猫の真菌症の症状と原因、予防や治療方法とは?多頭飼いはうつるから要注意!

飼い猫が円形脱毛症になってしまった!
実は猫が円形脱毛症になるのは、「カビ」が原因によるものが多いのです。
そこで今回は意外と知られていない、猫に生えるカビの特徴や予防対策、治療方法などを紹介していきます。

 

猫の真菌症の症状

真菌とはいわゆるカビのことで、ほかにも「白癬」「皮膚糸状球菌」などとも呼ばれます
「カビが体に生えることなんてあるの?」と疑問に思うかもしれませんが、人間でいうところの水虫も同じ種類の菌が原因です。

真菌症が猫に現れると、主に以下のような症状が見られます。

  • 円形脱毛症(ハゲ)
  • 脱毛部分周辺のふけ
  • 強いかゆみ
  • 脱毛部分のかさぶた
  • 発疹(赤いブツブツ)

真菌症が発症すると、基本的に円形脱毛症の症状が現れます
体の至るところに出る危険はありますが、パッと見ハゲたように見えるため、分かりやすいです。
そして脱毛部分周辺にフケや、脱毛部に発疹なども現れることがあります。

まれに皮下にまで感染が進むと、「肉芽腫病変」となることもあります。
肉芽腫とは皮膚に対する異変(カビや寄生虫など)に対して起こる、体の過剰反応です。
主にプツプツとした出来物などができてしまうことがあります。

どちらにしても気になる症状が現れたら、すぐに獣医さんに診てもらうようにするのが大切です。

真菌症は免疫力の弱い生後1年以内の子猫や、10歳以上の老猫がかかりやすい病気です。
真菌症以外にも、被毛がハゲるのには様々な理由があるため、気になる方はこちらから確認してみてください。

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ペルシャやヒマラヤンは要注意?
ペルシャ」と「ヒマラヤン」は遺伝的に、真菌症にかかりやすいと言われています。

続いて猫の真菌症の原因について紹介していきます。

 

猫の真菌症の原因

真菌症の発症する原因は主に以下になります。

  • 接触感染
  • 免疫力の低下

接触感染

真菌症の基本的な発症原因は、真菌との何らかの接触による感染です。
接触機会としてよく考えられるのが、「感染猫との接触」「感染人から猫への接触」などになります。
ネズミなどのげっ歯類も、真菌を運んでいることが多いです。

また間接接触でも真菌は猫に移ります
具体的には水虫の人が使ったバスマットの上を、猫がゴロゴロすることによって、移ってしまうなどです。

 

免疫力の低下

猫の免疫力が落ちてしまうことで、結果的に真菌症を発症しやすくなってしまいます
免疫力が落ちる主な要因としては、「ストレス」「栄養不良」などになります。

通常であれば防げるはずの真菌症も、体の免疫が弱っていると、簡単に感染してしまうものです。
そのため猫エイズなどによって、免疫力が極端に落ちている猫の場合、真菌症はさらにかかりやすくなってしまいます。

無症状キャリアの猫の存在
中には真菌に感染しているにも関わらず、症状が全く外に現れない無症状キャリアの猫もいます。
こういったキャリアの猫は、免疫力が低下すると真菌症も目に見える形で現れます。

怖いのが、キャリアの猫は症状が出ていない状態でも、真菌自体は持っているため人や他の動物には移るという事実です。
家の猫がキャリアである場合は防ぐのが難しいですが、野良猫などと遊んだあとは必ず手を洗うようにしましょう。

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猫の真菌症は人に移る?

結論から申し上げると、真菌は人や他の動物にも移ります
人から猫にも移るため、「人獣共通感染症」のひとつです。

ですので飼っている猫に、円形脱毛症の症状が見られる場合は注意が必要です。
真菌症の疑いがある猫に触れる際には、手袋をつけるか、必ず触った後に石鹸を使ってきれいに洗うようにしましょう

また真菌は繁殖に高温多湿な環境が必要なので、洗った後は必ず乾燥させるようにしましょう。
ただこのように気をつけていても、間接感染などから人に真菌症が発症することはあります。

他にも傷口などがある場合は、傷口に少し真菌が触れただけでも感染しやすいです。

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多頭飼いの家は、真菌が移らないように気をつけて

多頭飼いをしているお家では、1匹の猫に真菌症が発症した場合、放っておくと高い確率で他の猫も真菌症にかかってしまうことが予測できます
そのためこういった状況になってしまったら、ひとまず感染してしまった猫の部屋を分けて隔離するようにしましょう

症状が表に現れていないだけで、真菌が他の猫にもついてしまっていることは考えられるため、シャンプーをしてきれいにしましょう。
また共用のベッドなども消毒する必要があります。

そして感染してしまった猫の症状が完治したら、再び居住スペースを一緒にしても大丈夫です。

 

猫の真菌症の予防方法

真菌症は完全に予防することはできません。
ただなるべく予防するには、以下の対策が挙げられます。

  • 完全室内飼い
  • 部屋を清潔に保つ
  • 免疫力を保つ

【完全室内飼い】
現実的に他の動物からの接触感染を防ぐためには、完全室内飼いが最も賢い予防方法となります。
放し飼いにしているとどうしても、家の外でどんな動物と触れ合っているかなどは分かりません。

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【部屋を清潔に保つ】
真菌は高温多湿な環境が好みです。
そのため猫の使っているベッドをこまめに洗濯したり、日干しすることで真菌の繁殖を防ぐことができます。

【免疫力を保つ】
免疫力が落ちることで、猫は真菌症にかかりやすくなってしまいます。
真菌症にかからないようにするためにも、普段からしっかり栄養を摂って、快適に生活できるようにしましょう。

 

猫の真菌症の治療方法

中には自然治癒する子もいるようですが、基本的には真菌症が発症したら治療が必要になります
猫が真菌症にかかってしまった際の治療方法は以下になります。

  • ローションや軟膏の塗布
  • 抗真菌薬用のシャンプーの利用
  • 飲み薬の使用

基本的には獣医さんから処方してもらえる、ローションや軟膏を塗ることになります
場合によっては、シャンプーや飲み薬なども使うようです。

真菌症は根気強く治療する必要がある病気で、完治するまでの治療期間は2~4ヵ月ほどかかるようです。
一度かかってしまったら、腰を入れて集中的に治し、ダラダラと長引かせないようにするのが大切です。

人の真菌症の治療方法
もし真菌症が人に出てしまったら、一度病院で診てもらいましょう。
塗り薬と飲み薬が渡されるでしょう。

 

まとめ

真菌は根絶するのに、とても根気の必要な手ごわい疾患になり得ます。
予防として「日頃から家を清潔に保つこと」「猫の完全室内飼い」が大切になります。
発症してしまったら、ズルズルと長引かせないためにも集中的に治療をするようにしましょう。

この記事を書いた人

島崎 塁(ミツバ)
ペットショップ、ペットホテル、猫カフェで店員をしていました。仕事とプライベートでの飼育経験から得た猫に関する知識を、余すところなく公開していきます。

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