猫の飼い主さんなら誰しも、意外と猫の嘔吐が多いのに驚いたことがあるのではないでしょうか?
猫は体に悪いところがなくても嘔吐をする動物ですが、常に元気だというわけでもありません。
場合によっては嘔吐が病気の兆候などを知らせるきっかけになることもあります。
そこで今回は猫の嘔吐の原因を紹介していきます。
目次
嘔吐の原因
猫がよく吐く動物であることは、比較的知られている事実だと思います。
それでも自分の子が吐いていたら「大丈夫かな?」と心配になってしまいますよね。
実は猫の嘔吐は「大丈夫な嘔吐」と「危険な嘔吐」の2種類があります。
それぞれの違いについて紹介していきます。
大丈夫な嘔吐
大丈夫な嘔吐は以下になります。
- 毛玉が原因の嘔吐
- 早食いが原因の嘔吐
- キャットフードや添加物が原因の嘔吐
- 白い泡や黄色い液体の嘔吐
- 猫草を食べたことによる嘔吐
毛玉が原因の嘔吐
猫はクシのような自身の舌で、抜け毛を取るために頻繁にグルーミングをします。
そして舌で取った毛が口の中に多く入り塊となることで、毛玉となってしまいます。
毛玉が体の中にあるままだと、多く食事をすることができないため嘔吐して外に出すのです。
もしくは嘔吐ではなく、便と一緒に出てきます。
こういった毛玉の嘔吐は長毛種の猫に特に多く、しっかりとブラッシングをする習慣を作ることでこの嘔吐は少なくなります。
毛玉が体の中で大きくなってしまうと「毛球症」という病気になって、場合によっては手術をしなければ行かないことになるため気をつけましょう。
早食いが原因の嘔吐
ドカ食いをする猫に多く見られる嘔吐です。
猫の胃袋は体の大きさによって違いますが、一般には以下のように言われています。
- 3kgの猫→180mlの胃袋の大きさ
- 4kgの猫→240mlの胃袋の大きさ
このようにそれほど猫の胃袋は大きくないのですね。
当然この胃袋の許容量以上のご飯を一気に与えると、嘔吐してしています。
こういった嘔吐は大抵早食い(ドカ食い)が原因となります。
特に多頭飼いの場合で、食器を一緒にしている場合に起こりやすいですね。
こうした嘔吐を避けるためには飼っている頭数分の食器を用意することや、早食い防止用の食器を使うことがおすすめできます。
また毎日与えるご飯の量を適当ではなく、しっかりと測って与えることが大切です。
キャットフードや添加物が原因の嘔吐
キャットフードがその猫の体に合っていない場合や、添加物が多く含まれているキャットフードを与えていると猫によっては体に合わず嘔吐してしまうことがあります。
猫によっては餌を変えるだけで、ほとんど嘔吐しなくなることもあります。
白い泡や黄色い液体の嘔吐
猫は食べたばかりのキャットフードや毛玉以外にも、液体を吐くことがあります。
白い泡は「胃液」で、黄色い液体は「胆汁」です。
このどちらかを戻してしまった場合は、空腹が原因の可能性が高いです。
こういった空腹が原因の嘔吐をなくすためには、食事感覚の調整をすることをおすすめします。
例えば「夕方にご飯→翌日昼前にご飯」と言うような生活から「夕方→早朝」というような生活に変えるなどですね。
そういった調整が難しい場合は、自動給餌器などを検討するのも一つの手ですね。
猫草を食べたことによる嘔吐
猫によっては自分から猫草などを食べて、嘔吐を促そうとする子がいます。
嘔吐を促そうとする理由は、大抵の場合毛玉を出すためです。
猫草は必ずしも必要なものではありませんが、用意しても問題はありません。
猫が気に入るようなら、用意するようにしても大丈夫です。
危険な嘔吐
危険な嘔吐は以下になります。
- 嘔吐を繰り返す
- 茶色の(血が混じった)嘔吐
- 便の臭いがする嘔吐
- 悪食、誤飲や誤食が原因の嘔吐
- 病気、ストレスが原因の嘔吐
- 寄生虫が原因の嘔吐
- 緑色の液体の嘔吐
嘔吐を繰り返す
上記で挙げた「大丈夫な嘔吐」でも繰り返してしている場合は、一度獣医さんに診てもらうことをおすすめします。
週に1回程度の嘔吐ならまだしも、毎日吐くような場合は何か別の理由が関係していることが考えられます。
茶色の(血が混じった)嘔吐
嘔吐物を見ること自体、気持ち悪いと思う方は多いと思いますが、嘔吐物は病気などを知らせるバロメーターとなることがあります。
嘔吐物が茶色(血が混じっていると思われる色)の場合は要注意です。
血が混じっている時は、「胃潰瘍」や「腫瘍」が体の中にある危険性があります。
この場合はすぐに獣医さんに診てもらうようにしましょう。
便の匂いがする嘔吐
嘔吐物から便の匂いがする場合は要注意です。
便の匂いがするということは、腸閉塞により腸が詰まってしまって便が出せないことが考えられます。
そして便が嘔吐として外に出てきてしまうのですね。
閉塞の原因としては、おもちゃなどを誤飲して腸に詰まってしまっていることや、病気が原因の可能性も考えられます。
いずれにしてもこのような嘔吐を猫がしてしまったら、一刻も早く獣医さんに診てもらうようにしましょう。
悪食、誤飲や誤食が原因の嘔吐
普段与えている食事でないもの、例えば虫などを悪食することで嘔吐してしまうことがあります。またおもちゃや、食べ物でないものの誤飲や誤食に関しては要注意です。
こういったものを飲み込んでしまうと以下の症状が見られることがあります。
- 苦しそうにしている
- 吐こうとするもよだれしか出てこない
- 頻繁にえずく
- 食欲不振
上記の症状が見られる場合は、すぐに獣医さんに診てもらうようにしましょう。
病気、ストレスが原因の嘔吐
基本的には猫は嘔吐をした後少し経つとすぐにいつも通りの元気な姿を見せてくれます。
ただ嘔吐後もずっと元気がない、気分が悪そうにしている場合などは、病気やストレスが原因の嘔吐だったことが考えられます。
こういった場合も同様に獣医さんに診てもらうようにしましょう。
寄生虫が原因の嘔吐
お腹などに巣くう寄生虫が原因で嘔吐をしてしまうことがあります。
その代表的な例が「回虫」という白く長い寄生虫です。
回虫の卵が入った糞などを舐めてしまったりすることで移る、「経口感染」が感染源となります。
ペットショップから来たばかりの子猫ちゃんなどは寄生虫に感染していることがあるようなので、必ず病院でしっかり見てもらうようにしましょう。
緑色の液体の嘔吐
嘔吐物が緑色の液体である場合は要注意です。
観葉植物の悪食や、病気が原因での嘔吐の危険性があります。
猫にとって観葉植物を含む多くの植物は毒になります。
そのため放し飼いにしていない場合でも観葉植物などを食べたケースも考えられます。
また胃腸が弱くなっていたり、腫瘍ができていることで緑色の液体の嘔吐物を出すこともあります。
どちらの場合でも猫にとってはかなり危険な状態であるため、獣医さんに診てもらうようにしましょう。
まとめ
猫は嘔吐をする動物ですが、どうして嘔吐をしているのかをしっかりと判断する必要があります。
場合によっては何か体の異常を知らせるサインが出ているかもしれません。
自分では分からないという場合は、獣医さんの意見を聞くようにしましょう。
photo credit:Evan Blaser by 27/365