猫を飼うときにケージは必要でしょうか?
中には「猫をそんな狭いケージの中に入れるのは可哀想」といった意見や「ほとんど使ってないし部屋の邪魔になるから」といった理由で片付ける方もいらっしゃると思います。
このように否定的な意見が上がることもあるケージですが、実は猫さんにとって重要なアイテムの一つと言えます。
今回はその理由や、ケージ飼いをするときに注意したいお世話のポイントなどを紹介していきます。
目次
猫を飼うのにケージは必要?
結論から言ってしまうと、猫さんを飼うのに必ずしもケージは必要ありませんが、猫さんのためにあった方がいいです。
どういうことかというと、猫さんが元気でない時や災害の際などはケージがとても大切になってくるのです。
- 猫さんが怪我をしている時の安静どころとして活躍
- 災害時のケージは安心できる場所(自分の縄張り)としてストレス軽減につながる
猫さんは怪我をしている時、自然の本能から自身の怪我を隠し、それを悟られないようにじっとする習性を持ちます。
そんな時にケージがあると、他のものから身を隠すうってつけのスペースとなります。
また、普段ある話ではありませんが、災害時は一時的に被災地などで暮らすことになります。
そう言った場所では、ケージは猫さんにとって自分の縄張りとして限られたスペースの中でも、比較的快適に過ごすことができるのです。
他にも、猫さんと飼い主さんが上手に共同生活を送るためにあった方がいいケースもあります。
例えば噛み癖が強い子や、人が寝ている際に飛びかかる癖を持っている子などの場合は、飼い主さんが安眠を確保する上でもあった方が便利です。
私は以前かなり噛み癖が強い子を飼っていましたが、子猫の時にはケージの中に入れないと夜は恐怖でろくに寝れませんでした。
なぜなら、私が寝ている時に顔を襲ってくることがあったからです。(笑)
猫さんが一緒にまどろんでいて、ゆっくりしている時なら一緒に寝れますが、スイッチが入っている状態で一緒に寝るのは到底できませんでした。
そのため子猫時代は、夜寝る時は基本的にケージの中に入ってもらっていました。
普段何もない時にケージを閉じたり、留守番時にケージで過ごさせるのは(幼い子猫は賛成ですが)あまり賛成できません。
個人的には、基本的にケージを開放しておき、普段から慣れてもらい、必要な時にはケージに一時的に入ってもらうというのが上手な使い方と考えます。
以下では、子猫を飼っている方や、事情があってケージ飼いを時折されているという方が参考になるよう、ケージを使いながら飼う際に気をつけるべきポイントを紹介していきます。
猫をケージ飼いする際に注意すべき5つのポイント!
猫をケージ飼いする際に気をつけるべきポイントは以下になります。
- ケージの中に用意するもの
- 長時間ケージに閉じ込めない
- ケージのカーテンを用意する
- 常に水は清潔なものを用意する
- 温度管理に気をつける
1つずつ詳しく見ていきましょう。
狭い場所で暮らすことに慣れさすことができます。
猫に入院生活などが必要になったとき、動物病院では小さいケージの中にずっと入っていることになります。
そうしたときに、普段狭い場所の中で過ごす経験がない子は大きなストレスを抱えますが、ケージ飼いにある程度慣れていれば、ストレスもそれほど大きくなく済みます。
ケージの中に用意するもの
ケージの中に最低限、用意する必要があるものは以下になります。
- トイレ(猫砂)
- 水皿
- ベッド
基本はこの3つが揃っていれば問題はありません。
中にはご飯も少しは入れておいた方が良いという人もいますが、ご飯を置いておくとある分だけ食べてしまうタイプの子を飼っている場合は、決めた分量だけあげるようにした方が良いでしょう。
長時間ケージに閉じ込めない
ケージに猫を入れるのは、必要に迫られたときだけにすることをおすすめします。
よっぽどの事情がない限りは、四六時中ケージの中に入れておくということはしない方が良いです。
もちろん野良猫を飼い始めたものの、怯えてしまっている場合や、まだ幼い子猫を留守番させる際など、必要になるケースもあると思います。
ただ特別な事情のない限りは、ずっとケージの中に入れる必要はないでしょう。
猫は自由な生き物です。
基本的には猫さんが望まない限りは、四六時中ケージの中にいるという状況は、猫さんのストレスにもつながるので回避するようにしましょう。
ずっとケージ飼いをするのはよっぽどの場合以外は、避けるべきです。
ケージのカーテンを用意する
ケージを使用する際には、カーテンがあると便利です。
※カーテンまでいかなくとも、広いタオルをかけるなどして、外が見えなくなるようにすれば大丈夫です。
理由は、「外が見えない方が猫さんは落ち着くことができるから」です。
私も以前、必要な時は猫さんをケージに入れていました。
ケージから外が見えると、早く出してアピール(柵をガシャガシャしたり、ミーミー鳴いたり)がかなり長い時間続くことになります。
猫さんとしては「早く出してよ!」っていう気持ちなんでしょうね(^^;)
子猫の場合は、カーテンをかけると不思議なことに、「早く出してアピール」がほとんどなくなります。
見た感じではゆったりと、ベッドの上でくつろいでいることがほとんどになります。
ケージを使うのであれば、ケージ用カーテンはおすすめです。
常に水は清潔なものを用意する
お水は新鮮なものを用意しましょう。
猫はがぶがぶ水を飲む動物ではありませんが、やはり清潔な水を用意しておくに越したことはありません。
特に寝起き、急に水を飲み始めることが猫は多いため、お水は必ず用意しておく必要があります。
お水は1日1回は必ず取り換えるようにしましょう。
またケージは普段開放しておき、その中に水皿とトイレを入れておくと、猫もケージに対してあまり嫌がることがないので便利になります。
温度管理に気をつける
猫をケージに入れる際は、温度管理に気をつけるようにしましょう。
春や秋はそれほど気を配る必要もありませんが、夏や冬は気持ちよく過ごせるようにしてあげるための対策が必要になります。
一番簡単なのはエアコンですが、エアコンが難しい場合は、夏ならクールマットを敷いてあげたり、冬なら電気湯たんぽを用意してあげるなど、いくつか対策方法はあります。
ケージの外にいれば、自然と涼しい場所、暖かい場所を見つけて、自分から移動してくれますが、ケージの中ではそうはいきません。
たとえ長い時間ではなくとも、猫が快適に過ごせるような仕組みを、飼い主さんがケージ内にも用意してあげられると良いですね。
こんな時にケージは使える?
記事の冒頭で、災害時や猫さんが怪我をした時の安静場所としてケージが使えることを紹介してきました。
ただ、そう言った時以外でも、意外とケージが活躍するシーンはあるものです。
ここからは、いくつか具体例を紹介していきます。
- 幼い子猫に留守番をさせるとき
- 野良猫を飼い始めるとき
- アイロンがけ、調理をしているとき
- 人が寝るとき(※寝ている人に飛び掛かってくる猫の場合)
- 来客があるとき
- トイレトレーニングをするとき
- 猫を隔離したいとき
- 新しい猫を飼い始めたとき
ひとつずつ見ていきましょう。
うちの子はケージに入れられるとまず、トイレを済ませようとします。
そのため食事後すぐにケージに入れると、先ほど食べたばかりのものを出そうとするので、とても緩いウンチが出てきてしまいます。
これは猫さんの個性かもしれませんが、うちの子の場合は、「ケージに入る=トイレに行くタイミング」と認識しているようなので、ケージを使われる方はぜひ気をつけてみてください。
幼い子猫に留守番をさせるとき
ペットショップから猫を引き取る場合は、そのほとんどが子猫です。
生後2~4カ月ほどの子猫の場合、留守番をさせる際にケージの外に出しておくのは多少不安なものです。
電気ケーブルを好き放題にかじったり、噛んではいけないものを噛み、つい誤飲してしまうこともあるでしょう。
そんな危険から守るために、まだ幼い子猫のときはお留守番をさせる際に、ケージに入れておくというのも一つの手です。
ただもちろん家に人がいる時には、外に出してあげるようにしましょう。
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野良猫を飼い始めるとき
野良猫は警戒心が強い子が多いです。
警戒心が強い子をお家に引取る場合などは、まず安心できる縄張りを与えてあげることが大切です。
そして縄張りとして最も適しているのが、ケージという環境です。
また他にも猫さんを飼っていた場合は、野良猫をケージに一時隔離させることでノミやダニが移る防止対策にもなりますし、いきなり一緒の空間にしてしまうと喧嘩してしまうことも考えられます。
このように野良猫を飼い始める場合も、ケージがあった方が色々と飼いやすくなるでしょう。
アイロンがけ、調理をしているとき
アイロンがけなど高熱になるものを扱っている時や、調理で火を使っている時などに寄ってこられるとなかなか怖いですよね。
そんな絶対に飛び掛かってきてほしくない時などに、ケージがあると万が一の心配をなくすことができます。
人が寝るとき(※寝ている人に飛び掛かってくる猫の場合)
人が寝ている時に飛びかかってきたり、ドタバタと走りまわる猫さんを飼っている場合は、ケージの中に入れないと飼い主さんが寝ることができません。
我が家もそうですが、寝ている時に顔に飛びかかられる恐怖があるのは、かなりのストレスになります。
部屋を分けられるのであれば大丈夫ですが、一つの部屋で飼っている場合などは、飼い主さんが寝ている時だけ猫さんにケージで休んでもらうといいでしょう。
来客があるとき
猫さんの中には知らない人が来ると、かなり凶暴になる子がいます。
そういった子を飼っている場合、来客がある際に猫を入れておけるケージがないと、かなり大変なことになります。
トイレトレーニングをするとき
まだ飼い始めの子猫などの場合、トイレの場所がどこにあるか分かってもらえないものです。
そこで、飼い始めの場合は必ずトイレをするまでケージの中に入れておくことをおすすめします。
最初のトイレがうまくできれば良いのですが、最初のトイレを失敗してしまうと、後々ずっと失敗してしまいやすいからです。
まずはトイレの場所を覚えてもらうためにも、ケージの中にトイレを入れて、ケージを閉めておくようにしましょう。
猫を隔離したいとき
複数の猫さんを飼っている多頭飼いの家の場合、下痢っぽい便がトイレにしてあったとしても、誰がしてるか分からない状況がありますよね。
そういう時は、怪しい子を一時的にケージに隔離することをおすすめします。
そうすることで、誰の調子が悪いのかを調べることができます。
またこの手法は下痢だけでなく、血便や結晶尿など様々な排泄系のトラブルを持つ子を見つけることができます。
新しく猫を飼い始めたとき
新しく猫さんを飼い始めた場合、最初は環境に慣れてもらうためにも、ケージを用意するのをおすすめします。
野良猫なども同じですが、猫さんは知らない環境に来た場合、まず自分の縄張りを確保しようとします。
そこで役立つのがケージなのです。
2頭目などを飼い始めた場合は、なおさらケージがあると便利です。
いきなり同じ環境に離してしまうと、喧嘩をしたりしてしまう可能性が高いです。
まずはケージ越しにでも、お互いの存在に慣れさせて、徐々に接触を増やしていくことをおすすめします。
猫はどんなケージを好むの?
そもそもケージ自体あまり好まれるものではありませんが、ケージ飼いをする必要があるときには、なるべく快適に過ごしてもらいたいものですよね。
猫さんにとって快適なケージとは、「上下運動ができるもの」になります。
猫は平面運動よりも、上下運動をすることを好む生き物です。
そのため横に広いケージよりかは、縦の運動ができるケージの方がおすすめです。
下記ケージなどは上下運動もできるため、ストレスも溜まりにくい構造になっています。
ボンビアルコン (Bonbi) ウッドワンサークル キャット 3段タイプ
おまけ:ケージの中で過ごした元野良ジャン君
完全なる人嫌いだった保護猫のジャン君の成長記録です。
初めはやはりケージの中という自分の縄張りでしか、生活をしていませんでしたが、飼い主さんたちに徐々に気を許してくると、ケージの外にも出てくるようになります。
3年という非常に長い時間がギュッとまとめられている、とてもおすすめの動画です。
▲凶暴な保護猫ジャンくんの3年間をギュッとまとめました 元野良猫の保護里親記録
まとめ
猫を飼うのにケージは必ずしも必要ではありませんが、シチュエーションや猫の性格によっては本当にケージが必要になることもあります。
すぐに飼う必要こそありませんが、もしないと不便だと感じるのであれば、用意するようにしましょう。
photo credit:Laura D’Alessandro by Itty Bitty Kitten