人間の女性には月に1度生理がありますが、猫ちゃんはどうなっているか知っていますか?
メス猫を飼っている方は、そういった事情について気になることもあるでしょう。
そこで今回はあまり知られていないメス猫の生理や、発情期について詳しく紹介していきます。
目次
そもそも猫に生理はあるの?
結論から申し上げると、「猫に生理はありません」。
そのため交尾していない猫が陰部から出血をしている場合は、病気やトラブルの可能性が考えられます(詳しくは後述)
ただその代わり、猫には発情期があります。
発情期にオスから交尾を迫られると、メス猫は受け入れますが、それ以外の時期はオス猫を拒絶するのです。
そんな発情期は大きく3つの周期で分けることができます。
- 発情前期(ステージ1)
- 発情期(ステージ2)
- 発情後期(ステージ3)
それぞれどんな違いがあるのか見ていきましょう。
発情前期(ステージ1)
これは発情の始めの段階で、およそ1~2日ほど続きます。
発情前期では、メス猫の食欲が増し、普段と比べて落ち着きがないように見えるでしょう。
ただこの段階では、まだオス猫を受け入れる状態にはなっていないので、交尾するためのアピールなどをすることはありません。
この時期にオス猫に迫られたとしても、拒絶の意思を見せます。
発情期(ステージ2)
発情期は文字通り、発情の時期になります。
およそ4~10日ほど続き、この期間にメス猫は明らかに普段と違う様子を見せます。
誰に対しても擦り寄っていき、かなり鳴き声を発することでオス猫に対してアピールをしていきます。
この時期にオス猫に迫られると、メス猫は尾を横にずらして迎え入れる態勢を取ります。
発情後期(ステージ3)
発情期の間に交尾が行われると、50時間ほど経ってから排卵が起こります。
一方、発情期の間に交尾が行われないと、発情期が終わったころに卵胞が退行します。
また発情後期になると、メス猫はオスを迎え入れようとはしなくなります。
そしてこの3つのステージが休みを経て、年に2~3回ほど起こることが多いです。
猫に生理がないのは、その生殖能力に隠されています。
猫の体は交尾すると、その刺激によって排卵をするという仕組みになっているのです。
そのため妊娠率はとても高く、一回の交尾でも妊娠する可能性はほぼ100%と極めて高いです。
猫の発情期はいつ来るの?
人間の女性は月に1度の周期で月経が来ます。
また犬も年に2回生理が来るという周期になっています。
一方猫には生理がなく、かつ発情期の周期も特に決まっていません。
ただ猫の発情期がやってくるタイミングは、日照時間によって左右されています。
春と夏が発情期になりやすいのは、日照時間が秋冬と比べて長いためです。
ただ室内飼いのメス猫の場合は、一年を通して発情期を迎えることもあります。
「日照時間=室内の明かり」であることが、年中発情期となってしまうこともある要因の一つです。
基本的には生後4~18か月頃で、初めての発情期を迎えると言われています。
発情期には普段とは異なる鳴き声や、スリスリ行動がいつも以上に散見されるようになるでしょう。
▲発情期のメス猫の鳴き声
一般にシャムやバーミーズをはじめとした、アジア系の短毛の猫種は生まれてから4~6カ月程と、比較的早い段階で発情期がやってくると言われています。
逆にペルシャやヒマラヤンなどは、12ヵ月程経ってから発情期がやってくる傾向があるため、平均より遅いと言えるでしょう。
生理のような出血の原因
猫には生理がありません。
そのため生理のように陰部から出血をしている場合は、何かしらの病気やトラブルが原因の可能性が高いです。
陰部から出血をしている場合に考えられる病気の種類は、大きく2つに分けられます。
- 子宮系の病気
- 泌尿器系の病気
この2つの系統の病気では、どちらも陰部から出血しているように見えるものです。
より詳しくは、それぞれ下記のような病気の可能性があります。
子宮系の病気
子宮の病気は主に以下になります。
- 子宮がん
- 子宮蓄膿症
- 子宮内膜炎
子宮関係の病気で最も猫がかかりやすいのが、「至急蓄膿症」です。
子宮の内部に膿が溜まってしまう(蓄膿)病気です。
若いメス猫でも見られますが、通常5歳以降のメス猫によく見られる病気で、原因は細菌が子宮内に侵入してしまうことにあります。
飼っている場所が汚かったり、ストレスなどによって免疫力が落ちていると発症しやすい病気であるため、なるべく飼育スペースはきれいにして、ストレスを溜めさせないようにしましょう。
お腹が膨らんでいたり、食欲減退、多飲多尿、吐き気などの症状が見られるようになったら要注意です。
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泌尿器系の病気
- 膀胱炎
- 尿路結石
オス猫は尿道が細く長いため、尿路結石になりやすいです。
尿道が細く長いと尿路結石になりやすいのは、結石が出来てしまった時に、小さいものでも詰まりやすくなってしまうからです。
一方メス猫は尿道が太く短いため、膀胱炎になりやすいです。
尿道が太く短いと膀胱炎になりやすいのは、細菌が膀胱から入ってしまい、すぐに腎臓などに到達してしまうからです。
特に膀胱炎は猫ちゃんの病気の中でも、最もかかりやすい病気の1つであるため、気をつけてあげる必要があります。
陰部からの出血の場合、「子宮系」「泌尿器系」の病気の可能性が疑われます。
もしトイレなどに血が混じっている場合は、必ず獣医さんに診てもらうようにしましょう。
まとめ
猫は生理がない動物です。
そのため生理のように陰部から出血していた場合は、何らかの異常(病気などの可能性)と捉える必要があります。
大事になる前に、獣医さんに診てもらうようにしましょう。
また猫の発情期に関する悩みの多くは、避妊手術を行うことによって解消されます。
避妊手術についてよく分からないという方は、こちらの記事を併せて読んでみてください。