ブルー、グリーン、イエロー、カッパー(銅色)など猫の目の色にはたくさんの種類があります。
なぜ、猫は子猫から大人に成長していく際に目の色が変化するのでしょうか。
このページでは、成長する際に瞳の色が変わる理由や、それぞれの色の特徴を紹介していきます。
目次
猫の目の色が変わる理由
生まれた当初の子猫は猫種や雑種などは関係なく、全て青色の目をしています。
生後2ヵ月~3か月あたり経つことで、本当の目の色が出てくるようになります。
生まれたばかりの子猫が皆例外なくキトンブルーの目をしているのには、猫の体内にあるメラニン色素が影響しています。
猫が生まれた当初はメラニン色素細胞が働いていません。
ただ生後1カ月ごろからメラニン細胞が働き始めることで、徐々に猫の目の色も本来の色になるのです。
瞳の色が違う理由
猫の目の色がそれぞれ違う色なのは、「虹彩」と呼ばれる部分のメラニン色素の量が違うからです。
虹彩とは?
眼球の前面、ひとみの周りにある円盤状の膜。伸縮してひとみの大きさを変え、網膜に達する光の量を加減する。
虹彩のメラニン色素が少ないと透明感のある薄い色、多いとより深く濃い色になっていきます。
続いて猫の目の色の種類を紹介していきます。
猫の目の一覧画像
猫の目の色は細かく分けると10種類になります。
より大まかに分けると左右両目の色が違うオッドアイを除いて、「青」「緑」「黄色」「褐色」の4種類に分けられます。
以下の画像は瞳の色の一覧です。
上から順にメラニン色素の量が少なく、下がるにつれてメラニン色素の量が多くなっています。
- サファイヤブルー
- ブルー
- アクア
- グリーン
- ヘーゼル
- イエロー
- ゴールド
- オレンジ
- カッパー
- オッドアイ
続いてそれぞれの色の特徴を紹介していきます。
青系の目の特徴
青系とは上のチャートでいう①~③のサファイヤブルー、ブルー、アクアのことです。
実は猫の目の色の名称で「青」というのは厳密には正しくありません。
青く見えるのは、猫の目の透明部分がそのように見えているためなのです。
猫の目の色が「青」に見える猫はメラニン色素細胞をほとんど持っておらず、実際はほとんど透明ですが、私たちの目から見ると青に見えるだけというのが正しい情報です。
知的でクールな見た目ですが、繊細で控えめな性格をした子というイメージがあるようです。
緑系の目の特徴
緑系とは上のチャートでいう④、⑤のグリーン、ヘーゼルのことです。
緑色の系統の目の色をした猫もメラニン色素量は少ないです。
また青や緑のように薄い色をしている猫は、ヨーロッパにルーツを持っている猫が多いです。
厳密にはヨーロッパというよりも、寒くて日光があまり当たらない地域です。
そのため日本原産の猫は、緑色の目をしていることはほとんどありません。
ただもちろん、外国の猫の血が入ったりすることで、緑や青色の瞳を持つ日本猫もいます。
黄色・銅色系の特徴
黄色系とは上のチャートでいう⑥、⑦のイエロー、ゴールドのことです。
黄色系の目の色をした猫は、メラニン色素量が褐色系の目の色の次に多いです。
褐色・銅色系は残りの⑧、⑨のオレンジ、カッパーのことです。
銅色系の目の色をしている猫は、最もメラニン色素量が多いタイプに分類されます。
日本の猫はイエローやカッパーの目の色をしているタイプが多いです。
日本は温暖な気候で、光を集めることが難しい環境ではありません。
そのため青色や緑色などの、光を集めやすい色になる必要がなかったと考えられています。
左右の目の色が違うオッドアイとは
オッドアイは上のチャート画像の⑩のように、左右両目の目の色が違うことです。
オッドアイは先天性と後天性によって分かれています。
先天性の場合白猫に生まれる可能性が高く、白猫の25%程度がオッドアイのようです。
事故や病気の影響から後天的にオッドアイになることもあるようです。
オッドアイはその見た目の美しさから、稀に通常の猫よりも高値がつくこともあるようです。
オッドアイについて詳しくは別記事にまとめています。
興味がある方はこちらをご覧になってください。
赤い目を持つアルビノ
ここまでに紹介した以外にも、例外として赤い目をしている猫もいます。
それは「アルビノ」と呼ばれる先天的な遺伝疾患を持つ猫で、メラニン色素を持っていないのが特徴になります。
そのため見た目は白猫と酷似しています。
アルビノの猫は上の画像のように、猫の目の血管などが浮き上がり赤く見えてしまうようです。
猫の目の色と毛皮の色の関係性
猫の目の色と毛皮の色にも強い関係性があります。
瞳と同じように被毛の色も、メラニン色素に強く影響を受けているからです。
例えば黒猫の場合青色の目はほとんど存在せず、ヘーゼルやイエロー系の色の目が多いです。
一方白猫はメラニン色素が少ないため、青色の目をしていることが多いです。
ただ猫の種類によっては、毛皮の色も関係なく目の色が決まっている種などもいます。
先ほども紹介したように、「シャム猫」や「バーマン」「ラグドール」などは生涯を通じて青色の目をしています。
また、「エジプシャンマウ」や「ロシアンブルー」などは緑色の目のみです。
瞳の色の変化には要注意?
子猫は皆、一律「青い目(キトンブルー)」というサファイヤに近い目の色をしています。
そこから、変化する場合は次第に自分の持つべき目の色に変わっていきます。
この変化については、どの猫も通る道なので、全く問題ありません。
問題なのは、成猫などの目の色が変わった場合のことです。
成猫の目の色が変化した場合、病気の影響が疑われます。
- 目が白くなってきた:白内障が疑われる
- 目が赤くなってきた(充血):結膜炎や角膜炎が疑われる
- 目が緑になってきた:緑内障が疑われる
- 目が黄色になってきた:黄疸が疑われる
このように、成猫の目の色の変化と言うのは、高確率で病気原因であることが推測できます。
もし心当たりがあるようでしたら、すぐにかかりつけの獣医さんに連絡をした方が良いでしょう。
まとめ
子猫から大人に成長する際に、メラニン色素が働くことで猫の目の色が変わります。
猫の目の色が違う理由は、メラニン色素が多いか少ないかによって分かれています。
目の色は全部で10種類に分けられ、メラニン色素の量が少ないと青や緑などの薄く鮮やかな色、多いと濃く深い色になっていきます。
目の色だけでなく、猫の目からは感情を読み取ることなどもできます。
興味がある方は下の記事から確認できます。
photo credit:Linda W by Albie