バーミーズはその鳴き声の穏やかさから「慈悲深い猫」とも呼ばれる、シルキーな見た目が特徴の猫です。
「ボンベイ」の交配元にもなっているバーミーズがどんな猫なのか。
飼い方、性格や特徴、販売先によって違う価格の差などを紹介していきます。
目次
バーミーズの歴史
1930年アメリカの精神科医であったJ・トンプソン博士が、ミャンマーから持ち帰った1匹の美しい猫と「シャム猫」が交配しました。
出来た子猫を再度交配してできたセピア色の猫が、現在のバーミーズの祖先です。
バーミーズにはアメリカンバーミーズとヨーロピアンバーミーズの2種類がいます。
アメリカでは計画繁殖しましたが、イギリスでは計画繁殖用の個体がいませんでした。
そのため、再びシャム猫と交配させました。
このときシャムと交配してできたのがヨーロピアンバーミーズなのです。
こうしてアメリカとイギリス(ヨーロッパ)で2種類のバーミーズができたのです。
それぞれの違いについては後述しています。
ちなみにバーミーズの名前の由来は、「バーミーズ葉巻」と毛色がとても似ていたことからその名をつけられたようです。
バーミーズに多い性格
バーミーズに多い性格は以下になります。
- 高い社交性
- 高い環境適応能力
- 遊び好き
- 寂しがり屋
- 注目されたがり
バーミーズはとても社交的な子が多い猫種です。
子供や他の動物がいてもすんなりとなじめるように、多頭飼いをしても特に問題はないでしょう。
田舎から都会、都会から田舎。
もしくは朝起きて夜眠る生活から、夜起きて朝眠る生活などライフスタイルや環境が変わっても問題なく適応する能力をもっています。
遊びが大好きなのも彼らの性格の一つです。
基本的には飼い主にべったりくっついて遊ぶのが好きですが、お客さんなど初対面の人相手でも臆することなく遊べます。
バーミーズのとても高い社交性は裏を返すと、寂しがり屋の面があります。
彼らは人の注意や愛情をしっかりと受ける必要があり、昼間家をあけるような家庭で飼うのは向いていません。
日中家を空ける場合でも飼いたい場合は、多頭飼いをおすすめします。
多頭飼いをする場合は、もう1匹の猫と遊ぶことで問題はなくなります。
飼い主さんが部屋を移るとバーミーズもやってくるというように、文字通り飼う場合は「べったり」した生活ができます。
新聞やパソコンを使っていて、作業を邪魔してくることもあるかもしれません。
そういった時も腹を立てず、うまく対処することが必要になります。
ただ中にはそういった状況は近寄らず、都合のいい時に遊びに来るように考えている子も多いようです。
バーミーズの特徴
バーミーズの特徴は以下になります。
- 優しく小さい特徴的な鳴き声
- 丸い頭部
- ゴールドの瞳
- サテンのような被毛
- 多い運動量
バーミーズは鳴き声が何よりも特徴的であり、その鳴き声が穏やかで静かなことから「慈悲深い猫」という名称も持っています。
バーミーズの鳴き声(Youtube)
バーミーズの頭は丸っこい形をしており、瞳も同様にほぼ円形となっています。
初期のバーミーズこそブルーグリーンの目の色をしていたそうですが、現在はイエローやゴールドの目の色のみ認められています。
サテンのような肌触りの良い被毛も特徴の一つで、上品でつややかな印象を見るものに与えます。
運動量も多く、一緒に遊んでいて飽きることはないでしょう。
バーミーズの体重
バーミーズの性別毎の平均体重は以下になります。
- オス 3~5.5kg
- メス 3~5kg
猫の平均体重は4kgほどです。
そのためバーミーズは平均とほぼ同じ重さの体重をしていると言えます。
バーミーズは見た目こそそこまで重そうではありませんが、筋肉質なため抱っこするとずっしり感じるかもしれません。
バーミーズの寿命
平均寿命については知りたくない方も多いと思いますが、いつかは分かれの時がくるものです。
ですのであくまで1つのデータとして参考にしてみてください。
バーミーズの平均寿命は13~15歳となります。
猫の平均寿命が15歳程度であるため、ほとんど平均と同じと考えていいでしょう。
ただ猫の寿命は飼い方によってかなり変わってきます。
バーミーズを長生きさせたい場合、普段からストレスを溜めないように多めに遊ぶ時間を取ってあげることが大切になります。
バーミーズの種類
画像:ヨーロピアンバーミーズ
バーミーズはオリジナル(アメリカン)のバーミーズとヨーロピアンバーミーズの2種類がいます。
それぞれどういった違いがあるか、以下の表を参考にしてみてください。
アメリカン | ヨーロピアン | |
体重 | ほぼ変わらず | |
毛色 | 4色 | 11色 |
毛色 パターン | 1パターン | 2パターン |
目の色 | 2色 | 3色 |
体つき | 筋肉質 | 若干スリム |
顔つき | 丸っこい | やや楕円形 |
アメリカン(オリジナル)はより分類が少なく、毛色や目の色も少数しか認められていません。
目の色はイエローかゴールドのみとなっています。
一方ヨーロピアンバーミーズは、シャム猫とバーミーズの交配によってできた種です。
そのため種類なども多くなり、体つきは若干スリムになっています。
目の色はイエロー、ゴールド、オレンジの3色が認められています。
目の色については下記の画像を参考にしてみてください。
- サファイヤブルー(※)
- ブルー(※)
- アクア(※)
- グリーン(※)
- ヘーゼル(※)
- イエロー
- ゴールド
- オレンジ(オリジナルバーミーズのみいません)
- カッパー(※)
- オッドアイ(※)
※(アメリカン)バーミーズ、ヨーロピアンバーミーズ共にいません
バーミーズの価格相場、販売先の違い
バーミーズは日本国内ではかなり知名度が低い猫種です。
そのためペットショップなどではほとんど販売されていないようです。
価格の相場は以下のようになることが多いです。
購入元 | 価格 |
ペットショップ | 25万~35万円 |
ブリーダー | 20万~30万円 |
バーミーズはやはり珍しい猫種ということもあり、若干高めの価格設定となっております。
里親募集をするのも一つの手ですが、里子に出されているバーミーズはそうそういないと考えられます。
探してみる際はこちらのページを参考にしてみてください。
バーミーズはペットショップではほとんど販売されないため、基本的にはブリーダーからの購入となります。
ブリーダーから購入する場合は、良いブリーダーと悪質なブリーダーを見分けることが大切です。
バーミーズの飼い方のポイント
飼い主さんの生活を顧みることが大切?
バーミーズはべったりしようと思えば、他の猫より徹底的にベタベタして時間を潰すことができます。
それはバーミーズにとってより、飼い主さんにとって良いことなのかを考える必要があります。
もちろんどのように時間を使うかはその人次第ですし、猫と遊ぶのは素晴らしいことです。
ただバーミーズを飼うことによって、日常生活が上手く回らなくなってしまわないように気をつけましょう。
ブラッシングの頻度
バーミーズは短毛種であるため週に1回程度のブラッシングをしてあげれば問題ありません。
春や秋などの換毛期は、抜け毛が多くなるため週に2,3回のブラッシングを意識するようにしましょう。
つややかなコートを保ちたい場合は、手で撫でつけることでその光沢を維持することができます。
より入念に手入れしてあげたい場合は、セーム皮を使って撫でてあげるようにしましょう。
猫は基本的に撫でられるのを好む動物です。
特にバーミーズはその傾向が強いため、コミュニケーションとして撫でてあげるようにしましょう。
運動(遊び)
バーミーズは運動量が多い猫種です。
高カロリー・高たんぱくの食事が必要になるため、しっかりと運動はするようにしましょう。
バーミーズの場合、毎日少なくとも30分は遊ぶ時間を取るようにしましょう。
どの猫にも言えることですが、上下移動は猫にとって効果的な運動になります。
キャットタワーを用意することで上下運動を促すことができます。
かかりやすい病気
バーミーズは基本的には病気になりにくい、丈夫な体を持っていることが多いです。
ですが、遺伝などの要因からかかりやすい病気はあります。
バーミーズがかかりやすいのは「猫知覚過敏症」という病気です。
猫知覚過敏症とは落ち着きをなくし、異常な行動を取るようになってしまう病気です。
具体的には一部位を強くグルーミングし続ける、触られるのを嫌がる、急に攻撃的になるなどです。
原因ははっきりとは判明していませんが、ストレスが溜まることだと考えられています。
ストレスを溜めないようにするための、予防策としては以下が挙げられます。
- バーミーズにとって心地よい環境にする
- 猫の嫌がることをしない
- しっかりと愛情を注ぐ(無視をしない)
- ストレス症状が出ている時は病院に連れていく
バーミーズは猫の中でも特に寂しがり屋な性格をしています。
飼う際はしっかりと愛情を注いで育てるようにしましょう。
まとめ
バーミーズはとても人懐っこく、愛らしい性格をしている猫です。
鳴き声が小さく、人見知りなどもしないため、マンションなどで生活するのにも向いています。
ただ愛情と注目をたくさん受けて育つ必要があるため、飼う際はしっかりと可愛がってあげましょう。
他の猫種についても知りたいという方はこちらからどうぞ!
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