人によっては去勢をさせないという方もいますが、ほとんどの方は飼い猫に対して去勢をさせています。
猫の去勢のメリットやデメリット、手術時期や費用、また手術までの流れをまとめました。
オス猫の去勢手術ではなく、メス猫の避妊手術についても知りたい場合はこちらから確認できます。
猫の去勢のメリット・デメリット
猫の去勢とはオス猫の睾丸を手術によって摘出することです。
去勢手術をすることで様々なメリット・デメリットがあります。
具体的にどういったものになるのか見ていきましょう。
去勢手術のメリット
去勢手術のメリットの多くは発情期特有の問題行動がなくなることにあります。
具体的なメリットは以下になります。
- スプレー(マーキング)行為
- 大きな鳴き声
- 平和主義になる
- 欲求不満からの解消
1つずつ詳しく見ていきましょう。
スプレー(マーキング)行為
発情期の猫は縄張りを示すために、スプレーと呼ばれる強烈な臭いの尿を壁や柱にします。
オス猫のスプレーは特に強烈な臭いがします。
去勢することによってスプレーをしなくなったり、回数が少なくなります。
猫にスプレーの癖がついてしまっていると完全になくすのは難しいこともあります。
癖がつく前に止めさせるためにも、生後半年程度での去勢手術が大切だと言われています。
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大きな鳴き声
発情期のオス猫はメス猫へのアピールをするために大声で鳴くようになります。
夜もひっきりなしに鳴き声が続くため、飼い主さんにとってはかなりストレスで、中には寝不足になってしまう方もいます。
また飼い主さんだけでなく、ご近所さんとのトラブルの種にもなってしまいます。
去勢手術によって大きな鳴き声をあげず、おとなしくなります。
平和主義になる
発情期のオス猫は他のオス猫と縄張り争いやメスの奪い合いで、喧嘩になることがあります。
こういった攻撃的な性格も去勢によって穏やかになります。
メスを巡って外に出たがることも減ります。
また外に出なくなることで、病気や感染症にかかる可能性も減るため、結果的に長生きできる可能性がより高くなります。
欲求不満からの解消
繁殖させる気がないのに、なんとなくで去勢をしないと猫には大きなストレスがかかります。
去勢手術を受けさせることで、良いか悪いかはともかく性的な欲求不満からは解消されます。
去勢手術のデメリット
去勢手術を受けることでメリットだけでなくデメリットもあります。
- 生殖能力がなくなる
- 肥満になりやすくなる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
生殖能力がなくなる
去勢手術をすることで生殖能力は一切失くなってしまいます。
一度去勢手術をすると、二度と元に戻すことは出来ません。
肥満になりやすくなる
去勢手術後のオス猫は手術前と比べて太りやすくなってしまいます。
オス猫の場合男性ホルモンの減少が強く影響しています。
手術後は食生活を見直して、しっかりと運動するようにしましょう。
去勢によって性格は変わるのか
去勢手術を受けることによって性格が変わることがあります。
具体的にどんな変化があるかというと以下になります。
- 手術のストレスから元気がなくなる
- 平和主義になる(おとなしくなる)
- 甘えん坊になる
1つずつ詳しく見ていきましょう。
手術のストレスから元気がなくなる
手術のストレスから一時的に元気がなくなってしまう猫がいます。
ストレスを抱えてしまっている猫は、大抵狭いところや高いところに隠れており姿を見せないようにしています。
無理にかまってしまうと更にストレスがかかるため、落ち着くまで様子を見ましょう。
平和主義になる(おとなしくなる)
去勢手術後の猫は、手術前と比べて攻撃的な性格がなくなります。
発情期のオス猫は他のオス猫とメスや縄張りをめぐってケンカをすることもありますが、去勢によってそういったこともなくなります。
またメス猫とも仲良くなれるようになります。
甘えん坊になる
去勢をすることで、甘えん坊になる猫もいます。
発情期にメス猫に対して向けられていた興味が飼い主さんへ向くからです。
ただツンツン猫がツンデレ猫にならず、相変わらずツンツン猫のままという場合もありますので、期待はしない方が良いと思います(^^;)
去勢手術について
去勢手術の適切な時期はいつ?
去勢手術は生後6か月頃がベストと言われています。
その理由は猫の発情期の問題行動を癖として身につけさせない為です。
オス猫の発情期は一般的に生後半年ごろに訪れると言われています。
この時期にスプレー行為などの様々な問題行動を起こしますが、これが癖になってしまってからでは完全に止めさせるのが難しいのです。
そのため癖になる前、つまり早い時期に手術を受けるのがベストと考えられているのです。
適切な時期に去勢手術を受けないと、癖からスプレーをしてしまうことがあるため気を付けましょう。
また去勢手術を受けるためにはどんな状態でもいいわけではなく、最低限のハードルがあります。
体重は少なくとも2kg以上なくては手術ができず、手術当日の猫の体調がすぐれないような場合はまた後日になることもあります。
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去勢手術の流れ
去勢手術には一連の流れがあります。
以下がその流れになります。
- 手術前検査
- 手術前日
- 手術当日
- 手術後のケア
手術前の検査として、病気の有無の検査を手術の1~2週間前に受けます。
続いて手術前日です。
手術の前日の夕方以降は、手術中のおう吐で喉を詰まらせないようにするため絶食させます。(水分は与えて大丈夫です。)
ご飯を与えないのは可愛そうですが、ここは心を鬼にしましょう。
手術当日は去勢手術の場合は当日の朝に病院に猫を預けて、夕方頃に引取ることが多いです。
手術時間は数十分程度で終わりますが、麻酔が切れた後の様子見などをする時間があります。
手術後1週間ほどたってから抜糸をします。
ただ病院によっては抜糸が必要なく、自然と溶けていく糸を使っている病院もあります。
また実際に私の飼い猫が去勢を受けたときのスケジュールや料金は、こちらから確認できます。
去勢手術の費用は?
猫の去勢手術は病院によって費用が違いますが、大体10,000円~20,000円程度です。
手術料金は病院によって全く異なるため、できるだけ安く済ませたい場合は電話で病院に問い合わせを行うことをおすすめします。
猫の不妊手術の助成金制度
区や自治体によって猫の去勢・避妊手術に対して助成金が出るケースがあります。
ただ注意して頂きたいのが、助成金が出る大半のケースは「飼い主がいない犬・猫に対して」ということです。
自身の住んでいる地域で助成金が出るのかどうかはこちらから確認できます。
区が猫の不妊手術を援助するのには考えられる限り2つの理由があります。
- 殺処分される不幸な猫を減らすため
- 野良猫の糞尿被害、鳴き声問題を減らすため
1つずつ詳しく見ていきましょう。
殺処分される不幸な猫を減らすため
保健所で殺処分される猫の数は年間約10万匹にも上ります。
殺処分が起こってしまうことにはサイクルがあります。
- 野良猫に餌をあげる人が現れる
- 野良猫が交尾する
- 妊娠、出産(3,4匹ほどの子猫が生まれる)
- そういった子猫が保健所に引取られる
こういったサイクルから殺処分される猫が増えてしまうため、区は不妊手術に対して助成金を出しています。
野良猫の糞尿被害、鳴き声問題を減らすため
また区や自治体が助成金を出している、もう1つの理由は野良猫被害を出さない為と考えられます。
野良猫が極端に増えてしまうことで、糞や尿、鳴き声の問題が出てしまいます。
そういった問題を出さないためにも去勢・避妊手術に対して助成金を出しています。
また不妊手術が住んでいる野良猫は耳を桜のような形にカットされています。
こうした猫は地域猫と呼ばれて、ボランティア団体から餌などを与えられています。
猫の去勢について思うこと
ここからは猫の去勢・避妊手術に対しての個人的な考えを書いているだけなので、興味がない方は読み飛ばしてくださっても大丈夫です。
ただ、去勢手術を受けさせようかどうか迷っている方は読んでみてもいいかもしれません。
まとめ
去勢手術を受けさせることで、発情期特有の問題行動が収まります。
ただこういったメリットの一方で、肥満になりやすくなるなどのデメリットもあります。
去勢を受けさせるかどうかはしっかりと考えたうえで決断しましょう。
また去勢手術だけでなく、避妊についても知りたい方はこちらを参考にしてみてください。