糖尿病の猫を世話するのは中々大変なこともあります。
糖尿病それ自体のケアも大変ですが、インスリン投与をしている場合などは「低血糖」にも気をつける必要があります。
そこで今回は猫の低血糖の症状や原因、予防対策や応急処置の仕方を紹介していきます。
また子猫の低血糖について詳しく知りたい方はこちらから確認できます。
目次
猫の低血糖の症状について
低血糖とは血糖値(血液中の糖分)が著しく低くなったことによって、生命が脅かされる危険な症状のことを言います。
血糖値が低くなる原因(低血糖を起こす原因)は「インスリンの過剰投与」や「栄養不足」「運動のし過ぎ」など様々です。
低血糖の原因について、詳しくは後述しています。
特に「糖尿病にかかっていて、インスリン投与をしている猫」や「子猫」は、低血糖になる可能性が高いため、十分に注意する必要があります。
低血糖になると、主に以下のような症状が現れます。
ぐったりしてしまっていたり、発作や痙攣をおこすほどの低血糖を起こしている猫を放っておくと死んでしまいます。
こういった症状が見られた場合は、いち早く応急処置をするようにしましょう。
※応急処置については後述しています。
猫の低血糖の原因
低血糖を引き起こす原因は、猫の月齢や状況によって変わってきます。
それぞれどんな原因があるかを紹介していきます。
- 子猫の場合
- 成猫や老猫の場合
- 糖尿病持ちの猫の場合
子猫の場合
子猫の場合、低血糖を起こす原因のほとんどは、「栄養不足」や「栄養補給が上手くいかないこと」によるものです。
子猫は成猫と違って、肝臓に栄養をある程度蓄えておくことなどができないため、こまめにご飯を与えないと低血糖になってしまいやすいのです。
特に生後3カ月以内の子猫の場合は、半日程度何も食べないだけでも、低血糖になってしまうこともあります。
また暮らしている環境が寒い場合も、低血糖を起こしやすいです。
子猫を飼っている場合は、適温と言われる26度前後を保つようにしたいところです。
子猫の低血糖やご飯のあげ方について、詳しく知りたい方はこちらから確認できます。
成猫や老猫の場合
成猫や老猫の場合、低血糖の原因は主に以下になります。
- 空腹
- 運動のし過ぎによるエネルギー不足
- 膵臓(すいぞう)の異常
「空腹」と「運動のし過ぎによるエネルギー不足」はどちらも似たようなものです。
エネルギーを使い過ぎた、もしくはエネルギー補給ができなかったことで、低血糖になってしまったというケースです。
一方膵臓の異常は老猫に起こりやすいです。
インスリンは元々膵臓で生成されるものですが、膵臓の異常によってインスリンが体内に過剰供給されてしまうことがあります。
糖尿病持ちの猫の場合
糖尿病とは低血糖とは逆に、血液中の糖分が高い状態で起こる様々な症状のことを指します。
そんな糖尿病にかかっている猫の血糖値を下げるために、インスリンを注射することがあります。
ただインスリンを投与し過ぎてしまうと、逆に血糖値が下がり過ぎてしまい、低血糖になってしまうのです。
糖尿病について、詳しく知りたい方はこちらから確認できます。
インスリン投与の際に注意すること
糖尿病の猫にインスリン投与をすることは大切ですが、インスリンは与えすぎてしまうと低血糖を引き起こす毒にもなります。
インスリンを2重投与してしまうなどの、偶然のミスが起こらないようにするためにも、インスリン投与をする人は家族内の1人に決めておくべきでしょう。
複数人で管理しようとすると、過剰投与してしまう危険性が高いです。
またインスリン投与の量に関しては、必ず獣医さんと相談して決めるようにしましょう。
猫が低血糖になった時の応急処置
糖尿病の猫を飼っている場合や子猫を飼っている時に、重度の低血糖と思われる症状が現れたら、すぐに応急処置をする必要があります。
応急処置の方法は「ガムシロップを猫の歯ぐきに塗ること」です。
低血糖は体内血糖値が少ないため起こる症状です。
そのため低血糖の応急処置をするには、体内血糖値を少しでも上げるために糖分を多く含んだ、ガムシロップや砂糖水などを猫に摂取させる必要があるのです。
※他にもハチミツやコーンシロップなど、ブドウ糖を補給できるものであれば大丈夫です。
ただチョコレートはダメです。
応急処置が終わったら、すぐに獣医さんに連絡して指示を仰ぎましょう。
現在子猫を飼っている人や、糖尿病持ちの猫を飼っている人は、ガムシロップを用意しておくことをおすすめします。
まとめ
猫の低血糖症は「子猫」「糖尿病持ちの猫」が特に気をつけるべき症状です。
ただ健康な成猫などが、急に発症してしまうこともあり得ます。
いつ飼い猫が低血糖を起こしてしまってもおかしくないため、ガムシロップを手元に用意しておきましょう。