スコティッシュフォールドは他の猫種に比べて、病気にかかりやすい猫種です。
このページではどうしてスコティッシュが病気にかかりやすいのか、また長生きしてもらうためにはどうしたらいいのかを解説していきます。
スコティッシュをこれから飼いたいという方、既に飼っている方、どちらにも為になるため是非確認してみてください。
目次
スコティッシュフォールドの平均寿命
スコティッシュフォールドの平均寿命は10~13歳です。
猫の平均寿命が15歳程度であるため、スコティッシュフォールドが比較的短命な猫種であることが分かると思います。
スコティッシュフォールドが短命なのは病気にかかりやすいためです。
それではどんな病気にかかりやすく、より長く健やかに生きてもらうためにどんな対策をしたらいいかを紹介していきます。
スコティッシュフォールドはどうして病弱なのか
スコティッシュフォールドが短命な傾向なのは、彼らの遺伝が複雑で病弱なものだからです。
遺伝的に骨が十分に成長しにくかったり、骨格に異常が出てしまったりしやすいのです。
こういった背景があってこそスコティッシュは折れ耳だったり、スコ座りができたりするのです。
そんなスコティッシュフォールドがかかりやすい病気とはどんなものなのでしょうか?
スコティッシュフォールドのかかりやすい病気
スコティッシュフォールドがかかりやすい病気は、大きく以下の3つの系統の病気に分類することができます。
- 骨関連の病気(遺伝性骨形成異常症【骨瘤】・骨軟骨異形成など)
- 泌尿器系の病気(腎不全・尿路結石など)
- 耳関連の病気(耳ダニ・外耳炎・遺伝性難聴など)
1つずつ詳しく見ていきましょう。
骨関連の病気(遺伝性骨形成異常症【骨瘤】・骨軟骨異形成など)
スコティッシュフォールドは遺伝的に骨の形成に問題を抱える子が多いです。
スコティッシュは骨関連の病気や、それに付随した関節炎などが発症する割合が他の猫種の約3倍高いという研究結果も出ています。
骨関連の病気とは具体的に、「遺伝性骨形成異常症」という病気を主に指します。
別名を「骨瘤(こつりゅう)」と言い、足や尾の骨が変形したり、軟骨の形成が上手くいかず瘤(コブ)のようなものができてしまう病気です。
骨瘤にかかっていると、以下のような症状が見られます。
- 骨に瘤(コブ)がある
- 身体を触ると痛がる
- 変な歩き方をする
上記のような症状が見られた場合は、骨瘤の疑いがあります。
また折れ耳のスコティッシュの方が、立ち耳のスコティッシュに比べてこうした骨関連の病気にかかりやすいです。
その理由は折れ耳のスコティッシュが100%抱えている持病の、「骨軟骨異形成」と言う病気が原因です。
骨軟骨異形成とは、軟骨の形成に問題が生じる病気です。
スコティッシュは骨軟骨異形成にかかっているからこそ、折れ耳という特徴を持っているのです。
スコティッシュが骨瘤などの病気にかかっているかどうかは、日頃からしっかりと様子がおかしくないかを確認することが何より大切です。
おかしな様子が見られた場合は、すぐにかかりつけの病院に行くようにしましょう。
スコティッシュフォールドは折れ耳×折れ耳の交配が禁止されています。
上記のような骨関連の異常が、折れ耳同士の猫からできる子猫は多くなるからです。
泌尿器系の病気(腎不全・尿路結石など)
スコティッシュフォールドは折れ耳・立ち耳関係なく、遺伝的に泌尿器系の病気にかかりやすいです。
泌尿器系の病気とは、具体的には「慢性腎不全」や「尿路結石」「膀胱炎」などの病気です。
中でも特に気をつけるべきなのが、慢性腎不全です。
慢性腎不全とは簡単に言ってしまうと、腎臓が正常に機能しなくなってしまう状態のことを言います。
元々腎臓は血液をろ過するフィルターの役割などを備えていますが、それがうまくできなくなってくるのですね。
それに伴って、以下のような様々な症状が出てきます。
- 急に水をたくさん飲むようになり、オシッコの量が増える(多飲多尿)
- 薄いおしっこを出す
- 便秘や下痢
- 頻繁な嘔吐
- 食欲不振
基本的には多飲多尿の症状が出ていないかを、日頃からチェックすることが大切です。
予防方法としては、以下を意識するようにしましょう。
- 普段から水をしっかりと飲むようにする
- ミネラル分豊富な食事を避ける
- 療法食を与える
- 定期的な尿検査
泌尿器系の病気を予防するには、食生活をしっかりとして、普段から水をしっかり飲むようにすることが何よりも大切です。
耳関連の病気(耳ダニ・外耳炎・遺伝性難聴など)
スコティッシュフォールドの折れ耳は、ほかの猫種にはない稀有なチャームポイントです。
しかしこういった折れ耳のスコティッシュは、耳関連の病気にかかりやすいため注意しましょう。
折れ耳は通気性が悪く湿度が高いため、耳ダニが繁殖しやすい環境となっており、外耳炎などにもなりやすいです。
耳ダニ・外耳炎の予防どちらにも大切なのは、室内飼いで耳掃除を普段からしっかり習慣化することです。
耳ダニは放し飼いをしている子の方が圧倒的に寄生されやすく、耳ダニが原因で外耳炎になることはよくあります。
耳ダニがいなくても、折れ耳は外耳炎になりやすいため習慣的な耳掃除は大切です。
またスコティッシュは遺伝的に難聴の子が多いため、ブリーダーやペットショップから購入する際もこちらの出す音などに反応しているかどうかはしっかり確認するようにしましょう。
スコティッシュフォールドを長生きさせるためには
スコティッシュフォールドを長生きさせるためには、以下のことに気をつけるようにしましょう。
- 室内飼い
- 去勢・避妊
- 食事・飲水を気をつける
- かかりつけの獣医さんをみつけること
1つずつ詳しく見ていきましょう。
室内飼い
スコティッシュフォールドに限った話ではなく、基本的に猫の健康のことを考える場合は放し飼いよりも、室内飼いの方がおすすめできます。
外に出てノミやダニのような寄生虫に付かれる恐れも少なくなり、事故に遭う確率も減るからです。
猫自身の幸せを考えると、外に出れないのは可哀想と考える方も多いと思います。
室内飼い・離し飼いのどちらにするのかは飼い主さんの判断次第ですが、猫の安全面から視ると室内飼いがおすすめです。
ただどうしても外に出たがる場合などは、散歩をするのも一つの手です。
去勢・避妊
去勢・避妊手術をすることで、オス・メスともに発情期特融の問題行動を起こしにくくなり、メスは生殖器系の病気の予防もできます。
こちらも生殖機能を取り除くという大きなテーマになるため、飼い主さん自身がどうするかを判断する必要があります。
ただやはり健康面や飼いやすさのことを考えると、去勢・避妊手術は受けた方が良いです。
食事・水分接種に気をつける
適切な食事と、しっかりとした水分接種が何よりの病気予防になります。
食事の決め方としては、成長段階に合わせて必要な食事を変えるようにしましょう。
成長期は体も大きくなるため、高たんぱく・高カロリーな食事を中心にするのがおすすめです。
普段からあまり水を飲まないという子は、泌尿器系の病気にかかりやすくなってしまいます。
そういった場合は、水を飲むような対策を立てることも大切です。
かかりつけの獣医さんを見つける
かかりつけの獣医さんを見つけておくことはとても大切なことです。
飼い猫の日頃の様子を知っている獣医さんであれば、ちょっとした予兆や変化にも気付きやすくなるからです。
基本的には以下の4点を満たす、かかりつけの獣医さん(動物病院)を見つけるようにしましょう。
- 院内が清潔
- 治療についての説明が分かりやすく丁寧
- 飼育相談にも乗ってくれる
- 家に近い
他にもセカンドオピニオンに理解を示してくれる先生を強くおすすめします。
またかかりつけの動物病院がカバーしていない夜間帯などに、どこの病院が空いているかを調べておくのも大切です。
今かかっている医師(主治医)以外の、他の医師の意見を聞いてみることです。
医師が変わることによって、病気の治療への提案なども変わることがあります。
まとめ
可愛く愛嬌のある子が多いスコティッシュフォールドですが、どうしても遺伝的に病気にかかりやすい猫種です。
できるだけ飼う猫(もしくは飼っている猫)、そしてあなたも一緒に幸せになるためにスコティッシュにかかりやすい病気があることは知っておきましょう。
そして普段からできる限り予防をすることが大切です。
スコティッシュフォールドについてより詳しく知りたい場合は、下の記事も確認してみてください。
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photo credit:fbazhenov by Simply Clever、Arthur Ivanov by =)、Tom Thai by Classic Tabby Scottish Fold、Tom Thai by Classic Tabby Scottish Fold