崎 塁(ミツバ)
ペットショップ、ペットホテル、猫カフェで店員をしていました。仕事とプライベートでの飼育経験から得た猫に関する知識を、余すところなく公開していきます。

失敗しない保険選び

【FP監修】失敗しない猫の保険の選び方とは!?