子猫を育てる際に最も大切なのが、ご飯のあげ方です。 ただ「ふやかしご飯の作り方やいつまでふやかしなのか?」とか、「1日与える量や回数」など色々と分からないことは出てくるものですよね。
そこで今回は、日々ペットショップで子猫のお世話をしている私が、子猫のご飯のあげ方のあれこれについて紹介していきます。
目次
はじめに
子猫を飼い始めると、実際どんな風に世話をすればいいのか分からなくなることがありますよね。 特にご飯は1日にあげる回数や量、ご飯のふやかし方など、考えることが色々あります。
そんな中飼ってる猫がご飯を食べないなんてことになったら、本当に焦りますよね。 私も飼ってる猫が、子猫だったときに一度だけご飯を食べなくなったことがあったのですが、それはもう焦ったものです(´Д`)
そこで「実際使える知識」、具体的にどうしたらいいのかを一つずつ紹介していきます。 子猫を迎えたものの、ご飯のあげ方などについて忘れてしまったという方は是非読んでみてください。
【画像で分かる】子猫用ふやかしご飯の作り方!
子猫は生後1カ月半くらいから、徐々にご飯を食べるようになっていきます。 そして生後3カ月半くらいまでは、ふやかしご飯を食べさせる必要があります。
ただそもそもの話、ふやかしご飯ってどうやって作るのが正しいのでしょうか? ここではふやかしご飯の作り方を、画像付きで紹介していきます。
子猫のご飯の量と回数は?
子猫にご飯をあげる際に「どのくらいの量をあげればいいのか?」「1日何回あげればいいのか?(回数)」はかなり気になりますよね。 それぞれ分けて解説していきます。
子猫におすすめのご飯は?
子猫に与えるご飯は、大きく2つの種類に分けられます。
- 成長前期用:生後1カ月半~4カ月まで
- 成長後期用:生後4カ月~1年まで
このページで紹介しているのは、成長前期の子猫へのご飯のあげ方です。 基本的にご飯のメーカーはどこでも良いのですが、必ず自分の猫の月齢に合ったものを買いましょう。
子猫用ごはんでおすすめなのは、「ロイヤルカナン」です。
ロイヤルカナン FHN マザー&ベビーキャット 母猫・子猫用 2kg【成長前期】
味と栄養価が良く、値段もそこまで高くないのが特徴です。 さらに粒が小さいので、子猫でも食べやすい仕様となっており、獣医師の立場からも勧められる商品となっています。 またペットショップや、大型スーパーなどでも大抵置いてあるため、入手しやすいのも嬉しい点ですね。
ブリーダーさんでも、ロイヤルカナンを与えている人は多いようです。 何をあげれば良いか分からず困っているなら、まずはロイヤルカナンで問題ないでしょう。
子猫がご飯を食べない時はどうすればいい?
子猫によっては、ストレスや何らかの原因からご飯を食べなくなることがあります。 肌感覚ですが、ペットショップでも10匹中2~3匹くらいの子猫は、多かれ少なかれご飯の食いつきが悪くなったり、食べなくなることがあります。
「置いておけば食べるでしょ。」と思うかもしれませんが、とんでもありません。 真面目な話、どうにも食べようとせず、衰弱死してしまう子も中にはいます。 だからこそ、子猫がご飯を食べようとしない時の対処法は知っておく必要があるのです。
子猫がご飯を食べないときは順番に下記の対策を取りましょう。
- 違うドライフードをふやかして与える(味を変えてみる)
- ふやかしたご飯にカロリーエースなどのミルク成分が濃いもので味付けする
- ふやかしご飯にウェットフードを混ぜてあげてみる
- カルカンなどのウェットフードだけをあげる(食事量が少ない場合は、ミルクや栄養剤なども使う)
- シリンジなどを使って、強制給餌をする(難しい場合は⑤に進む)
- どうしても食べない場合は、獣医さんに栄養剤などを注射してもらう(栄養剤の補液)
ご飯を食べない場合、①から順番に試しましょう。 中には好き嫌いからご飯を食べない子もいるので、そういった場合は①や②の段階で食べるようになるでしょう。 ③まで試せば、80%くらいの子猫は食べるようになります。
ただ中にはどうしても食べない子もいるため、そうした場合は獣医さんに連絡する必要があります。
恐怖!ご飯を食べないと起こる低血糖(栄養失調)
気をつけたい病態として「低血糖」があります。 これは文字通り血糖値が低い状態のことで、簡単に言うならば「栄養失調」のことです。 低血糖はご飯を食べなかったり、食いつきが悪い子猫によく起こるため、子猫時代は特に注意が必要な状態です。
具体的な症状としては、「ぐったりする」「歯ぐきが白い」「低体温」です。 低血糖を起こした猫は一見、寝ているかのようにぐったりしています。 ここで重要なのは、低血糖の状態では意識レベルが低く、こちらからの呼びかけや動作に対する反応が乏しいということです。 てんかんのような痙攣を引き起こすこともあります。
実際に抱いてみると首は据わっておらず、耳はとても冷たくなっており、歯ぐきが通常では考えられないほど白っぽくなります。 これらはいずれも、血液の巡りが悪くなっていることが関与しています。
低血糖は放っておくとかなり危険で、そのまま亡くなってしまう子もいます。
応急処置として、ガムシロップやハチミツを歯ぐきに塗るようにして飲ませましょう。 ガムシロップを飲ませることで、血糖値が上がり一時的に状態が良くなります。 また体温も低くなっているため、湯たんぽやエアコンなどで温かい環境を作ってあげるのも大切です。
そしてすぐに獣医さんに連絡して、指示を仰ぎましょう。
まとめ
子猫にご飯をあげるのは飼い主にとって至福の時間です。 ただ子猫はご飯を食べないと本当に危険なので、必ず食べ終わるまで見ているようにしましょう。そして食べない時は、必ず何かしらは食べさせるようにしましょう。
また子猫の飼い方や、飼い始めの注意点などについても紹介しています。 気になる方はチェックしてみてください。
photo credit:Big Ben in Japan by Sumi won’t let Mai eat her cereal in peace.
参考文献
- 「野良猫の拾い方」 大泉書店 (2018/4/24) 東京キャットガーディアン (監修),
- 「獣医内科学 第2版 (小動物編)」 文永堂出版 (2014/5) 岩﨑利郎 / 滝口満喜 / 辻本 元 (監修)
子猫の成長にとって栄養管理は最も重要です。 なぜなら日に日に大きくなる子猫の体は常にエネルギーを消費(代謝)しているからです。
一方で、歯が揃っていなかったり、胃腸の大きさや働きが不十分なため、子猫は一度に多くのご飯を食べることができません。
だからこそ、1日に複数回ご飯を食べているかどうか、確実にチェックしておくことが必要です。
1食でも口にしない/したがらない時には、今回紹介したような方法で工夫しながら積極的に与えなければなりません。
また、低血糖が疑われる際は、すぐに対処しないと手遅れになることがあり、即時連絡できる動物病院を事前に探しておくと良いでしょう。
特に、夕方〜夜に子猫がご飯を食べないからといってそのまま放置するのは絶対にやめて下さいね!