猫の噛み癖とは厄介なものです。
原因とそれに合った対策が分かれば良いのですが、中には原因が分からないこともよくあります。
実は私の飼っている猫も本当に噛み癖が強いのですが、今回はそんな猫を飼っていて大変なことや、どうやって一緒に暮らしてきたのかを紹介していきます。
現在猫の噛み癖で悩んでいる方は是非読んでみてください。
※猫の噛み癖でよくある原因を知りたいという場合は、こちらの記事も併せて読んでみてください。
目次
猫との暮らしに何を求める?

皆さんは猫と一緒にいることで何を求めますか?
おそらくは安らぎや幸福感、もしくはただそこにいてくれるだけで良いという考えの方もいるでしょう。
ただ実際飼ってみてから、「こんなはずじゃなかった」と感じている方も中にはいるはずです。
それは例えば噛み癖が強かったり、至るところに粗相をしてしまう、全然懐いてくれないなど、感じることは人それぞれだと思います。
そもそも猫に何かを期待したり、こうあるべきと言う風に思って飼い始めるのが個人的には違うとも思うのですが、それでも飼う以上何かを期待してしまったりもしますよね。
私はどんな子であっても、愛情たっぷりに育てようと決心して猫を引き取ったものの、引き取った猫との生活はかなり大変な一面もありました。
噛み癖が強い猫との生活

何か強い癖を持っている猫と一緒に暮らすのは、かなり大変なことです。
私が飼っているラグドール(名前を「わたげ」と言います。)もかなり特殊な一面を持っています。

▲私の飼っている猫、生後7カ月のラグドールのわたげ
わたげの特殊な一面は、「群を抜いて強い噛み癖」です。
けっこう普通のことじゃんと思うかもしれませんが、私はこれほど噛み癖の強い猫を見たことがありません。
いや、ほんと、誇張とか抜きに(笑)
どのくらい噛み癖が強いかと言うと
- 撫でようとすると、とりあえず口が開きます。
- 人が好きで、自分から舐めに来てくれるのですが、4秒ほど舐めると飽きてくるのか、軽く噛み始めます。
- もちろん常に噛んでくるわけではありませんが、気付いたら噛まれてます。
- 私が廊下を歩いていると、足にかぶりついてきます。
- 私がベッドで寝ていると、これまた足にかぶりついてきます。
- 家に遊びに来た友人の多くは初めは笑って遊んでいながらも、帰るころにはあまりの噛み癖にドン引きしています。
- かかりつけの獣医さんには「何をしても口が開いちゃうんだね~」と言われました。
軽く思いつくだけでもこれだけありますね。
今では噛み癖は以前に比べてかなり和らぎましたが、それでも完全には治ってないです。
以前の噛み傷跡が圧倒的に多いですが、現在の生傷もあります。

▲私の左手。久しぶりに友人に会うと、あまりの噛み傷でびっくりされることにも慣れました(笑)
これでもかなり左手はきれいになった方です。
ただ勘違いしないでいただきたいのが、私はわたげと暮らしていてとても楽しいですし、健やかな毎日を送れているということです。
現在もある程度噛み癖はありますが、穏やかなときは本当に天使のようですし、最高に可愛い一面も持ち合わせています。
何より噛み癖こそあれど、心底懐いてくれているのが分かるため、やはり可愛いものです。
とは言えこの記事を読んでいる方は、私と同じように「噛み癖の強い猫を飼っており、その噛み癖をどうにかなくしたい!」と考えている方が多いと思います。
わたげは噛み癖が全くなくなったわけではないですが、以前に比べてかなり噛み癖が治ったのは事実です。
そこでとんでもなく強い噛み癖を持つわたげの噛み癖の原因や、噛み癖を治すためにどのようなしつけをしたのかを次章で紹介していきます。

私の考える噛み癖の原因3点

わたげの噛み癖の原因はいまだによく分かっていません。
ただあえて推測するのであれば、以下の3つが原因なのではないかと思っています。
- 歯がむず痒い
- 狩りが好き
- 噛まれる痛さを理解していない
これは全て観察していて個人的に思ったことなので、確証はありません。
ただやはり猫は小さいころは永久歯が生えてきているため、歯がむず痒く、噛み癖を持っている子が多いです。
それに加えてわたげは生粋のハンターです。
好奇心旺盛で、動いているものを無我夢中で追いかけ、飛びかかる性格をしています。
またペットショップ出身のため、社会化期に親猫や兄弟猫と触れ合った時間が少なく、噛まれることの痛さをあまり理解できていないのも、噛み癖の強い原因の一つだと感じます。
最も噛み癖の原因は断定はできないのですが、次章でどのように噛み癖を治していったのかを紹介していきます。
噛み癖を治すために行ったしつけ
どの対策も実際に試して、効果がそれなりにあると思ったものになります。
現在噛み癖が強い猫を飼っている方は試してみてください。
- 朝と夜に狩り遊びをさせる
- 狙われたら離れる。もしくは違う獲物を差し出す
- 襲われても反撃しない
- 愛情を注ぐ
- 甘噛みと本気噛みを区別する
- ターゲットにされたら水滴をかける(霧吹き)
- 大人(成猫)になるのを待つ
こうしてみてみると、しつけと言うようなしつけはほとんどありませんね。
ひとつずつ紹介していきます。
朝と夜に狩り遊びをさせる
私が仕事のため、朝~夜に家を空けることが多く、日中構ってあげることができない環境となっています。
猫はどんなにのんびりしていても、狩りをして暮らす生き物です。
室内飼いの場合は、狩りをする相手がいないため、何か別のものにエネルギーを使わせる必要があります。
そこで、朝家を出かける前と夜寝る前の10分は、釣竿じゃらしで狩り遊びをさせるようにしています。
10分も獲物(ネズミのおもちゃ)を追いかけさせれば、猫はハアハアと口を開けて体温調節をしようとします。
その状態になって少ししたら、猫は疲れてへたりこむため、遊びをやめます。
日々の狩りエネルギーをこのように代わりの遊びで発散させることで、噛み癖の強い猫でも多少は穏やかになるものです。
狙われたら離れる。もしくは違う獲物を差し出す
猫を飼っていれば分かるようになると思いますが、大抵の猫は何か獲物を狙っているときに、それとわかる素振りを見せます。
わたげの場合は、何かに身を隠してじっとターゲットを見つめます。
そしていざ襲う直前になると、お尻としっぽをプルプルと動かし、狙いを定め、飛び掛かります。
※最近は飛び掛かりこそするものの、噛みはしないというよく分からないこともするようになりました(笑)
このように猫に襲い掛かられるのが分かる場合は、襲われる前にその場を離れましょう。
無暗に対応しようとしても、更に興奮させてしまうだけです。
猫は多少大人しくしていたり、暇な時間が続くと、自然と眠ったり、ゆっくりしてくるものです。
猫が狩りモードから、のんびりモードに変わるのを待ちましょう。
また違う獲物を用意するのもありです。
私はよく椅子にデスノートのキャラクターLのような感じで座っているのですが、椅子の下から足を度々狙われます。

▲椅子の下から私の足を狙うわたげ
このような状況で足を狙われると、私はスリッパや別の何かをその辺に投げます。
するとわたげには、それが急に飛び逃げてきた獲物のように見えるため、そっちに飛びかかるのです。
こうして猫の興味の対象(獲物)は私の足から、他の物に移るのです。
常にこの方法が上手くいくわけではありませんが、10回やって5,6回ほどは興味の対象を変えることができます。
襲われても反撃しない
私もわたげが小さい頃は、しつこく噛まれたりした場合に反撃するようにしていました。
反撃すると言っても、噛まれた状態の腕を振り回してみたり、襲われたときに突き返すくらいのものですが。
ただ時には、わたげは噛まれるということが痛いことを知らないため、気軽に噛んでいるのだと思い、痛さを教えるために、背中の皮膚を噛み返したこともあります。
ただ結論から言うと、反撃することに効果はなく、むしろ逆効果でした。
腕で牽制したりすると、わたげは更に興奮して、「殺してやる!」とでも言わんばかりに、更に凶暴さを増して襲い掛かってきました。
猫によっては有効的な方法なのかもしれませんが、私の猫には逆効果でした。
結論から言うと、猫の多頭飼いをすると、噛み癖が大抵治ります。
一緒に暮らす猫とじゃれる中で、噛まれることの痛みを知るのがその理由です。
ただそれだけでなく、一人暮らしで留守にする時間が長い場合に、遊び相手ができるのもその理由のひとつです。
多頭飼いをする余裕があり、飼っている猫の噛み癖で悩んでいる方には、本当におすすめの方法です。
私の友人であるしつけをして、噛み癖を治したという人がいます。
その方法とは、強く噛まれた場合に「指を口の喉元までグッと入れる」というものです。
当然猫は苦しく嫌な思いをしますが、「噛む=指を入れられる」と理解して、噛み癖がなくなる子もいるようです。
ちなみに綿毛の場合、少し効果はありましたが、劇的に改善したということはありませんでした。
とは言え、猫によってはこの方法でかなり噛み癖が改善されるようです。
愛情を注ぐ
わたげの噛み癖が最もひどかった時、正直かなりうんざりしていました。
そこで先ほど書いたように、噛み返したりしてみたのですが、ふと「猫相手になにムキになっているんだろ。」と思ったのですね。
つい口が開いて噛んでしまうのは、わたげの性質の一つなのだから、受け入れて愛情を注いでやろうと思うことにしました。
それまでどうにかして噛み癖を治そうと思っていたのですが、全てを思い通りにはできないのだと実感したのですね。
それを感じてからは、より優しく接するようになりました。
わたげと触れ合う時間を増やしたり、それまで以上にコミュニケーションをとるようにしました。
すると不思議なことにわたげは少しだけ優しくなり、噛み癖も若干ですが治りました。
なんでこうなったのかは分かりませんが、確かに噛み癖が少し弱まったのです。
甘噛みと本気噛みを区別する
わたげの噛み癖を観察する内に気付いたことがあります。
わたげは本気で噛むときもあれば、愛情表現としても普通に噛みます。
愛情表現の噛むのは、俗に言う「甘噛み」ですが、他の猫と比べても甘噛みさえけっこう強いです。
ただ私が噛まれ慣れたせいか?ある程度の甘噛みであれば、それほど気にならなくなりました。
というより「攻撃しようと思って噛んでいるのではない。」と思うと、「まあいいか。」と思えるようになったのですね。
もちろん嫌な時は振りほどきますが(笑)
ただ甘噛みの時は、あまり怒らないようにしました。
大抵甘噛みの場合は軽くいなせば、向こうもこっちが嫌がっているのを分かって、違うものを噛みに行ったり、噛むのを渋々やめてくれます。
もちろん本気噛みのときは、こっちも毅然とした対応を取る必要があると思っています。
代わりの獲物を提供したり、狩り遊びをさせる、もしくは何かに集中したいときはケージに入れても良いと思います。
ただ甘噛みが痛いからと言って、突き返してしまったりすると、猫は「愛してるから噛んでるのに、なんだよ!」となって、そこから本気噛みになってしまいます。
そのため甘噛みの時は、軽くいなす程度に避けるようにしましょう。
ターゲットにされたら水滴をかける(霧吹き)
いくら飼っている猫を愛していても、外出前に襲い掛かられたり、何かに集中しているときに襲い掛かられると正直イラッとしますよね。
そんなとき私は、指先に水を付けて、水滴を猫に飛ばします。
イメージとしては、ワンピースのキャラクター、魚人族のアーロンがやっていたような感じです(笑)
わたげは水滴を飛ばされるとすぐに走り去って、態勢を整えます。
猫は長時間一つのことに集中するのが苦手な生き物です。
というより何か別のことをし始めると、それまでやっていたことは忘れて、新しいことに意識がいってしまうのです。
わたげも一度水滴をかけられ、逃げるために違う場所に行くと、大抵気分を落ち着かせるため、グルーミングをし始めます。
すると、先ほどまで狙っていた獲物(私)のことはどうでも良くなってしまい、違うものを狙ったり、違うことに夢中になりだすのです。
使ったことはないのですが、噛まれたときに霧吹きを猫に吹きかけるのも、水滴をかけるのと同じことだと思います。
大人(成猫)になるのを待つ
わたげは現在月齢7カ月の子猫です。(2017年7月現在)
生後4~7カ月ほどの子猫は歯が永久歯に生え変わっている途中のため、口がむず痒い思いをしています。
そのため、この時期は噛み癖を持っている子が多いです。
わたげはそれだけでは説明できないほどの噛み癖の持ち主なのですが、それでも大人になるにつれて、多少落ち着き、噛み癖も控えめになってきました。
噛み癖が強い子猫を飼っている方は、現在は本当に大変だと思いますが、ある程度大人になるのを待ちましょう。
どんなに好奇心旺盛で噛み癖の強い猫でも、大人になるにつれて落ち着いてくるものです。
余談ですが私は現在猫カフェ店員+ペットショップ店員をしています。
そんな私がこれまでに最も強い噛み癖を持っていると思った猫(わたげ)でさえ、月齢を経るにつれ、多少は噛み癖が和らいだのですから、きっとあなたの猫の噛み癖も弱まっていきます。
まとめ
噛み癖を持っている猫を飼うのは本当に大変です。
ただいくつかのしつけやコツを知ることで、噛み癖が完全になくなるかは別として、多少は噛み癖が直ります。
また現在噛み癖が強い猫で悩んでいたり、何か私に聞きたい、こんな場合はどうしたらいいか知りたいという方がいれば、コメント欄から質問を下さい。
分かる範囲で、私であればどう対応するかを真剣にお答えさせていただきます。
やっぱり一人の猫好きとして、猫のことを嫌いになってしまう前に、できる限りの対応はさせていただきたいものです。
photo credit:Tnarik Innael by “he dicho que no y es que no”、Evan Blaser by February 11, 42/365
生後3ヶ月ほどのオスです。ストれる一杯なのか噛みまくりです。じゃらしで遊んだり、水鉄砲、喉に指を突っ込む、大きな音、考えられること全てしました。機嫌よく膝で寝ていて、突然噛みまくります。こちらも噛み返すのですが、しばらく交戦が続きます。。。何が気に入らないのかさっぱりわかりません。うちに来て1月程ですが、手放すことを真剣に考えています。
ゆき様
コメントありがとうございます。
たくさん噛まれてしまうと、精神的に辛くなってきてしまいますよね。
まだお家に来て、1カ月程だということなので、もしかしたら子猫なのではないでしょうか?
特にペットショップ出身など、猫の社会化期(幼少時代)に母猫や兄弟猫と十分な触れあいをできていない子は、噛み癖がひどくなりがちです。
また、基本的には猫は小さい頃は乳歯から永久歯へ生え変わる関係上、歯がかゆくて仕方がなくなるものです。
そんな時は多かれ少なかれ噛み癖が出てきてしまう子が多いのも事実です。
ちなみに噛まれた際のリアクションは(噛み返したり、水鉄砲、喉に指を突っ込む)などは、一部の猫には逆効果です。
それによって、噛まなくなる子もいれば、逆に更に強く噛み返してくるなどの反応を取る子もいます。
コメントを拝見する限りですと、ゆきさまの飼われてる猫ちゃんは、逆上するタイプの子なのだと思われます。
お辛いでしょうが、今の段階で手放すのは、少し時期尚早ではないかと考えられます。
このタイプの子の場合、時間が噛み癖を解決することにつながるでしょう。
管理人が愛猫のわたげの噛み癖がひどかった時期は、噛まれたら相手にしない、もしどうしても追いかけられるようなら、厚手の長袖の服などを来てその部分を噛ませるようにしていました。
小さいころは多少は仕方ない部分もあると思うので、猫が1歳~1歳半になるくらいまで、もう少しだけ耐えられると状況が好転すると考えられます。
引続き悩み事などがあれば、コメントを頂ければ、相談にはのらせていただきます。
ゆき様のねこちゃんの噛み癖が改善することを願っています。