泌尿器とは膀胱や尿道など、尿に関連する部分のことを指します。
こういった泌尿器系の病気を「尿路疾患」と言い、猫はこの尿路疾患にかかる割合が高いです。
そこで今回はそんな尿路疾患の中でも、代表的な病気とその予防方法を紹介していきます。
猫は泌尿器系の病気(尿路疾患)にかかりやすい?
そもそも泌尿器とは、具体的に以下の場所を指します。
それぞれ以下の役割を持っています。
- 腎臓:尿を作り出す
- 尿管:膀胱まで尿を運ぶ
- 膀胱:一時的に尿を溜める
- 尿道(尿路):膀胱から尿を排出する
猫はこれらの器官で、病気を起こしてしまいやすいです。
以下はアニコム発表のデータで、猫の疾患でどんな分類の疾患が多いのかをまとめたものです。
見ていただくと分かるように、猫の診療費の請求で最も多いのは「泌尿器系」の病気によるものです。
つまり猫と泌尿器系の病気は、切っても切り落とせないほど深いつながりを持つと言えます。
今回はそんな泌尿器系の病気でも、代表的な4つの病気を紹介していきます。
猫に多い泌尿器系の4つの病気
以下が代表的な4つの病気になります。
- 膀胱炎
- 尿路結石
- 慢性腎不全
- 急性腎不全
それぞれどういった病気なのかを紹介していきます。
膀胱炎
膀胱炎とは、膀胱が炎症を起こしてしまう病気のことです。
- 特発性膀胱炎:原因がハッキリしない。ストレス由来のものが多い
- 細菌性膀胱炎:尿道から入った細菌(主に大腸菌)が、膀胱にて炎症を起こす
以下のような症状が見られる場合は、膀胱炎の恐れがあります。
- トイレに何回も行く
- トイレにいる時間が長い
- しきりにお腹や下腹部をなめている
- 長い間うずくまる
- トイレで鳴き声をあげる
- 血尿
- オシッコが濃い
- 粗相(トイレを違う場所でするようになる)
膀胱炎は猫に多い尿路疾患の中でも、断トツで多い病気になります。(特に特発性膀胱炎)
普段から飼ってる子に異変がないか、注意するようにしましょう。
より多く猫に見られる特発性膀胱炎は、ストレス要因のケースが多いです。
そのため予防として、普段から猫にストレスがかかりにくい生活を送らせることが大切になります。
また細菌性膀胱炎の原因は、大腸菌由来が多いため、トイレを清潔にするように心がけましょう。
尿路結石
尿路結石とは、腎臓や膀胱、尿道など、泌尿器系の器官内に結石が出来てしまう病気です。
最悪なのが、尿路結石によって閉塞を起こしてしまった場合です。
この場合、オシッコを出すことができず、放っておくと2日ほどで亡くなってしまいます。
また激しい痛みを伴うことでも有名で、以下の症状が見られたら、尿路結石の恐れがあります。
- オシッコの回数が多くなった
- 一回のおしっこで出す尿の量が減った
- 尿がキラキラしている
- 血尿
- トイレにいる時間が長い
- お腹や下腹部をよく舐めている
- 尿の際に痛そうに声をあげる
- 粗相をする(トイレを違う場所でするようになる)
このように、尿路結石も膀胱炎と同じようなサインを出します。
また尿路結石は、特にオス猫がかかりやすい病気です。
尿路結石が原因で、急性腎不全になるケースなどもあります。
主な予防方法としては、硬水のミネラルウォーターを与えない、ストレスを与えない、トイレチェックを毎日する、尿路疾患予防フードを与える、などになってきます。
慢性腎不全
慢性腎不全は、猫の腎臓が正常に機能しなくなっている状態のことを言います。
腎臓はオシッコ(毒素・老廃物)と血液(必要なもの)を分けるフィルターの役割があるため、悪化すると身体に様々な悪影響が現れます。
一度発症すると、急性腎不全とは違って、治ることがないのも大きな特徴です。
そのため治療も、あくまで症状を遅らせることしかできません。
主な症状としては、以下になります。
- 水をたくさん飲む
- オシッコの量が増える
- 薄いおしっこが出る
- 下痢、嘔吐
- 体重減少
- 食欲不振
心当たりがある場合は、早期発見が大切になるので、一度獣医さんに診てもらいましょう。
早期発見や予防方法としては、定期的な尿検査をする、硬水のミネラルウォーターは飲ませない、尿路疾患予防フードを与えるなどになってきます。
急性腎不全
慢性腎不全が腎臓が徐々に悪化してきてなるのに対して、急性腎不全は何らかの原因で突発的(1日~数日)に腎不全になる病気です。
主な症状としては、慢性腎不全と変わりません。
ただ急性腎不全によって、尿が出ない状態が2日ほど続くと、猫は亡くなってしまいます。
そんな急性腎不全が起こる原因は、主に以下が挙げられます。
- 腎臓の病気
- 尿道閉塞
- 心不全や心筋症
- 糖尿病
- 毒物摂取による中毒
- 脱水や熱中症
- 尿石症
このように腎臓に問題があって発症することもあれば、心不全や尿石症などが原因で急性腎不全に陥ることもあります。
発症後すぐに治療を行えば、回復する可能性が高くなりますが、放っておくと、命の危険もある病気になので、気付いたらすぐに獣医さんの元へ連れていきましょう。
主な予防方法としては、猫に毒になるものを与えない、尿路結石にならないように注意する、トイレチェックをする、腎臓病の兆候(水分摂取量の変化・体重減少・嘔吐・下痢・口臭)がないか注意する、などになってきます。
ペット保険のすすめ
猫は病院に行く機会は犬に比べてそれほど多くないですが、いざ病気になると、治療費が何十万円とかかるケースがざらにあります。
尿路結石による閉塞を治すために開腹手術が必要になった場合、診療費はかなりの高額(20〜25万円)になります。
保険に入っていないと、手術・入院にかかる費用は全額自己負担となってしまうのです。
猫にしっかりとした手当を受けさせてあげたいと思っていても、25万円はかなりの大金になります。
もちろん必ずこのように大きな手術をするとは限りませんが、いざという時に高額請求が発生することがあるのは事実です。
そのためもしものときのために、元気な時、若いうちからペット保険に入っておくことを、個人的には強くおすすめします。
病気になってからでは、保険加入はできないのですから。
泌尿器疾患は継続的な通院が必要になってくるため、通院補償の総合保険がおすすめです。
まとめ
猫は特に泌尿器系の病気にかかりやすい動物です。
泌尿器系の病気は放っておくと、命に係わる病気も多いです。
早期発見をするために、普段からトイレチェックや猫の様子をよく観てあげることが大切でしょう。
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