深夜2:00「猫の運動会を始めます!」
当然こんな宣言はないのですが、大人しくしていた猫が急に部屋の中をドタバタと駆け回ることがありますよね。
実はこの行動は「猫の運動会」と呼ばれていて、飼い主さんなら一度は見たことがあるのではないでしょうか?
今回はそんな猫の運動会が起こる原因や、起きないようにするための対策を紹介していきます。
目次
猫の運動会って何?
大人しくしていた猫が、急にこれ以上ないというほどのエネルギーで部屋の中を走り回ったり、暴れだしたという経験はありませんか?
これがいわゆる「猫の運動会」と呼ばれている現象です。
猫の運動会は主に、早朝や深夜によく見られます。
なぜこの時間帯に猫の運動会が行われるかと言うと、猫のライフスタイルにその理由があると考えられています。
猫は元々ネズミを捕食する生き物で、ネズミが動くのは主に夜中(特に深夜)です。
結果、猫もネズミを捕らえるため夜行性になっていったため、深夜や早朝にこの行動が多く見られるのです。
猫の運動会の原因は?
猫の運動会の原因を一言で表すと「暇だから」です。
猫の運動会には、実は「真空行動」という正式名称があります。
動物行動学の用語。
特定の原因がないにも関わらず急に発症するもので、エネルギーが一定以上に溜まると、前兆がなく急に発症します。
つまりどういうことかというと、「あまりに退屈で、溜まったエネルギーを発散するための行動」それが真空行動であり、猫の運動会なのです。
それでは猫の運動会が起きないようにするために、どうしたらいいかも既にお気付きですよね。
「エネルギーの発散を適度にする」これに限ります。
では具体的に、猫の運動会を起こさせないためのエネルギー発散の方法として、どういったものがあるかを次の章で紹介していきます。
※ちょっと長いので興味ない方は読み飛ばしてください。
動物行動学の用語、「真空行動」ってどうしてこんな名称がついているのか気になりませんか?
「真空」という用語がどこからきたのか、そしてその理由を調べてみました。
まず真空行動とは英語で「Vacuum activity」と言います。
これを日本語訳で真空行動と言うのです。
この「Vacuum activity」を英語版のwikiで調べると、以下のような文章が出てきます。(そこまで重要な調べものじゃないのでwikiを使いました。)
“From Latin vacuum (an empty space, void) noun use of neuter of vacuus (empty) related to vacare (be empty).”
訳すと
「ラテン語のvacuum(空虚)vacuusという中性形の名詞、vacareという動詞に関係してる」←なんとなくですが、こんな感じの意味になります。
つまりvacareという動詞が、意味としては関連があるようです。
そのためvacareという単語を調べてみると、以下のような意味が出てきます。
・vacare (自動詞)
⇒空(空虚)である、暇である←←これだー!!!!( `ー´)ノ
つながりました!
「暇である」、この一文が理由のようです!
つながりとしては以下のような感じになります。
ラテン語の「vacare」(空虚である、暇である)⇒英語の「vacuum」(真空、空虚感)⇒日本語の「真空(空虚、暇である)」
このように「真空」というかっこいい行動になっているだけで、語源は「暇」なのです。
真空(空虚・暇である、故の)行動
⇒真空行動
確かに「暇行動」よりかは、「真空行動」の方が専門用語っぽいですねw
ただ真空行動よりかは、暇行動の方が100倍分かりやすいと思いますよね(^^)
猫の運動会の対策6つ!
猫の運動会は一度起きたら、基本的には終わるまで待つしかありません。
溜まりに溜まったエネルギーの発散行動なので、ある程度猫が満足すれば自然と収まります。
それでは、猫の運動会が起きないようにするための「エネルギーのガス抜き」にどういった方法があるかというと、以下の6つの対策があります。
- 狩り遊びによるストレス発散
- キャットタワーの設置
- (単頭飼いの場合)多頭飼いにする
- 一度深い眠りに落ちたら、極力起こさないようにする
- 猫用のヒーリング音楽をかける
- 運動会が終わるのを待つ
1.狩り遊びによるストレス発散
どんな猫でも生まれながらに、狩りをする本能を持っています。
猫にとっては狩りができないと、本能に基づく行動ができないため、ストレスが溜まっていきます。
ただ室内飼いだと、実際に狩りをさせてあげることは難しいですよね。
それではどうしたらいいかと言うと「狩りっぽい遊びをさせてあげれば良い」のです。
最近は釣竿タイプの猫じゃらしがあり、それを使えば本当に狩りをしているような体験をさせてあげることができます。
どうしても室内飼いの猫は刺激が少ないため、飼い主さんがある程度刺激を与えて、ストレス発散を手伝ってあげる必要があります。
1日15分程度で大丈夫なので、時間を作って集中的にしてあげましょう。
おすすめの時間帯としては、早朝と飼い主さんが寝る直前です。
集中して遊べば、10分程度で息を切らすくらいには遊ぶことができるでしょう。
具体的にどんな感じで遊べばいいか分からないという方は、こちらを参考にしてみてください。
▲生きているネズミを狩っているような体験を提供するのが大切です。
また自分でやるのが面倒であれば、「キャッチミーイフユーキャン」という自動で動いてくれるタイプのおもちゃもあります。
キャッチミーイフユーキャン
2.キャットタワーの設置
キャットタワーがあると、猫のストレス解消に役立ちます。
猫にとって縄張りがあるというのは大きなことなのですが、手軽に縄張り候補を作れるのです。(必ずしも気に入るかは分かりません。)
ただキャットタワーのメリットはそれだけではなく、猫が上下運動できるようになるというのも大きいです。
猫にとっては、床の上を走り回る平面運動よりも、ジャンプなどによる上下運動の方が重要です。
猫用ケージの多くに、上下スペースがあるのはこのためです。
上下運動は平面運動よりも大きなエネルギーを使うので、真空行動の予防に役立つのです。
実際私の猫もキャットタワーが来てから、運動会を開く頻度が減ったように思われます。
3.単頭飼いの場合、多頭飼いにする
単頭飼いの場合、留守番をしている間は暇になります。
キャットタワーや窓にくっつけるタイプのハンモックなどを設置してあげることで、ある程度のストレス発散は出来ますが、それでもやっぱり暇にはなります。
これを解消する一番良い方法は「多頭飼いをすること」です。
仲良くなるまでいかずとも、決定的に仲が悪くなければ、お互いに遊び相手になることはできます。
ただ多頭飼いの場合、うまくいくように努力する必要が出てくる場合もあるので、事前に考慮する必要があります。
4.一度深い眠りに落ちたら、極力起こさないようにする
猫にもノンレム睡眠(深い睡眠)とレム睡眠(浅い睡眠)があります。
猫が小さい頃は深い睡眠から目が覚めると、高い確率で運動モードに入ります。
そのため夜中に一度寝始めたら、なるべく起こさないように気をつけましょう。
私の猫も少し前までこの傾向が強かったです。
しっかり眠っている状態で、起きると部屋の中を走り回っていました。
今ではほとんどありませんが、場合によっては、寝ている私の顔や手を襲ってくることもありました( ;∀;)
もちろん起こさないように、大きな物音を立てないのが一番です。
ただ夜中に猫が寝起きの興奮状態になってしまい、飼い主さんがこれから寝るという場合は、猫を朝までケージの中に入れるのも一つの手です。
寝始めるタイミングは猫と人で違うので、必ずしもうまくいくわけではないのですが、私宅では一緒に寝ると大抵朝までぐっすりです。
途中で起きても、少し涼しいところに移って寝るなどになります。
5.猫用のヒーリング音楽をかける
効果がどれほどあるのかは分かりませんが、猫用のヒーリング音楽をかけるのもリラックスさせる一つの方法です。
コメントを見ていると、実際リラックス効果が感じられた方もいるようです。
私の猫は正直あんまり変わりませんでした。
▲猫用のヒーリング音楽
6.猫の運動会が終わるのを待つ
猫の運動会って、始まった瞬間はかなりびっくりしますよね。
ただ改めて見ていると、そんなに長続きしていないのが分かると思います。
長くても10分ほどでしょうか。
やっぱりかなり激しい運動になるので、早い段階で息切れしてくるんですよね。
なので「おー始まった!」といった観客目線で、猫の動きを眺めて終わるまで待つのもありだと思います。
猫の運動会は何歳まで続くの?
猫の運動会は大抵の場合、1歳を過ぎると収まってきます。
完全になくなることはありませんが、頻度が少なくなります。
なので今猫の運動会で困っている方も、それがずっと続くわけではありません。
月齢を経てくれば、大抵の猫は落ち着きが出てくるので、それを待ってみても良いのかもしれません。
騒音やご近所トラブルが気になる場合は?
マンション暮らしやアパート住まいの場合、猫の運動会による騒音が気になりますよね。
これ以上ないほどに部屋の中を走り回るので、かなり騒がしくなります。
お昼であればまだしも、深夜3時とかにかなりうるさい物音を立てるのはちょっといたたまれないですよね。
猫の運動会は上記で挙げた手法で、頻度を少なくすることは出来ます。
ただそれでも完全になくすことはできません。
そのためいざ起きてしまった場合でもうるさくならないように、絨毯や防音シートを部屋に敷いておくのもおすすめです。
床暖房対応ジョイントマット
まとめ
猫の運動会は小さいころは特に多く、それが原因で寝不足気味になることもあります。
ただ対策を取れば頻度自体は少なくなりますし、猫が月齢を経ていけば落ち着くようになってきます。
それでもどうしても我慢できないという場合は、ケージを活用したり、別部屋を利用するようにしましょう。